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円安で観光客が凄い?コロナ禍以前を上回る訪日客

円安で観光客が凄い?コロナ禍以前を上回る訪日客

日本政府観光局JNTOの発表によると、2023年に入って日本の観光来日者数はコロナ以前に急激に追いつく勢いです。
訪日外客統計という調査報告書が非常に興味深い内容でしたので紹介すると共に考えてみたいと思います。
8月には中国の団体ツアーも解禁され観光地がにぎやかさを取り戻してきました。
それどころか、世界の物価高の中、相対的な円安を続ける日本での旅行価値が高まり、コロナ以前よりも人気の観光地として注目を集めています。

今回の記事では来日者数の急増の訳と今後の予想を解説していきます。

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日本政府観光局の資料から分かる事

先ずはこちらをご覧下さい。
日本政府観光局が毎月発表している月次の訪日外客数になります。
左側の表にご注目下さい。2019年の訪日数と2023年を比べています。
つまり、コロナ禍以前と現在の比較となります。
2023年に入って1月時点では伸び率-44.3%とありコロナ以前の半分程度となっています。
それが9月に至るまでに訪日外客数は増え続けているのが分かります。

伸び率という数字が9月に至るまでどんどんと数値が小さくなっているのが見て取れるかと思います。
10月にはコロナ以前の水準となり伸び率がこのままであれば追い越していく事も予測できます。

続いて昨年比で表示したグラフを見てみます。
同じ数値を昨年比で比べてみますと明らかにインバウンドが戻ってきている事を示しています。コロナ禍により急速に冷え込んだ観光事業ですが、2023年10月に至るまでに相当に人の入りを戻してきている事が分かります。

2023年は2022年比で15倍も訪日客が増えています。
本格的にインバウンドの盛り返しが始まっている事が良く分かります。
では、どこの国から来日しているのかを国別に統計しているものもありますので見てみます。

韓国は2019年に政治問題で著しく渡航数が少なかったことが影響しているため、物凄く増えたわけではありません。
そう考えると顕著に伸びているのがアメリカ、カナダ、メキシコなどのアメリカ大陸からとシンガポール、インドネシアフィリピン、ベトナムと東南アジアそして、中東地域でも増加しています。
分かりやすくグラフィカルにしたものがこちらです。

このグラフが示しているのはほとんどすべての国で訪日者数が増えている事です。
コロナ禍以前の水準に戻るか、それを上回っている事が分かります。
それでは、一体何故これだけ増えているのか理由を考えていきましょう。

円安による影響

なんていっても円安の影響は明らかでしょう。
対ドルで考えても150円に迫る円安を迎えています。
さらに、アメリカ国内での物価高を考えると日本旅行は只の観光旅行である事に留まらず、物価の安い渡航先という魅力が付いてくるのです。

例えばニューヨークでもらーめんはブームとなっていて、人気店では行列が出来る程です。
しかし、らーめん一杯3000円と日本の感覚で食べるものと異なります。
海外での日本らーめんは高級外食であり、レストランでの食事と比べて遜色ない扱いです。
美味しいらーめん店が増えたと言っても気軽に食べるには高価な食べ物に、、、

その点日本に来れば1000円程度でチップも気にせずあらゆる種類のらーめんが食べられる。
これだけでも観光価値があるというものです。

さらにはアニメ文化が世界中で喧伝され、そのメッカとして注目されています。
安全で、安い、これが今のアメリカから見た日本の姿です。

アルコールに煩くないのも非日常的で新鮮なようです。
コンビニでどこででもアルコールが買えて、昼間から路上で飲んでいても大丈夫なんて信じられない国なのでしょう。

かつての東南アジアのような物価安

旅行先として考えた時に日本の物価はかつての東南アジア諸国のような安さに映ります。
表を見てもアジア圏の旅行者が増えている事も特徴の一つです。

2019年以前では中国の爆買いが日本旅行の過半を占めてましたが、コロナ禍で中国人旅行者は激減しました。
対して東南アジアと中東からの旅行者が伸びている事が分かります。

インフレの波は例外なく諸外国を襲っています。
そんな中例外的にインフレ係数の小さな日本は相対的物価安の国に映るのです。
一度行ってみたいと考えていた人たちにとって今はまさに大チャンスになるのです。

物価が安いと言ってもかつて物価高の代名詞であった日本です。
そんなにも安いのでしょうか?
実は過去からのCPI(消費者物価指数)の変遷を比べてみても世界の中で特段に物価が安い訳ではありません。

ところが、諸外国との為替差を踏まえた時突然安く感じるようになるのです。
ドル円で考えれば1ドル100円と1ドル150円では物価にして50%違うように感じる事になります。
恒常化する日本の円安は外国人旅行客にとっては追い風でしかありません。
自国通貨を持って日本に旅行に来るだけでなんでもお得に変えてしまう状況が今なのです。日本円は対ドルだけでなく、世界中の通貨に対して安い状況です。

これはつまり、世界中の国に円安の恩恵で旅行のチャンスが訪れていると言えます。

何故円が安いのか?

