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資産運用
米国株へ投資するメリットとは? 基礎知識や注意点も解説
金融商品への投資を考えるときに、1つの選択肢となるのが「米国株」です。
日本国内でも資産形成への意識の高まりから、米国株への投資を検討する人が増えています。
そこで本記事では、米国株へ投資をするメリットについて解説していきます。
押さえておきたい基礎知識や注意点についても解説していきますので、ぜひ投資を始める前の参考にしてください。
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目次
1. 米国株投資を始める前に知っておきたいこと
米国株への投資を始める前に、次の基礎知識について押さえておく必要があります。
- 投資に必要な費用
- 取引時間
- 決済方法
それぞれ詳しく解説していきましょう。
1-1.投資に必要な費用
米国株への投資に必要となる費用は次の通りです。
- 株式の購入資金
- 取引手数料
- 為替手数料
たとえば、アップル社の株価(2023年1月11日終値)は133.49米ドルであるため、1株あたり約1万7,000円の購入資金が必要となります(1ドル=130円)。 また、証券会社の取引では「取引手数料」と「為替手数料」といったコストが発生します。ここでは、主なネット証券の手数料を確認しておきましょう。
証券会社 | 取引手数料 | 為替手数料 |
---|---|---|
楽天証券 | 約定代金の0.495%(税込) 最大22米ドル(税込) |
25銭 |
マネックス証券 | 約定代金の0.495%(税込) 最大22米ドル(税込) |
買付時:0銭 売却時:25銭 |
DMM株 | 一律無料 | 25銭 |
(※2023年1月12日現在)
1-2.取引時間
米国株の売買ができるのは、株式市場がオープンしている下記の時間帯です。
画像引用:マネックス証券「米国株の取引時間は何時から何時までですか?」 時差の都合上、日本時間の深夜が取引時間となる点に注意しましょう。 また、米国ではサマータイム制度が導入されているため、時期によって取引時間が異なります。毎年3月第2日曜日から11月第1日曜日までは上記の夏時間が適用されますので、時間帯を間違えないように気を付けましょう。
1-3.決済方法
米国株を購入する際は、「円貨決済」と「外貨決済」の2種類の決済方法があります。円貨決済は日本円から直接購入する方法、外貨決済は事前に米ドルを準備して購入する方法です。 円貨決済と外貨決済には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
円貨決済 | 購入したいときにすぐ手続きできる | コストが高くなることがある |
外貨決済 | コストを抑えられる | 前もって米ドルを準備する必要がある |
円貨決済はコストが高くなる傾向にありますが、購入したいときにすぐに手続きを行えるメリットがあります。一方、外貨決済は事前に米ドルを準備する手間がかかるものの、為替手数料が安く済む点がメリットです。 「なるべく手間をかけたくない」という人は円貨決済を、「少しでもコストを抑えたい」という人は外貨決済を選ぶとよいでしょう。
2. 米国株へ投資するメリット
米国株への投資には、主に次のようなメリットがあります。
- 世界最大のマーケットへ投資できる
- 配当の頻度が高い
- 少額投資から始められる
- NISA口座で取引できる
それぞれ詳しく解説していきましょう。
2-1.世界最大のマーケットへ投資できる
米国株の魅力のひとつに、市場規模の大きさが挙げられます。
画像引用:水戸証券「米国市場とは」 上記表からも分かるように、アメリカの主要取引所である「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」と「ナスダック(NASDAQ)」の時価総額の合計は、全体の約4割を占めている状況です。 東京証券取引所が5.2%であることと比較すると、いかに米国の市場規模が大きいかが分かるでしょう。 米国の株式市場へ投資することは、すなわち世界最大のマーケットへ投資することでもあります。
2-2.配当の頻度が高い
米国株は、配当の頻度が高いことも特徴です。日本企業の配当は年1回もしくは2回であることが一般的ですが、米国企業では年4回配当金が出されることも珍しくありません。 たとえば、配当銘柄として有名なジョンソン・エンド・ジョンソンは、毎年3月・6月・9月・12月の年4回配当金が受け取れます。決算時期が異なる銘柄を組み合わせれば、毎月配当金が入る仕組みを作ることも可能です。 「給与以外に定期的な収入が欲しい」、「投資をする楽しみを実感したい」という人にとって、配当の頻度が高いことは大きなメリットといえます。
2-3.少額投資から始められる
米国株は、少額投資からチャレンジできることも特徴です。 日本の株式市場は「単元株制度」が導入されているため、100株や1,000株単位で購入しなければなりません。たとえば、ローソンの株価(2023年1月12日終値)は5,040円であるため、1単元の購入に約50万円の資金が必要となります。 初めて株式投資にチャレンジする人の中には、「いきなり50万円も投資するのは怖い」と感じる人もいるでしょう。 その点、米国株は1株から購入できるため、銘柄によっては少額から投資を始めることが可能です。日本でも有名な保険会社であるアフラックの株価(2023年1月11日終値)は71.91ドルであるため、1株あたり約9,350円で購入できます。 世界的にも有名な企業に1万円以下で投資ができる点は、初心者にとっても嬉しいポイントです。
