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貯蓄

元銀行員がこっそり教える!「銀行員あるあると実は銀行員が困る行為6選」

元銀行員がこっそり教える!「銀行員あるあると実は銀行員が困る行為6選」

銀行や銀行員に対してどのようなイメージを持っていますか?

カウンターの向こうでおこなわれる業務は来店客からは見ることができず、銀行員も冷静に淡々と業務をこなしているように見えるのではないでしょうか。しかし、銀行にもハプニングや焦ってしまう出来事はもちろんあり、銀行員はカウンターの向こうでてんやわんやしていることもあるのです。

本記事では、元銀行員の筆者が自身の経験をもとに、銀行員あるあると銀行員が困ってしまう顧客の行動について解説します。

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小銭貯金の入金「あるだけ入金」

小銭貯金をしている人はいませんか?小銭とはいえ長年コツコツと貯めていくとかなりの額になることもあります。

しかし小銭のまま保管していても使うのに不便ですので、ある程度貯まったところで銀行に持って行く方が多いのではないでしょうか。

小銭、つまり硬貨を大量に入金することを「あるだけ入金」と呼びます。はじめに断っておきますが、「あるだけ入金」自体は全く迷惑ではありません。硬貨専用の機械に入れて数えるので、窓口が混んでいなければ5〜10分で数えることができます。

しかし、小銭貯金をしている人の中には小銭を古い缶に入れて保管している人が多くいます。

この保管方法、実は硬貨に錆や汚れが付きやすく、さらに1円玉などの柔らかい硬貨は硬貨同士の重みで変形してしまうことがあるのです。そのような硬貨があると機械が故障してしまうことがあります。

硬貨が詰まって機械が故障すると、機械を止めて詰まった硬貨を出し、破損・汚染硬貨をよけてもう一度機械に通して数え直しをしなければなりません。

また、機械に通らない破損・汚染硬貨は職員が複数人で手で数え、硬貨が識別できるほどのものはその場で正常な硬貨と一緒に入金します。

しかし、変形がひどかったり、錆などの汚れがひどく硬貨が識別できないほどの状態の場合は、日本銀行に鑑定依頼を出します。日本銀行から鑑定でOKが出ると、後日その額を入金するという流れになり、当日入金はできません。

また硬貨の持ち込み当日にすべての硬貨を数えられたとしても、汚れた硬貨があると入金が完了するまでにかなり時間がかかります。できれば明らかに汚れていたり変形している硬貨は分けて持っていくと、窓口でもスムーズに対応してもらえるでしょう。

ちなみに破れてしまった紙幣の両替交換についても状態によっては鑑定に出すことがあり、両替に時間がかかることがあります。

氏名と金額は正確に書いてほしい

銀行では入出金の伝票や定期預金の申し込み用紙といったように書類の記入を多く求められます。

基本的には書類に書き間違いがあった場合、訂正印をもって修正が可能ですが、修正が認められず、書類を一から書き直しを求めることがあります。
それは「氏名」と「金額」です。
順に解説します。

書類に記載する氏名について

氏名を間違えた場合、例えば夫名義の書類を妻が記入する際に、誤って自分の名前を書いてしまったとしましょう。

この場合、妻の名前を二重線で訂正して夫の名前を書き足した場合、後からみるとただ単純に間違えてしまったのか、本来妻名義の書類を何らかの不正で書き直したのかがわからなくなります。

銀行での書類は、預金者の財産に直結するものが多いので、名義人が誰であるかということは非常に重要な意味を持つからです。
また、氏名を正確に記入することもとても大切です。

「タカハシ」さんの場合「高橋」「髙橋」、「サイトウ」さんの場合、「斎藤」「齋藤」など、正式表記が旧字体ということがありますね。

例えば通常便宜的に「斉藤」を使用していても、正式な名前が「齋藤」で、戸籍や本人確認証に記載されている名前が「齋藤」であれば、この漢字で書かないと書類を受け付けることはできないのです。

同様に省略した字や、あまりにも崩して読めない漢字も受け付けることができない場合がありますので、書類に記載する際は、正式な字体で誰にも読みやすいように書くようにしましょう。

実は繊細な「0」の書き方

金額に関しても間違えた場合は、基本的に用紙の書き直しとなります。
銀行では数字の書き方が非常に厳格です。

「1」と書こうとして途中で「0」に書き直そうとしたり、「6」と紛らわしい場合は書き直しをお願いすることがあります。

例えば、もし「¥1,100,000」に入金があった場合、第三者が「1」を「0」に不正に書き直して「¥1,000,000」と書き、差額の10万円を不正入手するという事件を防ぐためです。

そのため、紛らわしい数字や、明らかに書き直した形跡がみられる数字は後々のトラブルを防ぐため、書き直しをする必要があります。

書類の書き直しはとても面倒ではありますが、大事なものですので、銀行員に指摘された場合は素直に応じましょう。

「何枚も書くなんてイヤ!」という人は、訂正がきかない氏名や金額欄から先に書いて、そのあとに日にちや住所といった項目を書くという順番にすると、間違えたとしても書き直し項目が少なくなるかもしれません。

印鑑は適当に押さないで

銀行での必需品のひとつに「印鑑」があります。

「印鑑」は実際には、紙に押した印影のことをいうのですが、この印鑑も銀行の取引において非常に大切です。なぜなら日本の銀行において印鑑は本人確認のひとつの材料となるからです。

