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貯蓄

未来ある子どものために!就学援助制度で教育の平等化になる?!

未来ある子どものために!就学援助制度で教育の平等化になる?!

子どもの入学・進学はとても喜ばしいことですね。しかし入学にあたって、同時に経済的な負担もあります。

小学校の入学ではランドセルや算数セット、鍵盤ハーモニカ等さまざまな学用品を揃える必要がありますし、中高の入学では学用品に加えて制服・指定鞄といった学生生活での必需品が多くあります。

ランドセルの購入平均額は毎年上昇傾向にありますし、制服や鞄は指定された老舗洋服店で購入することが多いため、すべて購入するとかなりまとまった金額になりがちです。購入費を節約したいと思っても、指定された学用品や制服は購入が必須のため節約は難しいという側面もあります。もちろんおさがりやバザーで購入する選択肢もありますが、子どもの成長の節目として新品のものを揃えてあげたいと思うのもまた親心でしょう。

本記事では、そんな入学や学校生活に関わる負担を軽くすることができる就学援助制度について解説します。

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就学援助制度ってなに? 

修学援助制度とは、文部科学省が行なっている、児童生徒の支援制度のひとつです。

学校教育法第19条において「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされており、文部科学省の提唱のもと、各市町村では児童生徒に対して支援・援助を行っています。

この援助制度によって、家庭の経済状況に関わらず、できるだけ児童生徒の格差をなくし、円滑に学校生活が送れるようになります。

対象となる人

修学援助制度を受けることができる人たちには2つのパターンがあります。
1)要保護者
要保護者とは生活保護法第6条2項に規定されている、いわゆる生活保護を受けている家庭です。
令和3年度には約9万人がその対象とされています。
生活保護の基準は見直しをされることがありますが、見直しによって援助内容の影響が出ないように、見直しが行われた後でも援助を受け続けられるようにという配慮もあるので安心です。
2)準要保護者
準要保護者とは、市町村教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認めている人たちです。
この認定基準は国ではなく、市町村独自の基準で規定されているため、居住地の自治体によって援助を受けられる人やその内容が異なります。
援助を受けたい方は、居住地の教育委員会に条件等の確認をするといいでしょう。

対象となる支援内容

具体的にどのような援助を受けることができるのでしょうか。要保護者の受けられる支援内容は以下の項目となっています。
・学用品
・体育実技用具費
・新入学児童生徒学用品等
・通学用品費
・通学費
・修学旅行費
・校外活動費
・医療費
・学校給食費
・クラブ活動費
・生徒会費
・PTA会費
・卒業アルバム代等
・オンライン学習通信費
つまり、入学に必要なランドセルや制服・鞄といった学用品のほか、学校生活で必要になる給食費や修学旅行の代金まで援助を受けることが可能です。

ただし準要保護者の受けられる援助内容は市町村によって異なるため、ここで挙げた援助内容とは異なる可能性があります。

支給日はいつ?

援助費の支給日は市町村によって異なりますが、大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつ目は学期末に合わせて年に3回支給される場合です。この場合、7月下旬、12月下旬、3月下旬が支給時期になります。

また最近は2学期制を取り入れている学校もあるため、前期後期の2回の支給をする自治体もあります。この場合は、前期分として10月、後期分として3月に支給がされます。

また、学費や給食費、通学費といった毎月毎学期の固定費は定期的な支給日に支払われ、修学旅行費や卒業アルバム代などは後日に実費で支払われることもあります。

東京都大田区の場合

ここで具体的にどのような世帯が、どのような支援を受けられるのかを、東京都大田区を例に挙げてみてみましょう。大田区で支援を受けられる人は、現在生活保護を受けている、または世帯の総所得が一定の目安以下の場合です。

また単純に所得で線を引くのではなく、世帯の人数や年齢構成によって決まります。大田区が基準としている所得の目安は以下となります。

世帯人数

所得の目安

収入の目安

モデルケース

2人

300万円

443万円

母30歳、子(小学校1年生)

3人

354万円

510万円

父35歳、母30歳
子(小学校1年生)

4人

391万円

556万円

父35歳、母30歳
子(小学校4年生)、子4歳

5人

482万円

669万円

父40歳、母35歳
子(中学校3年生)
子(小学校4年生)
子(小学校1年生)

6人

539万円

732万円

父40歳、母35歳、祖母65歳
子(中学校3年生)
子(小学校4年生)
子(小学校1年生)

