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資産運用

投資信託の隠れた手数料・信託報酬は悪なのか?

投資信託の隠れた手数料・信託報酬は悪なのか?

ここ数年、NISAやiDeCoといった節税が可能な金融商品として、投資信託が人気です。その人気に乗じてさまざまな本やネット記事で投資信託が取り上げられているのを目にします。

そんな投資信託の記事のほとんどのものに書かれているのが、「高い信託報酬の投資信託には手を出すな」です。後に詳しく触れますが、投資信託の隠れた手数料である「信託報酬」が高い商品は買ってはいけないと書かれているのです。

今回の記事では、信託報酬が高い商品は本当に悪いのか?を検証していきます。

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投資信託と信託報酬

まずは投資信託と信託報酬が何なのかを説明していきましょう。

投資信託

 運用のプロが不特定多数の投資家からお金を集めて、さまざまな株式や債券などに分散投資をおこなう金融商品です。商品ごとにテーマがあり、そのテーマに沿った銘柄に分散投資をおこないます。(例:「世界株投信」という商品のテーマは世界中の株式を対象として運用する投資信託で、日本やアメリカ、中国などさまざまな世界の株式に分散投資する商品)。

投資信託は利益を得る方法は2種類あります。1つが値上がり益を得る方法です(キャピタルゲイン)。買単価より高い単価で売ると利益が得られます。そして年に1度ないしは複数回、運用実績に応じて得られるのが分配金です(インカムゲイン)。

ここ数年、国の「貯蓄から投資へ」といった政策の一環である「NISA」や「iDeCo」が非常に注目されており、その投資対象メイン商品となるのが投資信託なのです。ですので、以前ならご存じなかった方でも現在は多くの方に知れ渡っている商品です。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託の手数料の一つです。投資信託には手数料の種類が2種類あり、1種類が購入時に買付金額の1~3%程度かかる購入手数料です。中には購入手数料がかからない「ノーロード投信」と呼ばれる商品もあります。

そしてもう1種類が「信託報酬」です。信託報酬は、投資信託を保有しているだけで毎年、一定の割合でかかります。その信託報酬は、販売会社(証券会社や銀行等)、運用会社そして受託銀行の3社に振り分けられるのです。

信託報酬も購入手数料と同様に商品によって料率が大きく異なります。一般的に、ベンチマークとなる株式指標と連動するインデックス投信は料率が低く、プロの運用担当者がさまざまな企業を分析して分散投資するアクティブ投信などは料率が高いとされています。

タイプ別で信託報酬と運用成績をみる

さまざまなタイプに分けて、そのタイプ別で運用成績上位商品の信託報酬を比較してみましょう。そしてタイプ別で信託報酬が高い(安い)と運用成績が悪い(良い)のかを検証していきます。

⓵国内株式 ※日本円投資型

東京証券取引所に上場している銘柄のみをセレクトした投資信託の中で直近5年間の値上がり率上位の商品の上昇率と信託報酬をみてみましょう。

【国内株式型 直近5年リターン上位ランキング】

順位

商品名

運用会社

5年年率リターン

信託報酬

1

情報エレクトロニクスファンド

野村アセット

17.29%

1.65%

2

DCダイワ中小型株ファンド

大和アセット

16.58%

1.672%

3

ウツミ屋日本株ファンド「あゆみ」

三井住友DS

14.84%

2.09%

4

明治安田セレクト日本株ファンド

明治安田AS

14.82%

1.375%

5

小型ブルーチップオープン

野村アセット

14.35%

1.672%

6

JPX日経400アクティブプレオープン

ニッセイ

14.20%

1.8025%

7

日本株アルファ・カルテット

三井住友DS

13.97%

1.9225%

8

テクノロジー厳選株式F

フィディリティ

13.72%

1.65%

9

企業価値成長小型株ファンド

AMOne

13.20%

1.595%

10

大和住銀DC国内株式ファンド

三井住友DS

13.16%

1.045%

 

1~10位平均

 

14.61%

1.647%

 

91~100位平均

 

10.28%

1.2716%

※2023年10月末時点
日本経済新聞 投資信託 国内株式リターン上位ランキング

国内株式型上位10位の平均信託報酬は1.647%で、年率リターンは14.61%でした。そして91~100位の場合は表のとおりです。

仮に信託報酬という仕組みがなかった場合のリターンを比較してみましょう。

1~10位平均   16.247%=平均信託報酬1.647%+平均年率リターン14.61%

91~100位平均 11.5516%=平均信託報酬1.2716%+平均年率リターン10.28%

信託報酬という仕組みが無い場合、年率で約4.7%上位商品の方が値上がりしていることがわかります。下位商品は信託報酬は安いですが、リターンが低いことになります。

②先進国株式

次は先進国株式に投資する投資信託の場合の比較です。おもにアメリカの銘柄に投資する商品で、リターンが非常に高い商品群です。

【先進国株式型 直近5年リターン上位ランキング】

順位

商品名

運用会社

5年年率リターン

信託報酬

1

世界業種別(世界半導体株)

