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資産運用

家賃収入があると年金が減らされる!? 理由や何故を解説

家賃収入があると年金が減らされる!? 理由や何故を解説

親からの相続で不動産を所有している人や、自身で投資用不動産を購入し、家賃収入がある人もいるでしょう。将来、年金生活になった際に、家賃収入があることで年金が減らされてしまうのではないかと気になる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、家賃収入が年金受給に影響があるのかをみていき、併せて老後の収入源に不動産を活用が有効であることについて解説します。この記事を読むことで、家賃収入と年金の関係を理解し、老後生活において年金以外の収入が重要であることがわかるでしょう。ぜひ、参考にしてください。

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家賃収入があっても年金が減らされることはない

まず、結論からお伝えすると、家賃収入があった場合でも年金受給額に影響はありません。後述で解説しますが、年金が減らされる要件は、定年退職後に年金を受給しながら再雇用された場合や、在職中に年金を受給した場合などです。次項で年金が減らされるケースについて詳しくみていきます。

年金が減らされるケース

年金が減額されてしまう主な要因として、在職老齢年金が挙げられます。在職老齢年金の具体的な内容は次のとおりです。

在職老齢年金

在職老齢年金とは、60歳を超えて一定以上の収入を得ている場合に年金が減額される制度です。在職老齢年金の対象となる収入とは、雇用による労働で得た収入に限ります。また、減額の対象となる年金は厚生年金部分で、国民年金に関しては対象外です。

在職老齢年金は次の計算で減額や支給停止が決まります。

支給停止額=(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)×1/2 

※加給年金は除きます

※総報酬月額相当額とは、月給(標準報酬月額)に直近1年間の賞与を12で割った額を足した額です

この計算式では、老齢厚生年金(基本月額)と労働収入(総報酬月額相当額)の合計が48万円以下であれば、減額や支給停止にはならないことになります。

以下で、48万円以上の収入がある場合でシミュレーションしてみます。

・年齢:65歳
・老齢厚生年金:年180万円
・労働収入:月40万円、賞与年1回60万円
この場合の基本月額と総報酬月額相当額は次のとおりです。
・基本月額:15万円(老齢厚生年金180万円÷12)
・総報酬月額相当額:45万円{労働収入40万円+5万円(賞与60万円÷12)}

これを式に当てはめて計算してみます。

(15万円+45万円-48万円)×1/2=6万円

この場合、6万円が支給停止になります。

出典:日本年金機構 在職老齢年金の計算方法https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html#PTOP

家賃収入以外でも年金が減らされない収入は?

ここまで、家賃収入が年金の減額対象にはならないことを解説しました。その他にも減額の対象とはならない収入は以下のようなものがあります。

・個人事業主として得る事業所得
・厚生年金に加入していないアルバイトやパートで得る収入
・株式や投資信託による配当金や分配金

これらの収入も、厚生年金に加入しないで得られる収入のため、年金が減額される心配はありません。そのため、老後生活を送る上で、労働収入以外の収入源を確保することは、年金を減額させない観点からみても重要な役割を果たします。

老後の収入源として不動産を活用するポイント

老後の年金において、家賃収入(不動産投資)が効率の良い収入源となることがわかりました。しかし、そのことを理由に安易に不動産投資を始めるのは危険かもしれません。ここからは、不動産投資の基本的な概要に、不動産投資をおこなうにあたっての注意点についてみていきます。

不動産投資とは

不動産投資は、不動産を購入し、他人に物件を貸し出して家賃収入を得たり、購入した不動産を高く売却して売却益を得たりする投資手法です。

投資対象となる不動産は主に以下のような物件です。

・区分マンション
・一棟マンション・アパート
・戸建住宅

不動産投資は株式や為替などの投資商品と比較して、価格変動が緩やかでリスクが低いとされています。そのため、長期的に安定した収益が期待でき、多くの投資家から支持されている投資方法です。

老後の収入源として不動産を活用するメリット

老後の収入源として不動産を活用するメリットは次の4つです。

・不労所得を得られる
・資産として安定している(インフレ対策)
・生命保険になる
・子どもに財産として遺せる

不労所得を得られる

老後の収入源に不動産を活用する大きなメリットに「不労所得」が挙げられます。老後は現役時代よりも大幅に収入が減る傾向にあります。また、健康状態によっては老後に働くことが厳しい人もいるかもしれません。親や、配偶者の介護で働けないこともあるでしょう。そのようなときでも、家賃収入のような不労所得があれば、安定した生活を送りやすくなります。

インフレ対策になる

不動産の活用はインフレ対策として有効な手段です。インフレとは、物価が上昇し、お金の価値が下がることを指します。つまり、インフレ下において資産割合が現金のみの場合では資産価値が目減りしていくことになるのです。

それに比べて不動産の場合は、物価が上がることで不動産自体の価値も上がり、さらに、家賃に関しても緩やかではありますが上がりやすくなります。

生命保険の代わりになる

不動産投資は生命保険の代わりにもなります。多くの人は不動産を購入する際に不動産ローンを組みます。その際に「団体信用生命保険(以後、団信)」に加入することが一般的です。団信に加入すれば、もし、被保険者が死亡や高度障害になった場合に残債がゼロになります。

例えば、Aさんが4,000万円の不動産をローンで購入し、団信に加入したとします。もし、Aさんが病気で亡くなった場合に残債はゼロとなり、残された遺族は、今後ローンの返済が免除されるのです。つまり、実質的に4,000万円の生命保険が適用された形になります。

