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インフレ目標2%ってどういう事? 背景を解説

インフレ目標2%ってどういう事? 背景を解説

日銀が掲げているインフレ目標をご存じでしょうか。2013年の安倍内閣が発足後、インフレ目標を2%と定めています。では、なぜ日銀はインフレ目標を2%にしているのか疑問に思う人もいるでしょう。

この記事では、インフレの基本的な概要から、インフレになるメリット・デメリット、インフレ目標2%の設定の意味を解説します。この記事を読むことで、インフレについて理解し、今後インフレが続いた場合にどのような対応をしていけばよいか判断できるでしょう。ぜひ参考にしてください。

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そもそもインフレとはなにか?

インフレ目標2%についての解説の前に、そもそも「インフレ」という言葉がいまいちピンとこない人もいるかもしれません。ここでは、インフレの基本的な概要と、インフレによく似ているスタグフレーションについてみていきます。

インフレとは物価が上昇すること

インフレとはインフレーション(Inflation)の略で、モノやサービスの価格が上がる状態のことを指します。

例えば、今まで100円で買えていたパンが1年後に150円に上がったとします。その場合、同じパンを手に入れるには1.5倍のお金が必要です。つまり、商品の価値が上がり、お金の価値が下がったことになります。

一般的にインフレ状態のときは景気が上向きであると考えられます。消費者の購買意欲が高まり、企業の生産・投資活動も活発化することで、雇用機会が増え、所得も上昇する傾向です。そのため、景気を上昇させていくためには一定のインフレ率を維持することが重要であるといわれています。

また、その反対に商品やサービスの価格が下がる状態をデフレ(デフレーション)と呼びます。デフレになると商品やサービスが売れず企業の業績は悪化。その結果、企業はリストラや雇用を削減し、失業者が増加する流れになります。

インフレによく似たスタグフレーションとは

インフレとよく似た意味を持つ言葉に「スタグフレーション」が存在します。スタグフレーションとは、景気が後退しているにもかかわらず、インフレが同時進行してしまう状態を指します。

これは、物価が上昇しているにもかかわらず、景気は低迷し、お金の価値も下がってしまうという極めて厳しい経済状況です。例えば、景気が低迷して賃金も上がらない状況であるにもかかわらず、生活必需品(食料やエネルギー価格)などの価格が上昇してしまい、家計が圧迫されてしまう状態です。

この現象の主な要因として、原材料費の高騰が挙げられます。例えば、原油や飼料の価格が高騰すると生産や運輸のコストに影響を及ぼし、広範囲で商品やサービスの価格が上がってしまうのです。

今回のコロナやロシア・ウクライナ情勢でエネルギー価格が高騰し、商品やサービスの価格が吊り上がってしまったのもスタグフレーションといえる状態です。

インフレは世界規模で進行しており、日本においても長年掲げてきたインフレ目標である2%を達成しました。しかし、今の日本の状況はスタグフレーションに近い状態と感じる人も多いかもしれません。

インフレになるメリット・デメリット

次はインフレによるメリット・デメリットについてみていきます。

インフレになるメリット

インフレには主に次のようなメリットがあります。

・企業の業績向上が期待できる。
・従業員の賃金が上昇する傾向がある。
・雇用機会が増加し、失業率が減少する可能性がある。

まず、インフレはモノやサービスの価格が上昇します。それに伴って企業の売上も上がりやすくなるでしょう。そして、売上が増えれば自然と企業の業績も伸びやすくなります。業績が伸びれば、その利益が従業員に還元されることとなり給与も増える仕組みです。

さらに、企業の業績が伸びると、事業を拡大する必要性が出てくるため新たな雇用機会が生まれます。これにより、雇用が促進されて失業率の低下が期待できるのです。

インフレになるデメリット

インフレは一般的に景気に良い影響を与えることになりますが、インフレにも次のようなデメリットが存在します。

・生活コストの上昇
・金利への影響

まず、インフレはモノやサービスの価格が上がるため、生活コストが上昇してしまいます。例えば、生活必需品である食料品や衛生用品、ガソリンなどの燃料費が挙げられます。価格が上がる分、収入も上がればよいのですが、そうでない場合は家計を圧迫してしまう可能性があるでしょう。

また、基本的にインフレが続くと金利が上昇する傾向にあります。金利が上昇することで影響を受けやすいのが住宅ローンです。変動金利で住宅ローンを組んでいる人の場合、金利上昇により、住宅ローンの返済負担が増加してしまう可能性があるでしょう。

