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不動産

フィリピン不動産投資の失敗例やリスクを解説

フィリピン不動産投資の失敗例やリスクを解説

年々人口が増え続け、経済成長も著しいフィリピンは、不動産需要も増え続けています。そのため、多くの人がフィリピン不動産投資に興味を持ち、実際に投資を始めています。

しかし、フィリピン不動産投資は日本とは異なる文化・法律であることから、日本では考えられないような失敗例も多々あり、注意しなければいけません。

そこで今回は、フィリピン不動産投資の失敗事例や対策方法、今後起こり得るリスクについて詳しく解説します。フィリピンの不動産投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

 

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フィリピン不動産投資によくある3つの失敗例

フィリピン不動産投資は、日本国内で行う不動産投資と同じ感覚で行っていると必ず失敗します。なぜなら、まだまだ発展途上の国であり、詐欺に遭ったり物件が完成しなかったりなどのトラブルに見舞われてしまう可能性があるためです。

日本国内であれば日本の法律に従って不動産投資を行えます。トラブルがあれば、裁判を起こして争うこともできます。

しかし、フィリピン不動産投資は現地の法律に従う必要があり、日本人であることが理由 で不利になる可能性も無きにしも非ず。そのため、フィリピン不動産投資のよくある失敗例を知り、その上でどういった対策を行うべきなのかを学んでおくべきでしょう。

まずは、フィリピン不動産投資でよくある以下3つの失敗事例について詳しく解説します。

  • 物件が完成しない
  • 為替変動による失敗
  • 賃貸用物件として貸し出せるレベルではない

それぞれの失敗事例についてみていきましょう。

事例1:物件が完成しない

フィリピン不動産投資では、「物件が完成しない」という日本ではあり得ない失敗事例が実際に起きています。

そもそも、フィリピンの不動産はプレビルドという方法が主流です。プレビルドとは、工事が着手される前に物件を購入する方法を指します。代金の支払いについても、手付金として10%〜30%程度の費用を先に支払い、工事途中で残金を全額払う契約も珍しくはありません。

日本でプレビルドは禁止されていますが、フィリピンをはじめとしたさまざまな国ではこの方法が主流です。その結果、中には「お金を支払ったにもかかわらず、工事が完了しない」といった失敗事例が発生してしまうのです。

何らかの理由で工事が止まってしまった結果、そのまま再開されることなく放置されてしまうケースがあります。

契約内容次第では、お金が戻ってこないという事態になるケースも珍しくはありません。もちろん、現地で裁判を起こしてお金を取り戻す方法もあります。

しかし、フィリピンの裁判は非常に遅いことで有名です。最終的に結審・判決までに7年以上の月日がかかるケースも多く、実際は泣き寝入りする人が多いです。

また、裁判を起こしたとしても弁護士を雇う費用、現地に行って裁判へ参加する費用などさまざまな費用を考慮すると泣き寝入りしたほうが安く収ま流ケースが多いです。

事例2:為替変動による失敗

フィリピン不動産を購入する際は、現地の通貨(フィリピン・ぺソ)で決済をします。そのため、為替変動リスクがある点に注意しなければいけません。

フィリピン・ペソは新興国通貨でもあり、非常に値動きが激しいため十分に注意しなければいけません。ちなみに、2023年はおおよそ1ペソ2.3円〜2.6円あたりで推移しています。

たとえば、フィリピンで購入を検討している不動産の価格が500万ペソである場合、日本円に換算すると1,150万円〜1,300万円程度です。わずか0.3円程度でも不動産価格に換算すると非常に大きな差になります。

また、長期間で見れば1円以上の値動きもあり得ます。500万ペソで1円の値動きが発生すれば、日本円で500万円の差となります。このように、海外通貨であるからこその為替リスクが失敗点となり得るのです。

賃貸として貸し出す場合、たとえば賃料を10,000ペソで設定したとしましょう。2.6円で推移していれば、26,000円の賃料を得られます。しかし、円高となり1ペソが2円になってしまえば賃料は20,000円となり、一戸あたり6,000円分の為替差損が発生します。

フィリピンペソの値動きは激しいため、こういった為替差損に注意しなければいけません。一方で、為替差益に期待できる点は、為替のメリットとも言えます。

事例3:賃貸用物件として貸し出せるレベルではなかった

フィリピンで購入した不動産は、そもそも賃貸用物件として貸し出せるレベルに達していない、という失敗もあり得ます。日本としては、当然あり得ない失敗です。

もし、日本で同じようなことが発生すれば、欠陥住宅として設計者や施工者が非難されることになるでしょう。

一方、フィリピンは日本と比較して建築基準法がしっかり整備されていない、建築知識、技術が乏しいなどの理由から欠陥住宅となってしまうケースがあります。

日本では、欠陥住宅に対する民法上の責任として「瑕疵担保責任」という法律があります。フィリピンでも同様の法律(コンドミニアム購入後1年以内は売主の責任)があるものの、実際は契約書に記載されていないなどの欠点がある場合があります。

そのため、契約の際は内容をしっかり理解した上で、瑕疵担保責任についても明記してもらうなどの対策が必要です。

万が一、契約書類に記載がなければ泣き寝入りしなければいけない可能性もあります。当然、民事裁判で争うことも可能ですが、費用や期間を考えると無駄になってしまうため、事前の対策が必要不可欠です。

