ウル金ムービーはこちら

公開日:

貯蓄

資産運用のやり方って千差万別?貯金と投資を比較してみた

資産運用のやり方って千差万別?貯金と投資を比較してみた

資産運用のやり方には、正しい方法があるのでしょうか。野村総合研究所が公開するNRIの「『貯蓄から投資へ』『資産所得倍増計画』推進の3本柱」によると、岸田政権になって国民の財産所得の増加を目論んだ「所得倍増計画」を提唱しています。※1

ところが相次ぐ値上げラッシュや電気代をはじめとするエネルギーの高騰で資産運用をゆとり資金活用と考える人にとって、目先の生活も不安な状態が続いています。実際に資産運用は、「投資=ゆとり資金」という考え方で良いのでしょうか。

本記事では、資産運用のやり方について、金融庁の公開している「タイプ別資産運用スタイル」と日本証券業協会の「投資の時間」を参考にして、預貯金と投資どちらで資産運用すれば良いか?を深掘りしてみます。資産運用のやり方について検討されている方は、公的機関の考え方として参考にしてみてください。

ウルトラ金融大全が動画で見れる!
お金の事が分かる!増やせる!無料動画が公開中!

投資初心者の資産運用とは

初心者向けの資産運用には、どのようなやり方があるのでしょうか。答えは、資産運用に初心者もプロもないという考えが浮かびます。その理由は、初心者であっても運用資金に対して、ルール通りの公平な利息や配当金が得られるからです。

つまり、資産運用は初心者であろうが専門家であろうが、運用ルールに沿って利益を得られます。もちろんその逆も考えられます。投資初心者であっても専門家であっても失敗するときがあるという判断です。

資産運用しないほうが良い人

資産運用は、運用資金さえあれば誰でも始められます。ただし、運用するにあたって「初心者だから手加減してね」とか、「特別に扱ってね」とか特別待遇を受けられると思ったら大きな誤解を生みます。もしそのような高い依存度で運用を考えているのであれば、資産運用をしないほうが良いとも考えられます。

なぜかというと、資産運用のやり方は千差万別、その人の生活様式や目的、知識などでも大きく変わるからです。そのあたりも含めて今回は、金融庁と日本証券業協会の見解を参考に、銀行と証券どちらを使うべきか解説します。

そもそも資産運用とは

資産運用とは、何となく人から聞くのではなく、基本的な部分を知りたい人に向けて日本証券業協会が提唱している資金運用を参考にしてみましょう。日本証券業協会が運営する「投資の時間」では、資産運用について次のような定義が記載されていました。

「資産運用とは、自分の持っているお金(資産)を預貯金や投資に配分(運用)することで効率的にふやしていくことをいいます」
引用元:日本証券業協会「投資の時間」https://www.jsda.or.jp/jikan/lesson2/

資産運用は、自分のお金を銀行に預けて利子をもらうか、投資して配当をもらうかが基本の考え方と判断できます。ここでポイントになるのが貯める行為と増やす行為です。つまり、預貯金か増やすための投資かという選択でもあります。

預貯金と投資2つの資産運用を比較

預貯金と投資のどちらで運用するか、2つのやり方について比較してみました。

 

預貯金

投資

やり方

預金や貯金でお金を貯めること

株式や債券などでお金を増やすこと

利用目的

確実に貯める

大きく増やす

元本保証

あり

なし

換金

原則、即時

日数が掛かる

おもな金融商品

●普通預金
●定期預金
●積立定期預金

●株式
●債券
●投資信託

※2 データ参照

資産運用について、これらの基本的な考え方を自分のお金にあてはめると「投資=ゆとり資金」が見えてきます。

  • 日々の生活に必要なお金や近く使い道が決まっているお金→預貯金
  • 当面使う予定がないお金→投資※2データ参照

当面使う予定がないお金は、自分のお金の中でも「ゆとり資金」と判断できます。何かと生活費の掛かる現代においては、ゆとり資金をポンと出せる人は多くないかもしれません。また、メガバンクに1年定期で預けたとしても0.02%の金利です。貯金は預けておく要素が多く、増やすのは自分のやり繰りに掛かっています。

一方の投資は、大きく増やす可能性を秘めた資産運用です。やり方も豊富で投資対象を選ぶためにある程度の知識を身につける必要があります。

資産運用を投資で始めるという考え方

資産運用のやり方は千差万別です。預貯金の場合は、自力で「お金を使わず銀行に預けておくことで貯める」という感覚で増やします。この増やし方は自宅の貯金箱が銀行の金庫に変わっただけの違いとも言えるでしょう。

では、投資はどうでしょうか。日本証券業協会の「投資の時間」では、投資の意義を「社会全体の経済成長を支える役割」と表現しています。※2

投資は、自分のお金を証券会社経由で政府や企業の活動資金として投入する方法です。つまり、資金を投入するから投資とも判断できます。投資先となる企業は、所属する会社である必要がありません。証券会社を仲介業者として活用することで、直接面識のない政府や企業に自己資金を投資することができます。

どんな人がどんな投資に向いているか

では、どんな人がどんな投資に向いているのでしょうか。さまざまな投資対象から自分に合った資産運用のやり方を選ぶ場合は、タイプ別で資産運用スタイルから判断する必要があります。