インフレ目標2%の意味

インフレの概要からインフレのメリット・デメリットについて解説しました。では、日銀はこのインフレ率の目標をなぜ2%に設定しているのでしょうか。

日銀の主要な目的の1つに「物価の安定」が挙げられます。そして、今の日銀は2%くらいのインフレ率が「物価の安定した状態」と位置付けています。その理由は次の3つです。

・消費者物価指数の上方バイアス
・金利引き下げ余地の確保
・グローバル・スタンダード

「消費者物価指数の上方バイアス」

インフレ率の統計上、実際のインフレ率よりも数値が高めに出る傾向があります。つまり、日銀は、この上方バイアスを加味して少し高めの目標を設定しているのです。

「金利引き下げ余地の確保」

2つ目は、金利の引き下げ余地を確保するためです。基本的に物価が上昇すると金利も上がりやすくなります。そのため、金利が上がれば日銀は経済状況に応じて、金利を上げたり下げたりを柔軟に対応しやすくなるのです。

過去の日本は物価の上昇率が低かったために、金利を下げる余地が失われた状況になっていました。この対策としてインフレ目標を2%に設定しています。

「グローバル・スタンダード」

この2%の目標は、日本だけでなく世界の主要な中央銀行も採用しています。これは、経済成長と物価上昇のバランスを取る最適な数字として「2%」が国際的に認識されているからです。

出典:日本銀行 なぜ「2%」の物価上昇を目指すのか
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2014/ko140320a.htm

インフレ時の資産防衛策

日銀がインフレ目標を2%に設定していますが、毎年2%ずつインフレが進んでいくと、その分、通貨(円)の価値もどんどん下がっていきます。したがって、ほとんど金利の付かない銀行預金に預けておくだけでは、実質的に資産は目減りしていくことになるでしょう。ここからは、資産の目減りを抑制するための対処法について解説します。

株式投資

一般的に株式はインフレに強い資産といわれています。企業はインフレ時に自社商品を値上げするため、売上や利益が増加しやすくなります。このような企業の業績向上が、株価の上昇を後押しする要因となるのです。

したがって、インフレ下においては、保有資産に占める株式の割合を高めることで、効率よく資産価値の維持と資産形成を目指すことができるでしょう。ただし、どの企業でも必ず株価が上昇するわけではなく、業績が低迷している企業などはインフレ下においても株価は低下する可能性があります。

そのため、銘柄によっては元本割れするリスクがあることを十分理解し、その上で投資を行うことが重要です。

外貨建て資産

インフレ対策として「外貨建て資産」を持つことも有効な手段の1つです。円の価値が下がっても、ドルやユーロのような外貨の価値が上がれば資産全体の目減りを軽減できます。

外貨建て資産には、主に次のようなものがあります。

・外貨預金
・外貨建ての保険
・外国株式
・外国債券

上記の「外貨建て資産」をバランス良く保有することで、各商品に存在する特有のリスクにも備えることができるでしょう。ただし、外貨建ての商品は為替リスクがあり、円高が進行した場合は元本割れを起こすリスクがある点に注意が必要です。

不動産

実物資産である不動産もインフレに強い資産といわれています。物価が上がることで、不動産自体の価値が上がり、さらに、家賃に関しても緩やかではありますが上がりやすくなります。

ただし、不動産を取得するにはある程度の資金が必要となり、だれでも手軽に購入できるものではありません。その場合は「REIT」や「不動産クラウドファンディング」などの少額で取引できる商品であれば、比較的手軽に始められるでしょう。

適切なポートフォリオでインフレに備えよう

今回はインフレの基本的な概要とインフレ目標2%の意味について解説しました。インフレはモノやサービスの価格が上がる状態のことを指し、一般的にインフレ状態のときは景気が良好で、経済が拡大しているとされています。

しかし、日銀が目標に掲げるインフレ率2%が今後も維持された場合、円の価値もそれに伴い目減りするため、適切な対策を講じる必要があるでしょう。具体的には資産割合を円だけでなく「株式投資」「外貨建て資産」「不動産」などにも分散させることです。

もし、自身で対策を講じることが難しい場合はお金の専門家であるFPに相談してみてはいかがでしょうか。資産形成以外にも家計の見直しや住宅購入、ライフプランなどの相談にも対応してくれます。

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この記事を書いた人

辻本剛士

ライター

辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種
独立型FPとして相談業務、執筆業務を中心に活動中。

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