野村アセット

30.08%

1.65%

2

iFreeNEXT FANGインデックス

大和アセット

29.95%

0.7755%

3

FANGインデックスオープン

大和アセット

29.95%

0.7975%

4

イノベーションインデックスAI

三井住友DS

23.44%

0.8195%

5

iFreeNEXTナスダック100インデックス

大和アセット

22.85%

0.495%

6

SMT MIRAIndex  ロボ

三井住友TAM

21.61%

0.77%

7

野村クラウド関連株式投信B

野村アセット

21.40%

1.947%

8

野村米国ブランド株投信 年2

野村アセット

19.77%

1.773%

9

野村米国ブランド株投信 毎月

野村アセット

19.72%

1.773%

10

米国NASDAQオープンB

野村アセット

18.93%

1.694%

 

1~10位平均

 

23.77%

1.249%

 

91~100位平均

 

14.86%

1.2172%

※2023年10月時点
日本経済新聞 投資信託 先進国株式上位リターンランキング

直近5年、米国市場の株式は大きく上昇したことでリターンが高い銘柄が多く存在します。そして、上位には信託報酬が安いインデックスファンドが多くランクインしました。しかし、インデックスファンド以外の信託報酬が高めの商品も10位中5銘柄入っており、信託報酬が高くてもパフォーマンスの良い銘柄が多くあることを印象づけています。

③新興国株式

新興国株式に分散投資する商品群です。おもに中国やインド、トルコなどの株式が投資対象となっています。

【新興国株式型 直近5年リターン上位ランキング】

順位

商品名

運用会社

5年年率リターン

信託報酬

1

ミレーアセット・インド株式

大和アセット

20.82%

1.9175%

2

HSBCインド・インフラ株式オープン

HSBC

20.39%

2.09%

3

ダイワ・インド株式OP

大和アセット

19.61%

1.848%

4

インド消費関連ファンド

イーストスプリング

19.21%

1.9497%

5

中欧株式ファンド

カレラAM

19.01%

1.529%

6

インド・インフラ株式ファンド

イーストスプリング

18.89%

1.9497%

7

SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド

SBI

18.59%

1.854%

8

トルコ投資ファンド

野村アセット

17.79%

2.222%

9

高成長インド・中型株式F年1回

三井住友DS

17.39%

2.0505%

10

高成長インド・中型株式F

三井住友DS

17.35%

2.0505%

 

1~10位平均

 

18.91%

1.751%

 

91~100位平均

 

7.29%

0.745%

※2023年10月時点
日本経済新聞 投資信託 新興国株式型上位リターンランキング

新興国株式型では、リターンの高い商品は信託報酬が高めであるといった印象が際立ってします。上位10商品平均と下位10商品平均を100万円投資した場合の5年間の評価益と信託報酬を単純比較してみましょう。

上位10商品平均・・・評価益945,500円 信託報酬87,550円

下位10商品平均・・・評価益364,500円 信託報酬37,250円

上位群は下位群と比較して信託報酬は約5万円高いですが、評価益が約58万円も多いという結果となりました。下位10商品はインデックスファンドが多いため信託報酬は安いですが、新興国市場のベンチマークとなる指標が思ったように上がらないとこのような差が出てきます。

④先進国債券(投資適格)

【先進国債券(投資適格)型 直近5年上位リターンランキング】

順位

商品名

運用会社

5年年率リターン

信託報酬

1

ハイブリッド証券メキシコペソ

AMOne

15.19%

1.705%

2

Rogge世界ハイブリッドMペソ

東京海上

14.24%

1.6923%

3

世界公共インフラ債券投信(ペソ)年2

UBS

12.40%

1.668%

4

世界公共インフラ債券投信(ペソ)毎月

UBS

12.31%

1.668%

5

世界ハイブリッド証券戦略

ニッセイ

8.73%

1.991%

6

ハイブリッド証券インドルピー

AMOne

8.41%

1.705%

7

パインブリッジ米国優先証券F

パインブリッジ

8.01%

1.375%

8

ハイブリッド証券中国元

AMOne

7.57%

1.705%

9

ピムコショートタイム・インカム ヘッジなし

三菱UFJアセット

7.26%

1.0175%

10

米国優先証券オープン

野村アセット

7.23%

1.309%

 