また支給額は以下のように定められています。
小学生の場合

支給項目

対象学年

支給金額

給食費※8月分はなし

1年生、2年生

月額4,100円

3年生、4年生

月額4,500円

5年生、6年生

月額4,950円

学用品費※8月分はなし

1年生

1,430円(3月は1,390円)

2~6年生

1,720円(3月は1,680円)

新入学用品費

1年生

51,060円

通学費(特別支援学級のみ)

該当者

実費分

校外授業費

1~3年生

各学期350円

4~6年生

各学期1,050円

移動教室参加費

5年生

限度額6,500円

6年生

限度額6,800円

移動教室参加者
班別学習費

参加者

定額800円

(班別学習実施校)

クラブ活動費

4~6年生

年額240円

卒業アルバム(購入者)

6年生

限度額11,000円

中学生の場合

支給項目

対象学年

支給金額

給食費※8月分はなし

全学年

月額5,350円

中学夜間学級

月額5,700円

学用品費※8月分はなし

1年生

2,770円(3月は2,750円)

2、3年生

3,130円(3月は3,110円)

新入学用品費

小学6年生または中学1年生

60,000円

通学費(特別支援学級のみ)

該当者

実費分

体育実技費

購入者

限度額7,860円

校外授業費

1、2年生

各学期560円

3年生

各学期1,600円

移動教室参加費

参加者

限度額8,700円

移動教室参加者
班別学習費

参加者

定額1,100円
(班別学習実施校)

修学旅行参加費

参加者

限度額64,000円

修学旅行参加費
班別学習費

参加者

定額2,000円(班別学習実地校)

卒業アルバム(購入者)

3年生

限度額8,800円

つまり、小学校1年生の入学時に必要なランドセルや学用品には最大51,060円分の支援が受けられることになります。
また中学入学時に必要となる制服や鞄は、最大60,000円の支援が得られます。
この中学生の新入学用品費は入学前の小学6年生での受給も選択できますので、入学式に間に合うように準備ができるのは助かりますね。

就学援助制度を受けている人はどのくらい?

文部科学省の就学援助実施状況調査結果によると、2021年度の要保護・準要保護児童の人数は129万8,315人だとされています。
これは全体の児童・生徒数に対する14.22%にあたり、35人クラスの場合、約5人が要保護または準要保護児童として就学援助を受けているということです。

就学援助制度を受けてることが周りにバレない?

学校生活に必要な援助が受けられることはとても助かりますが、できれば周りの人に就学援助を受けているような経済状況であると知られたくないと思う人もいるでしょう。しかし就学援助を受けていることが周りにバレるのではないかと心配する必要はないといえます。

新学期に学校から就学援助制度利用の申請書が配られますが、基本的に周知の意味も込めて申請書は児童生徒全員に配布され、特定の生徒が名指しで配られるということはまずありません。

またこの申請書を学校に提出する場合は封筒に入れておけば、中身を隠して提出することができますし、もしも子どもの目に触れずに提出したい場合は保護者が直接学校の事務員に手渡せば、周りの子どもや保護者に知られることはないでしょう。市町村にもよりますが、援助費についても振り込みで行われることがほとんどですので、金銭の受け渡しも見られることはありません。

ただし、学校関係からバレることはなくても、子ども同士、親同士の会話から就学援助を受けていることがバレることがあります。噂話というものは思っているよりも早く、尾ひれをつけて広がっていくものです。

周りに知られたくない場合は何気ない会話であっても就学援助を受けていることを言わないことをおすすめします。

まとめ

就学支援制度は、子どもが等しく教育の機会を与えられるために必要な制度です。援助を受けるなんてプライドが傷つくと感じる人もいるかもしれませんが、学校生活での主役は子どもたちです。

子どもたちが経済的な理由で同級生との格差を感じて悲しい思いをすることのないように、親が制度を利用して環境を整えてあげることはとても大切なことでしょう。

現在は援助が必要でなくとも、会社の急な業績悪化で給料が減ってしまったり、思わぬケガや病気で収入が途絶えてしまう可能性もあります。万が一の時に備えてこの制度を知っておいて損はないはずです。

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この記事を書いた人

渡辺あい

ライター

渡辺あい(わたなべ あい)

銀行員として勤務の後ライターへ
4人の子供の母としてもお金の観点を持つ事が出来るのが記事の魅力。
FPの資格を活かした金融の記事に定評がある。

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