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靴を見れば人が分かる その2

靴を見れば人が分かる その2

靴を見ればその人が分かるという話は別のコラムで書かせて頂きましたが、さらにマニアックな紳士靴話を書いてみたく思います。

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紳士靴のドレスコード

紳士靴にはドレスコードがかなり厳格に存在します。
カジュアルな場面から冠婚葬祭などのしっかりとしたシチュエーションでは履く靴も分けなくてはいけません。
一番儀礼的に格の高い靴は黒のストレートチップになります。
葬儀や結婚式などはこの靴で出席します。
特に葬儀ではストレートチップ以外の飾りのついた靴や色のある靴は避けるべきです。

ビジネスシーンでは若干選択肢が広がりますが、目上の方に会う場合は相手方よりもカジュアルなシューズを履くのは考えものかもしれません。
この辺りは本当に個々人の考え方によるので簡単に言えませんが、ローファーなどのスリッポンは場面を考えて選ぶようにしてください。

・デザインの種類
ストレートチップ
ストレートチップとはつま先を覆うデザインの最もオーソドックスなシューズです。
キャップトゥーとも言われます。
靴ひもを結ぶ部分のデザインで内羽(バルモラル)と外羽(ブルーチャー)にさらに分かれます。
黒の内羽が最も儀礼的です。

足の甲が高くて痛む事が多い人は外羽の靴を試してみると快適に履けるかもしれません。
外羽の靴は甲周りの圧迫を柔軟にコントロールできますので甲高の人に向いています。

プレーントゥ
つま先にパーツが無く、スタイリッシュな出で立ちの靴です。
ストレートチップよりはカジュアルな扱いですが、ビジネスの幅広いシーンで使えます。
柄の無いスーツとの取り合わせがシンプルで合わせやすい靴です。

ブローグ
ブローグと言うのは飾りの事です。メダリオンと呼ばれる穴飾りを施した靴の事を指します。
この飾りの範囲によりフルブローグ、セミブローグ、クオーターブローグと種類があります。
フルブローグの靴はウィングチップとも呼ばれます。
華美な靴の位置づけとなりますので、会食やカジュアルなシーンで合わせられます。
柄の強いスーツやジャケットと合わせる事が多い靴です。
セミブローグやクオーターブローグは派手ではないのでビジネスでも使いやすいです。

サイドレース
靴ひもを横で結ぶタイプのシューズです。
エレガントでカジュアルな装いになります。
こちらも会食などのシーンで使われますが、ビジネスでも問題ありません。

モンクストラップ
ストラップベルトで止めるタイプのシューズです。ダブルモンクのスタイルの方が多く見かけるでしょうか。
意外ですが、レース(靴ひも)のあるシューズよりもカジュアルな位置づけです。
ビジネスで使う方が多いと思いますが、合わせるのが意外に難しく楽そうだからと選ぶのは少し危険です。(著者偏見)

ホールカット
ワンピースとも呼ばれます。
アッパー(靴の上部)が一枚の革で作られているシューズです。
本来いくつかのパーツを縫い合わせてつくるものを革一枚で成型しますので贅沢な作りのシューズです。
「ホールカットは贅沢品だ」と通じる人に通じる事が意味であるという位性能上の特徴はありません。
むしろ、ホールカットは形が崩れやすく、長くは持たない儚い靴と言えます。
結構売られているので手を伸ばしてしまいそうですが、よっぽどの靴好き以外は手を出さない方が良いでしょう。

つま先の形状 チゼル ラウンド スクエア
つま先の形状に種類がありますが、大きくは3種です。
ラウンドは丸いつま先で最もよく見るタイプです。
何にでも合わせやすく使いやすいデザインです。
四角いデザインはスクエアで黒ならシャープな印象を茶色なら上級者な印象をもたらしてくれます。
そして、チゼルトゥです。チゼルはノミという意味です。
先端に向かって尖ったデザインで足が長く見えるような気がします。
スーツとの親和性が高く、黒いシューズで採用される事が多いです。
そのほかポインテッドトゥなどありますが、あまり変わったものを選べば良いものではありません。
意味なく選ぶのはやめた方が良いですが、意味を求めすぎるのも考えものです。