円安の主たる原因を考えてみたいと思います。
世界中でコロナ禍とウクライナの影響でエネルギー価格が上がり、消費者物価を押し上げているのは周知の事実です。
インフレが世界各国で進み、インフレを抑えるために利上げを行う国が沢山あります。
アメリカも勿論の事で、ヨーロッパや南米、アジア中東も例外ではありません。

そんな中、利上げをしていない国が日本です。
為替とは対象となる通貨のそれぞれの国でのお金の総量で決まります。
為替の決定要因はそれが全てではありませんが、お金が増える国と抑制している国で為替バランスが動くのは当然です。
世界中の多くの国でインフレ抑制のために利上げを行う中、日本では金融緩和を続けているので円がどんどん安くなります。

日本は国内景気の悪化を懸念して、金融緩和を続けています。
円安が進むというよりも他国の通貨が物価連動で上がっていく中、相対的に円が安くなっていると言えるでしょう。

復活する中国観光客

コロナ禍で90%以上の中国人観光客が日本に来なくなりました。
長いコロナによる渡航制限も終わりようやく、2023年8月より団体旅行の解禁が行われ、日本ツアーが復活です。
中国から日本へ旅行するにはビザが必要になりますので、多くの中国人観光客はツアーを利用します。

先日の福島原発放射の事件が記憶に新しいですが、実際日本渡航への意欲は中国内観光客で盛り上がってると見るべきでしょう。
何と言っても人民元対円でも圧倒的です。
今中国は経済が2極化しており、貧富の差が拡大しています。

お金を持っている人は持っていて、消費欲も高いです。
日本旅行への高い意欲は相変わらずであると見て良いでしょう。

中国人観光客と言えばマナーの悪さがニュースで目立ちます。
もともと言語的に大きな声量になりがちなのと、ツアーで沢山の人で訪れる事。
外国旅行で気が大きくなる所に、習慣の違いも手伝ってかなり問題になっていました。
SNSなんかでも話題になっていて団体客でビュッフェを空にする様は大きく取り上げられています。

昭和の時代、日本人観光客もヨーロッパで散々な言われようでしたのでこういう現象は通過儀礼のようなものなのかもしれません。
さらに言えば食において中国では食べ残す事が文化的に当然なので「勿体ない」という感覚に差があるのでしょう。

しかし、近年の富裕層中国人ではそうした旅行における日本での悪評を事前に知る人も増えてきており、中国のツアー会社の努力もあって改善してきている向きもあるようです。
迷惑行為(ミーフオシンウェイ)という言葉が中国SNSでトレンドとなり、旅行マナーを意識する人も増えています。
迷惑行為という中国語は無く、旅行マナーを表す造語として話題です。

何と言っても14億人もいる国です。
マナーの良い人もいれば悪い人もいる。
その比率、割合もさる事ながら程度についてもとんでもない人もいて悪い部分がより目立つという側面もあるのでしょう。
経済問題を種々抱える中国ですが、2極化する格差社会で富裕層は数多くいます。
そういった富裕層にとって日本はモノも安く、サービスも良質で安全な旅行先です。
距離的なものもあって気軽に渡航出来るもの魅力とあって今後中国人観光客が増える事は間違いないと思われます。

円安の只中でインバウンドが増えている渦中にコロナ以前のように観光客が増えるとなるとどうなるでしょうか?
観光産業の喜びと困惑が入り混じる様が予想できます。

対応遅れる観光業

対応が遅れるというよりも航空業界も観光業界もコロナで大きく人員を削減しました。
旅行会社は沢山の倒産を経験しておりますし、来日中国人に依存していた宿泊施設や飲食店も多くが廃業に追い込まれました。

そして、コロナが収まった今、これまでの反動で大勢の渡航客が押し寄せるという事態です。
確実に各地の観光地は混乱し、好況を超えて、騒乱といった状態になる事でしょう。

10%程度毎年増加していくようであれば喜ぶ現象ですが、コロナ以前から見て40%(見込み)前年比で2000%(見込み)もの訪日があってはどうなるでしょうか?
ちょっとした観光バブルが起こると共に新たな社会現象が起こりそうです。

中国を抜きにしてもアメリカ、南米、アジア、中東からの訪日が増えている状況で韓国、中国の観光が復活となればもの凄い事になるでしょう。
コロナで閑古鳥が鳴いたと言われる観光地は息を吹き返し、活気はすぐに悲鳴へと変わりそうです。

観光客の増加は小売業や飲食業も支え、インバウンド需要は一部日本の景気を良くしてくれそうです。
円安はまるで暗雲立ち込める先ぶれかのようにニュースは煽りますが、円安により日本に観光客と外貨がやってきます。

全体から見れば微々たるものかもしれませんが、円が買われ、消費される事で為替へも寄与する事でしょう。

円安で恐々とするニュースが多く流れる中で訪日外国人の増加は嬉しいニュースの一つです。
コロナで失われた経済の立ち直りに寄与し、新しいビジネスチャンスの到来と捉える事も出来ます。
暗い事ばかりが続くニュース欄ですが、明るい話題になってくれる事を祈るばかりです。

参考:日本政府観光局
https://www.jnto.go.jp/

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この記事を書いた人

佐藤大介

ライター

佐藤大介(さとうだいすけ)

ウルトラ金融大全局長
ウルトラ金融大全の監修を務めます。
金融リテラシーを高める為、セミナー講師として活動。
「超一流の口だけ男」と評される氏のセミナーは非常に分かりやすく、何度も受講するファンが沢山います。
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