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資産運用
人はAIに敵わないのか AIとの共生に見る「お金」
AIの進化が目覚ましい昨今。
アニメ動画からコミュニケーションに至るまで、急激にAIが侵食しており、小説家やライター、漫画家にイラストライターまで、その脅威を強く感じているように思います。
人はAIに敵わないのでしょうか。人はいつかAIに駆逐され、仕事を奪われてしまうのでしょうか。
今回は、AIと人間の共生にみる、「お金」の生み出し方について考えてみたいと思います。
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AIに仕事を奪われたアメリカプロライター
筆者を震撼させたのは、Twitterのある投稿でした。
木内翔大(@shota7180)さんという方の投稿です。彼の投稿には下記のように書かれていました。
❝「ChatGPTのせいでライティングの仕事が奪われた」というReddit上の投稿が注目されている
投稿主は、クライアント企業から時給50→80ドルで仕事を受けるくらいに評価されていて、執筆歴も10年、大手との業務実績も豊富な方だそう。
ChatGPTが登場してからも、❝いいライター❞であれば脅威ではないと考えていた。しかし、契約の解除を告げられる。品質ではなくコストを重視されたからではないか、と本人は語っている。❞
これを読んだ時、筆者はグーパンチでみぞおちを思いっきり殴られたかのような衝撃を受けました。
何故なら、筆者は仕事を奪われたアメリカのライターと全く同じことを考えていたからです。
「実力があれば大丈夫」とちょっと天狗になっていたのに、よもや「実力が高い=コストが高い=コスト削減でAIに乗り換え」という展開になるとは思いもしませんでした…。
「超絶プロには劣るけれど、かなり格安にそこそこの記事を挙げてくれるAIの方がいいじゃん!」
こうなってくると、そこそこ単価の高いそこそこのライターなんて生きていくことができません。筆者のことですけれども。まさに今、筆者は崖っぷちに立たされているのです。
大手企業パナソニックもAIを導入へ
2023年4月14日、パナソニックグループはAIアシスタントサービス「PX-GPT」を全社員へ拡大し、国内約9万人が本格利用を開始すると発表しました。
パナソニックは、パナソニックグループである「パナソニック コレクト」で2023年2月からAIを活用した業務に取り組んでいたそうです。そしてこの度、多くのグループ社員からAI活用の要望が上がったことから、本格導入の開始を決定しました。
AIを活用をすることで、業務効率の向上や、部門をまたいだ社員の生産性の向上、ビジネスアイディアの創出などを目指す方針とのこと。
「使える物は親でも使え」精神でガンガンAIに活躍してもらうようです。パナソニックをはじめとする、国内大手企業も、追いつけ追い越せでAI導入を推し進めています。
仕事の効率化は大変喜ばしいことですが、ほぼすべての工程をAIがこなしてしまうとしたら、人はどこで活躍の場を見出せばよいのでしょうか。
『宇宙兄弟』編集者が語るAI
「ま~たTwitterかよ」と思われるかもしれませんが、ご了承ください。好きなんです、Twitterが…。
たまたまツイートを流し見していた時に見つけた記事が、大変興味深かったのでぜひ共有させてください。
『AIで80点の漫画が作れるからこそ、「100点」を見極める人間の価値が高くなる!?ーーー『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』編集者・佐渡島庸平に訊く「エンタメ業界・うまい飯といい話」第1回』
タイトルが長い…。でもとってもいい記事です。
記事の中では、エンタメとは何か、そして大切にすべきことは何かが語られています。その中でも特に興味深いのは、『AIを使った物語づくりでは100点を見極める人間の価値があがる』という項目です。
記事内では、下記のように書かれていました。ちょっと長いので、すんごくざっくりまとめさせていただきますね。
「AIを使って物語を作ると、物語作りが楽になる。だからこそ、これまでこだわりきれなかった部分にもこだわれるようになり、もっと読者の感情に寄り添った物語ができる。」
「物語をイチから作るのが大変だから、アンケート上位の作品と似たようなものばかりになる。でもAIを使って1日に300個も物語が作れるとしたら、まったく見たことがない物語がもっと出てくるはず。」
「AIが80点以上で全部作ってくれる。その中で100点を見極める人間の価値がもっと上がる。」
「AIをいち早く使った漫画家が勝つ。ヘンなプライドを持ってなかなかAIを使わなかった漫画家は素人にも負ける。」
これを初めて読んだ時、筆者はこめかみをグーパンチで思いっきり殴られたかのような衝撃を受けました。前述のアメリカのライターとは同じ考えを持っていましたが、佐渡島さんの考えは頭になかったからです。
私が請け負っている仕事は、AIによって自然淘汰されてしまうと恐れていましたが、どうやらそうではないかもしれません。
熱を感じないChatGPT