1~10位平均

 

10.14%

1.584%

 

91~100位平均

 

3.62%

0.731%

※2023年10月時点
日本経済新聞 投資信託 先進国債券(投資適格)型上位リターンランキング

先進国債券型も上位群は下位群より信託報酬は約2倍の高さでありながら、運用成績は約3倍もあるという結果となりました。こちらも下位群にはインデックスファンドが多くランクインしており、ベンチマークとなる指標が上昇しないと信託報酬がいくら安くても良いパフォーマンスが得られないことがわかります。

⑤コモディティ

コモディティとは、金や原油など、いわゆる商品先物です。直近はインフレ率が高い関係で金や原油の上昇率が高いのが特徴です。

【コモディティ型 直近5年上位リターンランキング】

順位

商品名

運用会社

5年年率リターン

信託報酬

1

iシェアーズ ゴールドインデF

ブラックロック

15.59%

0.5085%

2

ゴールド・ファンド

日興アセット

15.67%

1.407%

3

米国エネルギー革命関連F(ヘッジ無)

野村アセット

15.49%

1.793%

4

SMTゴールドインデックスOP

三井住友TAM

15.47%

0.675%

5

三菱UFJ純金ファンド

三菱UFJアセット

15.35%

0.99%

6

米国エネルギー革命関連F

野村アセット

15.28%

1.793%

7

UBS原油先物ファンド

UBS

14.60%

1.074%

8

米国MLPファンド

ドイチェ

14.43%

1.835%

9

SMTAMコモディティ・オープン

三井住友TAM

13.22%

0.935%

10

「RICI」コモディティオープン

大和アセット

12.70%

1.9255%

 

1~10位平均

 

14.78%

1.294%

 

21~29位平均

 

5.10%

1.234%

※2023年10月時点
日本経済新聞 投資信託 コモディティ型上位リターンランキング

コモディティ関連は、商品自体が少ないです。そして上位群と下位群の信託報酬はほど同率でした。しかし、運用成績は約3倍近い差が出ています。信託報酬はあまり関係なく上がる商品は上がることを示しています。

⑥その他

その他では、株式先物取引を利用して、ショート(下がったら儲かる)も活用した商品などが属しています。

【その他 直近5年上位リターンランキング】

順位

商品名

運用会社

5年年率リターン

信託報酬

1

ノムラグローバルトレンド(アジア通貨)毎月

野村アセット

15.89%

3.345%

2

ミューズミッチ米国BDCファンド(毎月)

日興アセット

13.11%

2.035%

3

Wライン・シラー・ケープ米国株式プラスH

AMOne

11.86%

1.793%

4

BNYメロン・米国株式ダイナミック戦略F

BNYメロン

7.20%

2.035%

5

野村ワールドスターオープン

野村アセット

6.71%

1.562%

6

世界株式絶対収益追求F(ヘッジ無)

ブラックロック

6.13%

2.2933%

7

日本株ロング・ショート・ファンド

スパークス

5.82%

1.98%

8

米国リートプラス年2回決算(ヘッジ無)

大和アセット

4.92%

1.847%

9

日本株ロングショート戦略ファンド

ファイブスター

3.82%

2.365%

10

楽天ボラティリティ・ファンド

楽天

2.71%

1.08%

※2023年10月時点
※同一ファンドの場合、リターン最上位のタイプのみ掲載
日本経済新聞 投資信託 その他上位リターンランキング

他の商品群と比較して信託報酬が高い商品が揃っています。運用成績1位の商品は信託報酬が3%台でありながら年率平均15%以上を記録しました。ほか2%台の商品も好パフォーマンスとなっています。

まとめ

今回は、投資信託の隠れた手数料である「信託報酬」が高い商品は悪なのか?を検証してきました。さまざまなタイプの投資信託の上位商品と下位商品の信託報酬と運用成績を比較しましたが、運用成績が良い商品は信託報酬は安いわけではないことがわかりました。商品群によっては、信託報酬が安い商品が下位にランクインする場合もありました。

ただ信託報酬が安い銘柄でも運用成績が良い商品は多くあります。投資信託を選ぶ際は、信託報酬は気にせず、過去のパフォーマンスや、各商品の投資対象となる銘柄の将来性などで見極めることが大事です。

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この記事を書いた人

ウルトラ金融大全編集部

ライター

ウルトラ金融大全編集部(うるきんへんしゅうぶ)

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