子どもに財産として遺せる

不動産は、自身が亡くなった後も、消えてしまうことはありません。子どもや孫が相続し、その土地や建物を引き継ぐことができます。相続した不動産をそのまま賃貸用の物件として所有しておけば引き続き家賃収入が得られますし、もし、その不動産が不要なのであれば、売却するという選択肢もあるでしょう。

不動産投資をおこなう上での注意点

不動産投資は魅力的な部分が多い投資手法ですが、その反面、以下のような注意点があります。

・空き室リスクがある
・物件選びが大変
・必要資金・初期費用がかかる

まず、空室リスクですが、これは賃貸物件においては避けられないリスクの1つです。入居者がいない期間が長引くと、家賃収入が途絶え、ローン返済や管理費などの固定費用だけが出ていく状態となり、赤字にある可能性があります。

次に、物件選びについてです。物件選びは不動産投資を成功させる上で重要な要素を占めます。良い立地や将来の価値上昇が期待できるエリア、新築や築浅の物件など、投資家それぞれに合った物件を見つけることが重要です。これらの物件を見つけるには、信頼できる不動産会社の協力が必須になるでしょう。

最後に、必要資金・初期費用についてですが、不動産投資には大きな初期投資が必要となります。物件の購入代金はもちろん、仲介手数料や登記費用、諸税金などの初期費用は意外と高額になります。「結果的に自身の生活資金が大きく減っていた」という事態に陥いらないよう、きちんとした資金計画を立てることが重要です。

現物不動産以外の投資商品

前述のとおり、不動産は魅力的な投資商品ではありますが、高額な初期費用が発生してしまうことも多く、なかなか一般の人が手軽に購入できるようなものではありません。しかし、近年では、さまざまな不動産投資商品が普及され、少額から不動産投資ができる環境が整ってきました。ここからは、比較的少額で不動産投資ができる商品についてみていきます。

REIT(不動産投資信託)

REIT(Real Estate Investment Trust)とは、不動産投資信託と呼ばれる金融商品です。海外のREITと区別するため、日本ではJAPANの「J」の頭文字をつけて「J-REIT」と呼ばれています。

REITは不特定の投資家から集めた資金で、マンションや商業施設などの不動産を購入。そこから得られた賃貸収入を投資家に分配する仕組みです。物件の獲得から管理まで、すべて専門家がおこなうため、不動産投資のデメリットでもある維持管理の手間を省けられます。

また、株式市場で売買されているため流動性が高く、数万円から購入できる商品もあり、少額で初めてみたい人に向いている商品といえるでしょう。さらに、NISAにも対応していて、一定の金額までは非課税で運用できることもメリットの1つです。

ただし、REITは株式のように価格が変動するため、元本割れするリスクがある点に注意が必要です。

不動産クラウドファンディング

不動産投資クラウドファンディングとは、インターネットなどを介して投資したい不動産を選び購入します。その投資資金を元に、事業者が不動産の運用・管理をおこない、発生した利益を投資家へと分配する金融商品です。

1万円と少額から投資ができ、申し込みから契約までの手続きがインターネットで完結できるため、手間をかけず少額で投資をしたい人に向いている商品です。

ただし、不動産クラウドファンディングは運用期間が定められているため、途中で解約することはできません。また、事業者が倒産する可能性もあり、倒産した場合は出資金が全額返金されないこともあるため、慎重な事業者選びが重要になります。

不動産小口化商品

「不動産小口化商品」とは、ある特定の不動産を一口数万円〜数百万単位に小口化したものを投資商品として販売します。投資家は小口化された投資商品を購入し、そこから得られた「賃貸収入」や「売却益」を口数に応じて受け取る仕組みです。

「不動産小口化商品」は小口化して販売されているため、一般では取引できないような不動産物件を少額で取引できる点が大きな魅力といえます。

また、REITや不動産クラウドファンディングと大きく異なる点は、投資した不動産の所有権が手に入るところです。そのため、現物の不動産投資と同様に相続財産として、子どもや孫に資産を引き継げる点も不動産小口化商品の魅力といえるでしょう。

ただし、不動産小口化商品のなかには、中途解約できない商品もあり、REITと比較して流通性が低い特徴があります。購入を検討する際は、解約する心配のない資金でおこなうようにしましょう。

年金以外の収入を確保しよう

今回は、家賃収入が年金の減額対象にならない理由についてみていき、併せて老後の収入源として不動産を活用する有効性についても解説しました。一般的に不動産は不労所得が期待でき、生命保険の代わりにもなる魅力的な商品です。しかし、購入にあたり、高額な資金が必要になりがちなため、気軽に始められるような商品ではありません。

そのため、少額で不動産投資を始めてみたい人は、「REIT」や「不動産クラウドファンディング」「不動産小口化商品」を上手く活用して老後の収入源を確保したいところです。

老後は現役時代よりも年収が大幅に下がる傾向にあります。そのため、年金以外にも収入源あれば、安心した生活を送りやすくなるでしょう。自身がどの商品が向いているか気に場合は信頼できる不動産会社、またはお金の専門家であるFPに相談することをおすすめします。

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この記事を書いた人

辻本剛士

ライター

辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種
独立型FPとして相談業務、執筆業務を中心に活動中。

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