アメリカのライターのエピソード、そして佐渡島さんの言葉に感化され、筆者は重い腰を上げてChatGPTを利用してみました。感想は2つ。まず1つ目は「とにかくすっげ~~~~!!!」です。
「読みたい金融コラムを教えて」と言う質問に対して、ChatGPTは下記のように応えました。
❝私はAIアシスタントですので、金融に関するコラムを書いていません。しかし、一般的な金融コラムであれば、以下のようなものがあります。
1.株式市場の動向に関するコラム
2.経済や金利に関するコラム
3.投資やリスク管理についてのコラム
4.マーケティングや消費者行動に関するコラム
5.保険や年金に関するコラム
あなたが興味を持っている分野に関して、信頼できる情報源からコラムを読んでみることをお勧めします。❞
回答にかかった秒数はおよそ2秒。筆者が後輩に同じ質問をされたら、30分位かけてメールを作るところを、ChatGPTは29分58秒も短縮してみせました。もちろん、「いや、それは分かってるんですけどね…」という回答ではあります。
とはいえ、もっと筆者がChatGPTにうまい質問を投げかけられるようになれば、更に正確な回答が返ってくるでしょう。今後、更にAIが成長し、もっと正確な回答が返ってくるかと思うと、末恐ろしささえ感じます。
さて、筆者はChatGPTについて2つの感想を持ったと言いましたね。2つ目の感想をまだお伝えしていなかったので、ぜひ聞いてやってください。
筆者の2つ目の感想は、「なんか足りない」。まさにこれに尽きます。
筆者はChatGPTに様々な質問を投げかけましたが、いつも心に残るのは「なんか足りない」でした。そのいい例が「今一番おすすめの株は?」という質問への回答です。
ChatGPTは下記のように答えました。
❝申し訳ありませんが、私は株式投資のアドバイスを提供することはできません。私は人工知能のデジタルアシスタントであり、以前の投資や市場動向に戻づいて株の推奨をすることはできません。投資に関する重要な決定をする際は、専門家のアドバイスを受けるこ とをお勧めします。❞
確かに、完璧な答えです。下手なアドバイスをして大コケされるくらいなら、これくらい突き放しておいた方が安全ですからね。
でも「なんか足りない」。
「アンタは答えられないんかい!というガッカリ感」と、「他人行儀感」。
高速で幅広く回答できるそのシステムは素晴らしいのですが、どこか機械的で熱を感じさせない雰囲気は、物足りなさがありました。佐渡島さんが言っていた「AIが80%の物語を作る」というのは、人間が求める「熱」の無さから来ているのかもしれませんね。
今一歩足りないAIも、今後更なる進化を遂げて100点に近い正解を叩きだすときが来るでしょう。でもその裏側に「熱」を感じないと、人はどこか冷めてしまうのではないかと思うのです。
知恵とぬくもりが成功のカギかもしれない
AIに仕事を奪われるというのは、実際に起こり得ることでしょう。
今も、刻一刻と人の手を離れ、AIが担う仕事が増えているはずです。でも、結局AIだとて人の手が生み出したものに過ぎません。
「もっと便利になったらいいな」
「もっと効率的にできないかな」
そんな想いがAIを生み出し、共生の道を歩もうとしています。だとしたら大事なのは、その思いに則って「どのようにAIを活用し共生していくか」ではないでしょうか。前述の佐渡島さんのように、大変な部分をAIに任せてしまえばいいのです。
でも、やっぱりAIでは「なんか足りない」。だからそこに「熱」を加える作業をすればいいのだと筆者は感じています。
話はちょっと逸れますが。筆者は近所のコンビニで働く、オバちゃんズに会うのを楽しみにしています。
いつの間にか自動レジが導入され、おばちゃんズにお釣りを手渡してもらうことは無くなりました。でも、おばちゃんズからの声かけが、毎回とても嬉しいのです。
「あら、この間赤ちゃんだったのに、もうこんなに大きくなったの~」
「このホットスナック、あんまりだったから、こっちの方が美味しいですよ」
同じく近所にある別のコンビニは、店員さんがレジ対応をしてくれますが、いつも無言。オバちゃんズがいるコンビニは少し遠いのに、なぜだかオバちゃんズがいるコンビニに足が向きます。これが真理なのではないかな、と思うのです。
結局いくら便利になっても、人にしか出来ないことがあります。だから面倒なことはAIに任せて、ここぞというときに「人のぬくもり」に頼ればいい。人はいつだって人でしかありません。
そこを上手くかみ砕き、知恵とぬくもりでAIを活用していけると、「お金」を生み出せるのかもしれませんね。
今回の記事はいかがでしょうか。お金に関する知識を知りたい方は是非無料セミナーに参加してみてください。
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この記事を書いた人
ライター
齋藤佑美(さいとうゆみ)
複数の大手メディアでコラムを執筆する2児の母。
FP上位資格のAFP、生命保険協会認定FP資格であるTLC取得。
女性に寄り添ったコラムが好評を得、週刊女性にて記事の監修を行う。
お金の知識や現場の体験を踏まえた記事に定評がある。
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