ウル金ムービーはこちら

公開日:

保険

生命保険より貯金がお得?「保険はいらない」と言われる理由

生命保険より貯金がお得?「保険はいらない」と言われる理由

「生命保険は不要である」といったことを見聞きしたことがある人は多いのではないでしょうか。実際、生命保険へ加入するのであれば、自分自身で貯蓄をしたほうが良い、といった考え方もあります。
一方で、万が一のことがあった際に確実に現金を残せる生命保険へ加入しておくべきである、といった考え方もあります。

どちらも間違えてはいない言い分ですが、「結局、生命保険への加入と自分自身での貯蓄は、どちらが良いのだろうか?」と悩まれている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、生命保険は不要なのか、貯蓄とどちらがおすすめなのかについて詳しく解説します。

ウルトラ金融大全が動画で見れる!
お金の事が分かる!増やせる!無料動画が公開中!

生命保険はいらない?貯金とどちらがおすすめ?

「生命保険に加入するのであれば、貯金をしたほうが良い」と思われている人も多いです。実際、「生命保険は不要である」と考える人の多くは自身で貯金を行い、万が一のことがあった際にも対応できる準備をしています。

しかし、一概に「生命保険は不要である」とも言えません。
まずは、生命保険と貯金はどちらがおすすめなのかについて、詳しく解説します。

運用率で見ると生命保険がおすすめ

普通預金や定期預金の金利は、一般的に高いと言われるネット銀行でも0.1%〜0.3%です。たとえば、10年満期の定期預金(0.2%と仮定)に100万円を預け入れ場合に得られる利息は、15,951円(税引き後)です。

一方、生命保険の中でも比較的運用率の高い商品である、外貨建て保険の場合(※)は、377,927円を得られます。もちろん、為替変動によって大幅に増減する可能性がある点に注意が必要です。
※100万円一時払い、10年満期の養老保険、予定利率が3.75%と仮定した場合
上記のとおり、運用率で見ると生命保険のほうが優れている可能性が高いです。

ただし、加入する保険商品によっては、途中解約で元本割れしてしまうリスクがあります。また、掛け捨て型の生命保険の場合は、終身型ではない限り支払った保険料分が一切返ってこない可能性もあります。

流動性で見ると貯金がおすすめ

急遽お金が必要になった場合、すぐにお金を引き出せるかどうかといった流動性で保険と貯金を比較した場合、貯金のほうが優れています。

普通預金の場合は流動性預金と呼ばれ、自由にお金の出し入れが可能です。また、定期預金の場合も元本が保証されている上に、解約をしてしまえばお金の引き出しは自由にできます。

一方、生命保険の場合は低解約返戻金型の商品や、途中解約のペナルティにより、契約以降は解約が難しいです。仮に解約をする場合は、元本割れしてしまうリスクがあります。
とはいえ、契約者貸付制度の利用が可能であるため、流動性で見ると大きな差異はないと言えるでしょう。

【契約者貸付制度とは】
契約者貸付制度とは、保険会社が行っている貸付制度です。貯蓄性のある保険を契約している人は、解約返戻金の7割〜8割程度を限度として借入ができる制度です。

生命保険が「必要・不要」と言われるそれぞれの理由

生命保険への加入をめぐって、「必要である」と言う人と「不要である」と言う人がいます。それぞれそのように答える理由があります。
これから生命保険への加入を検討されている人は、必要・不要それぞれの理由を理解した上で検討されてみてはいかがでしょうか。

「必要」と言われる3つの理由

生命保険が必要である理由は以下の通りです。

  • 自分・家族の生活を保障するため
  • 相続税の節税効果に期待ができる
  • 「現金」を確実に残せる

1.自分・家族の生活を保障するため

生命保険の目的は、被保険者に万が一のことがあった場合、保険金によって生活の保障をするためです。たとえば、生命保険に加入する理由として多いのは、「自分が死亡した際に家族の生活を保障するため」です。

その他、生命保険にはさまざまな種類があり、目的によって加入するべき保険の種類は異なります。たとえば、自分に万が一のことがあった場合に、自分自身の生活を保障するために収入保障保険へ加入する人もいるでしょう。
上記のように、自分もしくは家族の生活を保障するために加入するのが生命保険です。