2-4.NISA口座で取引できる
米国株は、一般NISAで取引できるメリットがあります。通常、株式の取引で得た利益には20.315%の税金が課されますが、NISA口座では非課税で利益を受け取ることが可能です。 一般NISAは下記の金融商品が対象となっており、米国株も含まれています。
- 国内上場株式
- 海外上場株式
- 国内ETF
- 海外ETF
- 株式投資信託
- REIT など
本来20.315%が課税される利益を非課税で受け取れるのは、投資家にとって大きなメリットです。
3. 米国株投資の注意点
多くのメリットが挙げられる米国株投資ですが、次の3つのポイントには注意が必要です。
- 為替リスクがある
- 配当金は二重で税金が課される
- 株価の変動幅が大きい
それぞれ詳しく解説していきましょう。
3-1.為替リスクがある
米国株へ投資する場合は、為替の変動にも注意しなければなりません。為替が与える影響について、下記の例で考えてみましょう。
【購入時】
1株1,000ドルで3株購入(1ドル=130円)
1,000ドル×130円×3株=39万円
【売却時】
1株1,000ドルで3株売却(1ドル=120円)
1,000ドル×120円×3株=36万円
購入時も売却時も、1株当たりの株価は1,000ドルで変動していません。しかし、為替が130円から120円と円高へ推移しているため、3万円の損失が発生する結果となりました。 このように、米国株へ投資する際は、株価の変動だけでなく為替の変動も併せてチェックすることが大切です。
3-2.配当金は二重で税金が課される
米国株は配当の頻度が高いことが魅力ですが、配当金に対する課税については注意が必要です。 保有する米国株で配当金が出た場合、まず米国内で税金が課税され、その後日本でも20.315%の税金が課されます。1回の配当に対して日米それぞれで課税されることとなり、二重で税金を支払わなければなりません。 この二重課税の救済措置として、「外国税額控除」という制度が設置されていますが、税金を還付してもらうためには確定申告を行う必要があります。 確定申告に不慣れな人や、米国株取引以外に申告することがない人にとっては、「わざわざ確定申告するのが面倒だ」と感じてしまうかもしれません。
3-3.株価の変動幅が大きい
米国株は株価の変動が大きい点にも注意しましょう。 日本の株式市場では「ストップ安・ストップ高」という仕組みが採用されており、前日の終値に対して急激に株価が上下した場合は、売買が行えないようストップがかけられます。 米国でも「サーキットブレーカー」という制度がありますが、あくまで株式市場全体が下落したときに発動される仕組みです。個別銘柄の株価の上下には制限がないため、1日の中で大きく乱高下することも珍しくありません。 市場動向によって大きな損失が発生するリスクについては、投資を始める前にきちんと理解しておきましょう。
4.初心者は積立投資もおすすめ
米国株投資に興味があっても、「買い時が分からない」、「深夜に取引するのは億劫だ」という人もいるかもしれません。 初めて米国株投資へチャレンジする人には、積立投資による買い付けもおすすめです。積立投資とは、同じ銘柄を毎月一定の金額で買い付けていく方法です。 申し込み時に「購入する銘柄」「購入金額」「購入日」を指定すれば、後は自動で買い付けが行われます。自ら購入手続きを行う必要がないため、「投資に手間をかけたくない」という人にも嬉しい仕組みです。 また、積立投資にはリスクを低減する効果もあります。積立投資は毎月コツコツと株式を購入していくため、株式に投資するタイミングが分散されます。 まとまった金額を一気に投資する場合、後から振り返って「あの時は買い時ではなかった」と後悔してしまうこともあるかもしれません。その点、積立投資は長期にわたって買い付けを行うため、「高値掴みをしてしまった」ということがないのです。 証券会社によっては月々数千円から利用できることもあるため、まずは積立投資から始めてみるのもよいでしょう。
5.特徴を理解したうえで米国株投資に取り組もう
米国株への投資は、「配当の頻度が高い」、「少額投資から始められる」など複数のメリットがあります。NISA口座を利用すれば、非課税の恩恵を受けながら資産形成することも可能です。 しかし、為替リスクがある点や、配当金の二重課税については、しっかりと理解しておく必要があります。投資を始めてから「こんなこと知らなかった」ということのないように、事前に米国株の特徴をきちんと理解しておきましょう。
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この記事を書いた人
ライター
椿 慧理(つばき えり)
銀行を10年間勤務し経験を通じて得た金融知識を活かし、金融ライターとして独立。
金融商品やマーケットの解説、税制解説など初心者にも分かりやすい記事を手掛ける。
自らも12年の投資経験を持ち、国内外株式、投資信託、暗号資産を運用中。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、内部管理責任者
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