資産運用のタイプ

運用目的

対象投資商品

初心者向け分かりやすい資産運用

結婚・引っ越し・転職に備えた資金づくりのタイプ

インデックス運用

リスクを抑えたバランス型の資産運用

老後資金づくり

バランス型分散投資

高いリターンの値上がり益狙いの資産運用

投資の勉強

国内株式・外国株式で構成されたファンド

子供の教育資金に備えた資産運用

子供の教育資金形成

ターゲット・デート・ファンド

定額で低リスクの資産運用

マイホーム購入の頭金

公社債の比率が高い投資信託

※3 データをもとに作成

資産運用は、それぞれの運用目的で投資先商品が異なってきます。それでは、投資対象となる資産運用の商品についてそれぞれの特徴を紹介しましょう。

インデックス運用

インデックス運用は、特定の市場動向を指標とする運用方法です。具体的には、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などが該当します。株取引の場合は、特定の企業銘柄を選んで購入しますが、インデックス運用の場合は、特定の市場全体の動きを数値化した指数に対して投資するスタイルです。

市場全体の動きが指標となるため、経済の動きや社会情勢の影響を受ける点が初心者に向いていると考えられます。金融庁の「NISAを始める前に|用語集」では、株価指数以外にも債券指数や不動産投資信託市場なども市場全体の動きに投資するスタイルです。※4

バランス型分散投資

金融庁の「教えて虫とり先生」によると、バランス型の分散投資は株式だけではなく債券やREIT(不動産投資信託)などがパッケージ化されたバランスファンドのことを呼んでいます。バランス型の特徴は、1本の投資信託でパッケージ化されている投資先へ分散投資できる点です。※5

このバランス型運用は、国内に限らず世界中の株式や債券、REITなどが対象となっています。これならば、リターンも期待できると思いがちですが金融庁の「教えて虫とり先生」によると、バランス型投資商品の中身は、いろいろなアセットクラスが用意されているとのことです。そのため、基準価額の動向を判断しにくい点が初心者向けではない商品と指摘しています。※5

バランス型投資は、株式だけで構成された投資信託ほどのリターンが期待できない点が特徴です。株式型よりもリターンが期待できないけれど、1本で分散されている分、購入すれば放置したままでいられる点がメリットと考えられます。

国内株式・外国株式で構成されたファンド

先ほど紹介したバランス型投資ですが、債券やREITなどが含まれています。金融庁の「セカンドライフのためにお金を貯めたい」によると、債券が含まれているバランスファンドよりも、株式中心のバランスファンドの方が高いリターンを期待できるとのことです。※6

ターゲット・デート・ファンド

企業年金連合会の公開している「用語集」によると、ターゲット・デート・ファンド(ターゲット・イヤー・ファンド)は、積極的運用から自分で運用のリスク資産比率を引き下げる設定が可能なバランス型投資信託とのことです。運用の目標年を設定して、そこを基準に資産配分変更を自動的に行います。※7

公社債の比率が高い投資信託

投資信託のなかには、リスクを抑えたい人向けの商品もあります。公社債の比率が高い投資信託であれば、ファンドの中でも安定した運用を期待できます。金融庁の公開している「住宅購入のために頭金を貯めたい」によると、価格変動リスクの小さい公社債中心の投資信託は比較的安定した運用ができるとのことです。ただし、安定運用は利益も小さくなるとも考えられます。※8

資産運用のやり方は明確な目的で運用スタイルを決めよう

今回紹介してきた資産運用のやり方は、公的機関が推奨する「所得倍増計画」に向けたあらゆるタイプの投資スタイルです。まずは、自分のライフプランをもとにして明確な目的で運用スタイルを決めることが求められます。資産運用は、他にもいろいろなやり方があります。気になるやり方などがあれば、専門家の見解などを参考にしてみてはいかがでしょうか。

ウルトラ金融大全が動画で見れる!
お金の事が分かる!増やせる!無料動画が公開中!

※1 野村総合研究所「NRI」https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/fis/kiuchi/0902

※2 日本証券業協会「投資の時間|資産運用とは?」https://www.jsda.or.jp/jikan/lesson2/

※3 金融庁「タイプ別資産運用スタイル」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/type/index.html

※4 金融庁「用語集」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/glossary/index.html#tab1-6

※5 金融庁「虫とり先生」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/attention/01/01_08.html

※6 金融庁「セカンドライフのためにお金を貯めたい」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/case/secondlife/index.html

※7 企業年金連合会「用語集」https://www.pfa.or.jp/yogoshu/ta/ta29.html

※8 金融庁「住宅購入のために頭金を貯めたい」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/case/loan/index.html

 

この記事を書いた人

江戸利彰

ライター

江戸利彰(えどとしあき)

ビジネス系の記事執筆を生業として取り組むライター。
累計800記事ほどの納品を経て、現在も日々の執筆から「情報の伝え方」をブラッシュアップしています。
ソースをしっかりと取る記事作りをモットーとしており、正確な情報提供に努めています。

貯蓄の記事一覧はこちら

ウル金ムービーはこちら

ウル金ムービーはこちら