基本的に銀行では預金などの申し込みの際に顧客が押した印鑑をデータとして登録しており、取引ごとに押してもらった印鑑とデータの印鑑を機械で照合して、同一の印鑑であるか確認しています。

この際に押印した印鑑が薄かったりブレていると正しく印鑑照合を行うことができないので、押し直しをお願いすることがあります。また100円均一などで大量生産で売られている印鑑を「三文印」といいます。三文印を銀行の取引に使うことは基本的に問題はありません。

しかし、大量生産で作られた三文印は違うハンコであっても印影が非常に似ていることがあり、万が一通帳の盗難に遭ったときに偽物のハンコで偽装できてしまう確率が上がってしまうのです。

もちろん銀行員は毎回丁寧に印鑑照合をしているほか、顧客の顔も覚えていることもあるので、違和感を感じた場合は取引の中断をすることもあります。

しかし、普段から窓口での取引が少なかったり、違う支店で取引をする場合で、印鑑があまりにも似ていると取引が成立する可能性も否めません。

大切な預金を扱うものですので、できれば登録印は大量生産の三文印ではなく、オーダーメイドの印鑑を使うと安心です。

「いまの登録印が三文印だけどどうしたらいい?」という人は、現在の登録印と新しい印鑑を持って窓口に行けば印鑑変更の手続きもおこなうことができます。その際には本人確認証や通帳もお忘れなく。

ペンは銀行備え付けのものを

日常的にとても便利な「消えるペン」ですが、銀行の書類で用いることはNGです。たまに持ち込みのペンで書類を記入したり、自宅で書類を記入して窓口に提出する人がいます。

これらの行為は通常のペンであれば基本的に問題ありませんが、先ほど説明した「消えるペン」を使用した場合、書類はすべて書き直しとなります。消えるペンはペン付属のゴムで字を消すことができるので、他者による修正もできてしまいます。

そのため、悪意の第三者によって書類を不都合なものに書き換えられてしまう恐れがあるのです。また、消えるペンは熱や劣化に弱く、年数の経過によって書類の文字が消えてしまうこともあります。

銀行の書類は10年保存から永久保存まで長期にわたって保管するものもあるため、消えるペンは適さないというわけです。

もし消えるペンで記入をした場合、せっかく書いた書類もすべて書き直しとなりますので、基本的には銀行に備え付けのペンを使用することが無難であるといえます。

お年玉の入金

年始の風物詩のひとつである子どものお年玉ですが、実はこれらも銀行員にとって悩ましいものです。お年玉といえば小さなぽち袋に入れられて手渡されることが多いので、折り目がついているものが多くあります。

このように折り目がついてしまったお札は、入金する際に機械に通しにくくなることがあります。

さらに「お札の折り目が多い」「折り目が破れている」といったお客さんからのクレームが入ることがあるため、このようなお札は流通させられないことがあります。また、お年玉用の現金を準備する際に新札を用意する人も多くいます。

もちろん縁起物のひとつなので、新札を用意することは素敵なことです。しかし、新札は流通数が限られているため、銀行店舗での保有数は実は多くないのが現状です。

卒業・入学のお祝いを用意する4月や、結婚式のご祝儀が重なりやすい6月、またお年玉用に用意する年末には、店舗で保有する新札が不足することもあります。

せっかくの新札をお年玉であげるのであれば、小さく折り曲げてポチ袋に入れてしまうのではなく、できれば折りたたまずにお金を入れられる封筒サイズの袋を使ってくれると嬉しいというのが銀行員がひそかに思っていることです。

「代筆はできません…!」

銀行の書類はとても重要なものであるのは先ほど解説しましたが、「誰が書いたのか」ということも非常に重要な要素です。

くり返しになりますが、銀行の書類は預金者の財産に直結します。

そのため、悪意の第三者が預金者の許可なく預金の入出金等を行うことを防ぐために、基本的に書類は本人が書くことが決まりとなっています。ただし、家族であれば代筆が可能なことも多いです。

その場合は「代筆者」として身分証を確認されることもあります。ときに銀行員は小さな字を書くことが難しい高齢者に代筆を頼まれることがあります。

しかし、銀行員による代筆は禁止されています。もし銀行員が銀行員が代筆した場合、不正行為とみなされ、厳しく処分されることもあります。

特に氏名と金額は最重要項目ですので、これらの項目だけでも自筆で書くことが必要です。

まとめ

筆者の体感ではありますが、銀行で取り扱う書類はどこよりも厳密です。

市区町村の役所では、訂正に印鑑がいらなかったり、数字の訂正が可能なこともありますが、銀行の書類は少しの不備も許されません。

一見とても面倒ですが、それは大事な財産を扱っているからであり、預金者のためにおこなっていることなのです。

また待ち時間が長いと感じる人も多くいるかと思いますが、「入金する小銭をまとめておく」、「記入に漏れや間違いがないか」「印鑑はきれいに押せているか確認する」など気を配ることで、入金時間の短縮につながったり、書き直しや訂正する時間を減らしたりすることができます。

1人あたり数分にも満たない作業でも、来店人数が増えるほど待ち時間も増えることになりますので、こうしたちょっとした気遣いが、自分の待ち時間を減らすことにつながるのです。

「そんなの銀行員の仕事でしょ?」と思わず、お互いに気持ちの良い取引ができるといいですね。

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この記事を書いた人

渡辺あい

ライター

渡辺あい(わたなべ あい)

銀行員として勤務の後ライターへ
4人の子供の母としてもお金の観点を持つ事が出来るのが記事の魅力。
FPの資格を活かした金融の記事に定評がある。

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