とくに、一家の大黒柱として働かれている人が働けなくなったり、高度障害状態もしくは死亡したりしてしまうと、家計に大きな影響を与えます。そのため、保険によって保障しておこうと考えるのが「生命保険は必要である」と考える理由の1つです。

2.相続税の節税効果に期待ができる

死亡保障を目的とした生命保険の場合、保険金受け取り時に非課税枠があります。生命保険金の非課税枠は、「500万円×法定相続人=非課税限度枠」で計算をします。

つまり、夫婦・子1人の世帯で夫が死亡して保険金支払事由が発生した場合、1,000万円までは非課税で受け取りが可能です。現金で多額の資産を残した場合と比較して、相続税の納税額が軽減できるため、生命保険は大きな節税効果に期待ができます。

また、生命保険の受け取りは、受取人の権利であるため相続放棄をしても保険金を受け取れます。つまり、被相続人(死亡した人)に借金がある場合は、相続放棄をして債務の相続を免れた上で、生命保険金を受け取る、といったことも可能です。

3.「現金」を確実に残せる

生命保険は、確実に現金を残せるのがメリットです。たとえば、死亡保障を目的とした生命保険の場合、死亡後すぐに葬儀代が発生します。葬儀代の相場は150万円前後ですが、用意できなければ葬儀を行うことすらできません。

また、相続財産がある場合は現金による相続税の納税を行わなければいけません。現金など流動性の高い資産を相続した場合は相続税を納められますが、不動産など「物」を相続した場合は、自分で現金を用意して納税しなければいけません。

しかし、生命保険金を受け取ることができれば、現金を確実に残しておくことができるため、心配する必要はありません。

「不要」と言われる3つの理由

生命保険が不要と言われる理由は、以下のとおりです。

  • 保険金を残す必要がないケース
  • 生命保険料を支払える経済力がない
  • 流動性の高い資産を潤沢に蓄えている人

1.保険金を残す必要がないケース

そもそも保険金を残す必要がない人は、生命保険に加入する必要はないでしょう。保険金を残す必要がない人とは、たとえば独身世帯の人を指します。
独身の人で、自分の死後に生活を保障すべき人がいない場合は、生命保険に加入する必要はありません。最低限、自分自身の葬儀代程度を現金等で貯金しておけば良いです。

ただし、生命保険は一般的に高度障害状態になっても受け取れます。高度障害状態であれば、自分自身は生存しているため、自分の生活保障を目的として加入を検討するのは良いかもしれません。
また、収入保障保険のように自分に万が一のことがあった場合に、自分の生活を保障する目的で加入できる保険もあります。そのため、「独身だから生命保険は不要」と一概に考えるのは早計かもしれません。

2.生命保険料を支払える経済力がない

生命保険料を支払えるだけの経済力がない場合は、無理をして加入する必要はありません。生命保険は、被保険者に何らかのことがあった場合に支払われる金融商品です。
そのため、将来起こり得る可能性があることにお金をかけるのであれば、目の前の生活にお金を使うほうが大切であるためです。
保険料の支払いによって家計が圧迫されてしまうことを「保険貧乏」と言いますが、この状態になるのは好ましくありません。無理のない範囲で加入できる場合に、生命保険への加入を検討されてみてはいかがでしょうか。

3.流動性の高い資産を潤沢に蓄えている人

流動性があり、すぐに現金化できる資産を潤沢に蓄えている人は、あえて生命保険に加入する必要はないでしょう。
そもそも、生命保険に加入する主な目的は以下のとおりです。

  • 遺族の生活の保障
  • 自分の生活を保障
  • 資産運用と保障

いずれも、「保障」が主な目的となります。そのため、潤沢な資産があり、保障が必要ない人はあえて生命保険に加入する必要はありません。

【生命保険はいらない?】貯金と保険加入に関するよくある質問

貯金と保険加入に関するよくある質問を紹介します。

Q .医療保険・がん保険は必要?不要?

