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不動産

中国で増える鬼城中国バブル崩壊の何故

中国で増える鬼城中国バブル崩壊の何故

中国Evergrandeエバーグランデ(恒大集団)の経営危機が報じられた事で本格化する中国の不動産バブル崩壊、この記事では拡大する鬼城と何故中国バブルが崩壊したのかを考察していきます。

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・何故鬼城が出来るのか?

鬼城という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
綺麗に整備された市街地、沢山のビルやマンションが立ち並び、一見すると開発されたばかりのニュータウンに見えるのですが、誰も歩いていないのです。
立ち並ぶマンションには人が住んでいません。
建てたばかりのマンションが並んでいるのにゴーストタウンなのです。
それを鬼城と呼びます。

今中国ではこの鬼城が社会問題に

一説では中国の人口14億人の倍以上34億戸も供給されていると言われています。
それだけ、マンションが供給されているのですから、人の住んでいないマンションが生まれるのは当然とも言えます。
何故このような事が起こったのでしょうか?
それは加熱する不動産バブルが原因です。

中国では土地は全て国有資産になります。
個人や企業はその土地を国から借り受けて住宅を建てています。
中国の各自治体は土地を貸し付ける(売却する)事で利益を上げる事が出来ました。
各自治体の独立採算が中国の役人の人事考課に繋がるため、自治体としては利益を上げる手段として土地の売却は大変有用でした。

つまり、自治体が利益を上げると出世出来る人達が沢山いるので、中国全土の自治体でこの土地売却で利益を上げる手段が取られました。
売却された土地は民間の開発業者が市街地開発を施して販売していきます。
経済成長が目覚ましかった初期は問題ありませんでした。

市街地を開発して分譲する事で自治体も不動産業者も利益を上げる事が出来ます。
中国の開発は注目を集めて人々はこぞって住宅を購入していきました。
中国政府も金融機関も住宅ローンを奨励し、開発をすれば売れるという現象が起こります。
マンションの価格はどんどん上がっていき、人々は投資目的でもマンションを購入するようになりました。

中国の不動産バブルの始まり

都市部のマンションが高騰するとこの流れは地方都市にも波及していきました。
地方都市の自治体もこの流れに乗って、どんどん利益を上げていきます。
需要の無い街でも開発を行えばマンションが売れるという現象が起こりました。
人々はマンションの価格が上がる事を信じているのです。

こうして、地方の何もない所に突然街が生まれるようになります。
人々は投資目的として住まないマンションでもどんどんローンで購入していきました。
それにより開発した街は人が住まなくても売れていきました。
中国バブル期である2011年ごろのセメント消費量はたったの3年でアメリカの100年分のセメントを消費したとも言われています。
如何に中国バブルが凄いものか窺えるというものです。

しかし、当然この現象には飽和する段階がやってきます。
人の数は限られているのですから、開発は無限には続けられません。
中国バブルへの警鐘はずっと鳴らされていましたが、バブル経済期にある中人々はバブルに気が付きません。
日本のバブル崩壊がそうであったように、終焉は突然やってきます。

・債務に苦しむ人々が続出

中国の不動産ローンは日本とは異なり、物件の建っていない状態でローンの実行が行われます。
そして、物件が引き渡されるかどうかとローンの支払いは関係ありません。
つまり、マンションが建とうが建つまいが、ローンの支払いは発生するのです。
中国ではローンの支払いをしているのにマンションが手に入っていない人や建築中のマンションに住んでいる人など、バブル崩壊による被害に悩まされている人が続出しています。
バブル崩壊の引き金になったのが政府による過熱抑制策です。

2020年8月に「三道紅線(レッドライン)」と呼ばれる規制が始まりました。
※3つのレッドライン
(1)前受金を除いた負債の対資産比率が70%以下
(2)純負債の対資本比率が100%以下
(3)現預金の対短期負債比率が100%以上

これは不動産業者に対する規制でこれにより不動産業者の開発計画は大幅に抑制されることになります。
12月には金融機関に対しても規制を行い、これが融資の引き締めに繋がります。
融資全体の内不動産に関連する融資割合を最大でも40%に抑える事が定められました。
これを切っ掛けに急激に不動産市場が冷え込みます。

※人民元建て融資残高に対する割合
(出所)中国銀行保険監督管理委員会

波紋を広げる連鎖倒産

「三道紅線(レッドライン)」により堰を切ったように開発のとん挫や会社の倒産が始まります。
冒頭の広大集団のデフォルトが報道されると、不動産市況の冷え込みは加速します。
いわゆるバブルの崩壊です。

中国政府が何故バブルに冷や水を浴びせるのか疑問がありますが、これ以上不動産業者が銀行のローンを使って開発事業を拡大する事を危惧していたからです。
無限に開発事業を拡大する事が出来ない事は明らかでしたので、どこかのタイミングで是正する必要はありました。
出来る事と言えばソフトランディングさせる事しか無かった訳ですが、結果はバブルの崩壊を招く事になったのです。

・これからの中国バブル

このような鬼城という現象は中国全土で起こっています。
その結果鬼城ツアーのようなものが人気になったり、結婚式の写真を撮るのに活用されたりと想定外の事態が起こっています。
建築中に開発業者が倒産したマンションでは電気もガスも通っていない廃墟に強引に住んでいる購入者もいます。

今後の課題は経済成長への影響を最小限に抑えて、投機熱をなんとか穏便にほどほどのポジションに維持する事になるのですが、状況は良くありません。
コロナ禍の中、中国ではゼロコロナ政策を採用しているため経済成長には大きな冷や水となっています。

バブル崩壊がどのようなプロセスを経ていくのかは日本のバブル崩壊を思い起こすと良いかもしれません。
日本のバブル崩壊は不動産価格の下落と株価の暴落を招きました。
我々日本人には、バブル経済の崩壊が記憶にあるため、『不動産バブルは必ず崩壊する』と体験的に知っています。

しかし、不思議なことに、当時の日本でもバブルが崩壊するまでバブル崩壊を予知していた人はほとんどいなかったようです。
土地神話や、不動産の価値が上がるということを多くの人が妄信していました。
銀行の融資金利がどれだけ高くてもイールドギャップが無くても沢山の方が不動産を購入しました。

国中の人がマンションが上がると信じているため、次々と購入してしまう。
売れるから開発する。
それが無謀な計画でも、需要と供給が釣り合っていなくても作って売ってを繰り返してしまう。
次第に開発価値があるのか怪しい小さい規模の都市も分譲していくようになる。
バブル期の日本のことを今の人が誰も理解しないように、中国のバブルのこともやはり理解できません。
何故マンション価格が上がり続けると思ってしまうのか。
バブル崩壊は大衆心理が引き起こす取り付け騒ぎのようなものなのです。
沢山の破産者を作り、各地に傷跡を残してバブルは終息していきます。。

『人は仕事のある所に住む』という原則があります。

明暗を分けるのは、『その場所に仕事があるかないか』ではないでしょうか。
基本原則を忘れずに、目先の甘い話に流されない。
日頃から金融リテラシーを高める努力を怠らなければ甘い誘い話に誑かされることも無いでしょう。
損をしてしまうのは、売っている人でも計画した人でもなく、最後に買った人です。
教訓として胸に刻みたいものですね。
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この記事を書いた人

佐藤大介

ライター

佐藤大介(さとうだいすけ)

ウルトラ金融大全局長
ウルトラ金融大全の監修を務めます。
金融リテラシーを高める為、セミナー講師として活動。
「超一流の口だけ男」と評される氏のセミナーは非常に分かりやすく、何度も受講するファンが沢山います。
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