フィリピン不動産投資で失敗しないための対策方法

フィリピン不動産投資で失敗しないためには、以下の対策を行っておくと良いです。

  • 信頼できる業者を見極める
  • 必ず現地視察に行く
  • 運用方法と出口戦略を明確にしておく

それぞれ詳しく解説します。

信頼できる業者を見極める

フィリピン不動産投資を成功させるためには、信頼できる業者に出会えるかどうかがもっとも重要です。

フィリピンで不動産を購入する際は、一般的に不動産エージェントに依頼をします。不動産エージェントとは、買主の代わりにデベロッパーと交渉をしたり契約を代行したりする、代理人の役割を担う人です。

信頼できるエージェントに出会えれば、フィリピン不動産投資もうまくいくでしょう。業者選びに関しても、エージェントの実績等をもとに本当に信頼できるところを提案してくれます。

また、エージェントは現地で探そうとしても見極めが難しいです。中には、日本人を騙そうと目論んでいる人がいるかもしれません。フィリピン現地は日本のようにインターネット環境が整備されていないため、検索をしたり口コミを見たり聞いたりするのが難しいためです。

そのため、可能であれば日本現地で調べ、やり取りを行った上で不動産エージェントと繋がると良いでしょう。その上で、実績が豊富で信頼できるエージェントを見つけ出してください。

必ず現地視察へ出向く

フィリピン現地の不動産を購入する場合、必ず1回以上は現地に視察へ行きましょう。現地を見ることで、実際の物件を見たりエージェントと直接話をしたりできるため、不動産投資で失敗する可能性を下げられます。

また、現地では不動産視察ツアーや現地視察ツアーといった名目でツアーを行っている会社もあります。そういったツアーを利用して現地視察を行ってみると良いでしょう。

運用方法・出口戦略を明確にしておく

フィリピン不動産投資を行う際は、あらかじめ運用方法と出口戦略を明確にしておきましょう。また、それぞれの運用方法・出口戦略にあったリスクも把握しておくようにしてください。

たとえば、不動産を売却して利益を得る場合、売却方法等の知識を身につけておいたほうが良いです。また、売却のフォローも行ってくれるエージェントと仲良くなっているとなお良いでしょう。

他にも、賃貸として貸し出すことを想定しているのであれば、最終的にどのような出口戦略を行うか、について計画しておいたほうが良いです。売却をするのか、取り壊すのかなどを決めたうえで必要に応じて準備を進めておくのが理想的です。

フィリピンは日本とは異なる法律であるため、日本と同じように考えていると失敗します。しっかり出口戦略まで調べ、対策を行っておきましょう。

フィリピン不動産投資に伴う今後のリスク

フィリピン不動産投資は、今後起こり得るリスクもあります。具体的には、以下のようなリスクが考えられます。

  • 規制による不動産運用困難リスク
  • 空室リスク

今後起こり得るリスクについて詳しく解説します。

さまざまな規制によって不動産運用が難しくなる可能性がある

フィリピンは、今後不動産に対する大きな規制がかかる可能性を否定できません。現在は、個人や法人問わず、フィリピンの伸び代に期待をして投資をしている人が増えています。

しかし、今後は外国人の不動産投資に対する規制を厳しくする可能性もあるため、注意しなければいけません。

たとえば、マレーシアでは外国人が購入できる物件の価格に下限を設けました。そのため、マレーシアで物件を購入しようとした場合、RM60万(リンギット)以上の物件でなければいけません。日本円に換算すると約1,900万円です。

今後、フィリピンでも同様の規制がかる可能性は否定できません。また、他にもさまざまな規制がかかる可能性もあり、将来的には不動産投資が難しくなる可能性もあるでしょう。

空室リスク

現在のフィリピンは不動産需要が非常に高く、日本と比較しても空室率は低めです。しかし、日本をはじめとしてさまざまな国の個人や法人から人気を集めているフィリピン不動産投資は、今後供給過多になる可能性があります。

また、仮に需要と供給のバランスが良かったとしても、ネットワークが確立されていないため、物件を見つけられないというデメリットもあります。

そのため、空室リスクはやや低いものの、今後の供給過多もしくは発見されないといったリスクがある点に注意したほうが良いでしょう。

まとめ

今回は、フィリピン不動産投資の失敗例や対策、今後のリスクについて解説しました。

フィリピンは経済成長が著しく、今後の発展にも大きく期待ができます。そのため、不動産需要の増加にも期待ができ、多くの国の個人や法人がフィリピン不動産投資に注目しています。

しかし、今後の伸び代にばかり目をやっていると、失敗してしまうため注意しなければいけません。とくに、国が違えば法律や文化が違います。そのため、さまざまな壁があったりリスクがあったりする点に注意しなければいけません。

フィリピン不動産投資に興味がある人は、今回紹介した注意事項や対策を踏まえた上で参加されてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

林 裕二

ライター

林 裕二(はやし ゆうじ)

2018年にFP2級技能士。金融系WEBライターとして活動。数多のメディアで金融系記事執筆や監修を担当し、読者のお金の悩みに寄り添ってきました。現在も人々の生活に関わる「お金」や、家計の「借金問題」などをメインとしながら記事執筆を行っています。

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