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不動産
築古中古の落とし穴マンションの最後とは?
マンション価格の高騰が続いてきた日本ですが、物価高に見舞われ更なる値上げを見るのか、はたまたついに下落に転じるのか予断を許さない訳ですが、今日はマンションの最後はどうなるのか?という部分を解説していきたいと思います。
マンションの法定耐用年数が47年である事は良く知られている事かと思いますが、これはマンションの寿命な訳ではありません。最近のマンションは100年経っても耐えられるように作ってあるようです。マンションの最後は一体どんな風になって歴史に幕を下ろすのでしょうか?
無数のマンションが立ち並ぶ日本ですが、絶賛少子高齢化が進み、いずれは必要とされないマンションが現れるはずです。
古びて手入れのされていないマンションは廃墟となって朽ちていく一方、そんなイメージを持つ方もいるかと思います。しかし、多くのマンションは廃墟となる運命にはなりません。
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・管理組合がしっかりしているマンションは末永く
マンションは所有しているたちによって理事会が組織されています。そして、その総会を経てマンション運営を行っています。
マンションではマンション自体の修繕のため修繕積立金を定めて理事会にて徴収しています。各区分マンションの所有者は毎月修繕積立金を収める事でマンション全体の老朽化に備えています。
区分所有者が毎月支払う支出には管理費と修繕積立金があります。管理費はマンションの保守、維持に使われ、修繕積立金が修繕費として使われます。
経年により、エレベーターが動かくなったとか、雨漏りしないように防水工事をするとか、そういう工事はこの修繕費によって行われるのです。マンションは大規模修繕と呼ばれる工事を定期的に行います。
この工事は長期修繕計画表によって定められています。健全な管理の行われているマンションでは築年が経過しても、しっかりと修繕を行う事でマンションは機能を損なわず、価値も保たれていきます。
それでも、100年以上たったらどうなるでしょうか?流石に経年が経ち建て替えが必要となった場合理事会でどうするかを決めます。取り壊す場合、理事会の残金で更地にして持ち分割合を清算する事も可能です。
立地の良いマンションであれば開発業者が買い取る事もあるでしょう。さらに大きなマンション計画がある場合、既存の所有者は新しいマンションを等価交換で得る事が出来るかもしれず、そうでなければ売却する事が出来るでしょう。
立地の良いマンションならば老朽化しても所有者が欠ける事も修繕費が不足する事も無く、所有者も安心出来る選択肢が残されている事が多いです。
問題はそうでないマンションです。地方都市の不人気なマンションなどだとどうなるでしょうか?
マンションの所有者がいない、もしくは所有権者がいるが住んでいない場合などは問題です。理事会で管理費修繕積立金が滞納されている場合が増えてきます。
修繕費の足らないマンションは必要な工事を行っていません。そのため、老朽化が進みます。老朽化が入居者を遠ざけ、さらに住人不足を招きます。
廃墟として放置されたマンションは周辺の地価や治安に悪影響を与えます。しかし、理事会が機能していないため、取り壊しなどの話が出来ません。今後地方都市では不人気なマンションで理事会が機能不全に陥る事が予想されます。
・所有権は放棄出来ない
意外に知られていない事ですが、マンションは捨てられません。そんな事を考える人も少ないので話題になりにくい事ですが、マンションの所有権は放棄出来ないのです。
都心のマンションで考えるとどんな中古マンションでも値段は付くでしょうから、放棄なんて発想が出てきませんが、地方都市ではどうでしょうか?地方都市のバブル期のワンルームマンションなどは賃料が2万円程度のモノもあります。
固定資産税や修繕費も賃料から捻出できないので投資として成り立たない物件になってしまいます。こういったマンションは100万円でも買い手が付きません。タダでも要らないマンションと言えます。
そういった赤字マンションでも捨てる事は出来ません。毎年固定資産税と管理費に修繕積立金を支払い続ける事になります。
そうなるとどうなると思いますか?払わない人が出てくるようになります。捨てる事も出来ない、売る事も出来ない。その上お金をどんどん払うだけになっていきます。
バカバカしいのでもう管理費も修繕積立金も払わないとなっていきます。一部の人が払わないうちは理事会でも問題になり、督促をしたり、裁判をしたりとリアクションがあるかもしれません。
しかし、どの部屋も同じようになっていったらどうでしょうか?その問題を話し合うはずの理事会も機能不全に陥ります。
理事会が機能しなくなると修繕も管理も行われません。傷んだ、マンションは補修もされなくなり、共用部の電気が消えても放置されます。
管理がなされないマンションに住みたい人もいないでしょうから、賃貸で暮していた人も退去していきます。
後に残るのは負債の塊となった廃墟だけです。取り壊そうにもその費用も捻出できませんし、取り壊しを決定する理事会が機能していません。
マンションの所有というと権利的には良い事しか無いように感じますが、それはあくまでも需要のあるマンションに限られます。
あまりにも安いからと地方の築古マンションに手を出す人がいますが、マンションの最後がどうなるのかを良く考えて行動する事が必要です。
・理事会が機能しているかどうかが分かれ目
こうして見てみるとどこが分かれ道かわかってきます。管理が行われなくなった時がマンションの明暗を分けています。翻って考えるとマンションが賃貸ニーズを満たしているかどうかに収斂していきます。
マンションに需要があれば賃料が取れます。賃料が取れていれば利益になります。利益が出ていれば修繕費や管理費を捻出出来るでしょう。
なので、賃料が著しく低く5万円を割っているようなマンションは注意が必要になります。築古になれば管理費と修繕積立金とで2万円近く必要になります。
固定資産税を月間で割れば5000円程度かかるでしょう。年間のコストは30万円にも及びます。実に賃料の50%が経費となってしまっています。
これで原状回復の費用が掛かったり、設備が壊れたりしたらどうでしょうか?いくらも利益が出ない事が分かります。築古のマンションが極端に安い理由はこういう部分にあります。
自分のマンションがそんな事にならないように理事会の議事録や重要事項調査報告書はしっかりと確認してください。
修繕積立金がしっかりと貯まっていなかったり、滞納費が目立つようになっている場合は注意が必要です。しっかりと是正していけないととんでもない事になるかもしれません。
・立地がなによりも大切
不動産投資では賃貸として成り立つことが何よりも大切な点になります。
ですので、賃貸ニーズになにより大切な立地こそが最も重要なポイントと言えるでしょう。立地が良ければニーズが生まれ、ニーズがあれば賃料が取れます。
昨今では利回り偏重で郊外や地方の物件も好まれています。
しかし、中には経費率が高すぎて投資になっていないものや、表面利回りは高くても実質利回りを計算すると著しく利回りの下がるものがあります。
いくら安くてもこういった物件を選ぶことは失敗の原因となるでしょう。マンションの最後はババ抜きです。最後までババを持っている人はもう捨てられません。
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この記事を書いた人
ライター
佐藤大介(さとうだいすけ)
ウルトラ金融大全局長
ウルトラ金融大全の監修を務めます。
金融リテラシーを高める為、セミナー講師として活動。
「超一流の口だけ男」と評される氏のセミナーは非常に分かりやすく、何度も受講するファンが沢山います。
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