A .潤沢な資金があり、高額医療に対応できる人はあえて加入する必要はないでしょう。

医療保険やがん保険は、病気や怪我で入院や手術をした場合もしくはがんになった場合に保障を受けられる保険です。生命保険とは異なり、治療費等を目的としているのが特徴です。

日本は国民皆保険であるため、国民全員が何らかの公的保険に加入しています。公的保険では、高額療養費制度があるため、一定金額を超える治療費の請求は行われません。そのため、医療保険やがん保険は不要であると考える人もいます。

しかし、医学の発展に伴いさまざまな治療方法が出てきている現代において、保険外診療を検討する場面も多くなっています。もし、保険に加入していることによって、治療の選択肢を広げられるとすれば、「医療保険・がん保険は必要である」と言えるのではないでしょうか。

Q .同じ金額を貯金(運用)と保険加入どちらが得ですか?

A .損得勘定のみで判断するのは困難です。

毎月1万円貯金している場合と、毎月1万円の保険料を支払っている場合で比較してみましょう。1年後に溜まっている金額は、それぞれ12万円ずつです。
貯金の場合は12万円に銀行次第で1円〜2円程度の利息が付きます。一方、保険の場合は運用率や加入している保険次第で、価値が12万円以下になっていることが多いです。そのため、上記の例で比較した場合は貯金のほうが得であると言えます。

しかし、上記例で1年後に被保険者が死亡して数百万円の保険金を受け取った場合、損得だけで言うと、生命保険のほうが圧倒的に得です。
つまり、生命保険は「今後起こり得るかもしれないことにお金をかけている」ということを理解しなければいけません。未来のことは誰にも分からないため、貯金と保険どちらが得なのか、判断するのはとても難しいでしょう。

Q .いくらの貯蓄があれば生命保険への加入は不要ですか?

A .必要な資金の計算式があります。

最低限残しておくべきであると考えられる必要資金は、以下の計算式で算出されます。
1:現在の基本生活費×70%×末子独立までの年数=
2:現在の基本生活費×50%×(配偶者の平均寿命年数−末子独立時の配偶者の年齢)=
3:子供の教育費
4:葬儀代等
1〜4までの合計額が最低限必要であると考えられる資金です。

【例】
家族構成
・夫(40歳)
・妻(35歳)
・子(10歳 独立時22歳)

基本生活費等
・現在の基本生活費360万円
※夫が死亡した場合で想定

上記例で言うと以下のとおりになります。
1:360万円×70%×12年=30,240,000円
2:360万円×50%×(※87年−47年)=7,200,000円
3:500万円(仮定)
4:150万円
30,240,000+7,200,000円+500万円+150万円=43,940,000円
上記例で言うと、43,940,000円の貯蓄があれば生命保険へ加入しなくても遺族はこれまで通りの生活を送れるでしょう。

まとめ

今回は、生命保険はいらないのか、自分で貯蓄をしたほうが良いのか?について解説しました。
貯蓄は流動性が高いため、急な入用にも対応できるのが最大のメリットです。一方、生命保険の場合は、保険金支払い事由発生時にかならず現金を受け取れるのがメリットです。

そのため、どちらが良いといった明確な答えを出すことはできません。世帯ごとに必要・不要は異なるためです。
生命保険金を残しておく必要がない人や、潤沢な資金を持っている人、保険料を支払えるだけの経済力がない人は、あえて生命保険へ加入する必要はありません。可能な範囲で貯蓄を継続していけば良いでしょう。
一方で、家族がいる人や現金を残しておく必要がある人は、生命保険への加入を検討したほうが良いです。
生命保険はさまざまな種類が用意されていますが、かならずしも万能なものではありません。今回解説した内容を踏まえ、世帯ごとに生命保険加入の必要性を判断されてみてはいかがでしょうか。

ウルトラ金融大全が動画で見れる!
お金の事が分かる!増やせる!無料動画が公開中!

この記事を書いた人

林 裕二

ライター

林 裕二(はやし ゆうじ)

2018年にFP2級技能士。金融系WEBライターとして活動。数多のメディアで金融系記事執筆や監修を担当し、読者のお金の悩みに寄り添ってきました。現在も人々の生活に関わる「お金」や、家計の「借金問題」などをメインとしながら記事執筆を行っています。

保険の記事一覧はこちら

ウル金ムービーはこちら

ウル金ムービーはこちら