ノルウィージャン
ノルウィージャンとかUチップと呼ばれるデザインです。
よく見かけるけど名前が不明な靴の筆頭ですね。
中央部の縫い付けと蓋のようなパーツが特徴です。
この中央部の縫い合わせに職人魂が込められてやたら奥深い沼のような靴です。
スーツと合わせるとぼってりとしがちなので、上級者向けです。
ジャケットやトラッドなスタイルで合わせると良いです。
グレーやネイビーのスーツに合わせたりするのは難度が上がりますね。

スワール
こちらも良く見るけど名前の分からない靴シリーズですね。
シャープでエレガントなフォルムですが、上級者向きです。
やたらと見かけるのでうっかり何気なく履いてしまいがちですが、なにとあうんだか良く分からない所があります。
カジュアルなデザインだと認識して普段使いやジャケットで合わせる方が無難ですが、何故か黒い靴が多い気がします。

スリッポン パテントレザー ローファー タッセルローファー エスパドリユー
ローファーなどのレースの無い靴をスリッポンと呼びます。
夏場のエスパドリユーやパーティーのエナメルシューズ、セレブのドライビングシューズも仲間です。
これらは全てカジュアルです。
ビジネスでは相当に場面を選びます。というか、社風を選びます。

ローファーだけはビジネスでも許容されているのを感じますが、スーツと合わせるのは難しいので避けると良いでしょう。
ソックスを履いてスリッポンを履くというのがそもそもどうなのだろうか?という疑問が沸き上がるのでビジネスで使うのはやはり上級者向きです。
夏場に素足で使うのがスリッポンの便利な使い方だと思います。それが認められる寛容な企業がどれだけあるかは別問題です。

ブーツ サイドゴア エラスティック チャッカブーツ
ドレスシューズとして先に挙げたものは全て短靴と呼びます。
大してもうちょっと長い靴の事をブーツと呼びます。長靴でも良いのですが、それだとレインシューズを意味してしまいますよね。
ブーツにも種類があります。
紳士靴として考えるとチャッカブーツ位のものが限界でしょうか。
サイドゴアブーツやサイドエラスティックブーツと呼ばれているものも似たような形です。
違いはチャックがついているのか、ゴムで伸びるのかの違いです。
ブーツ自体がビジネスシーンでは大分カジュアルですが、チャッカブーツは社風により許容されるところがありそうです。

グッドイヤーウェルテッドとマッケイ

紳士靴の作りで特に特徴的なのが底付けの差です。
底付けとはアッパー(靴上部)とソールを縫い合わせる事ですが、この作業方法で大きな違いが生まれます。
代表的な製法はグッドイヤーウェルト製法とマッケイ製法です。
グッドイヤーウェルトという名前は聞く事があるものの、何を意味するのか「?」な人も多いと思います。
この如何にも「言ってみたい」通っぽいネーミングですが、ウェルトと言うパーツを靴の縁にかませてウェルトを介して縫い合わせる製法になります。
書いてても良く分かりませんが、分かる必要も無いので特徴に移りましょう。
グッドイヤーのシューズの特徴は頑丈である事です。
雨の染み込みにも強く、十分なフィラー(靴の中綿)が入る余地があるので、寒さや修理にも強いのがメリットです。
反面武骨で「こば」(靴の縁)が張り出し、重くて靴によっては野暮ったいのが玉に瑕です。

マッケイ製法はアッパーとソールを直接縫い合わせて作ります。
そのため軽くて華奢でシャープなフォルムを作りやすいです。
難点は水が直接靴に染み込むので雨の日はきついです。

グッドイヤーは雨の国イギリス、マッケイは晴れの国イタリア発祥です。
それぞれのお国柄が反映されていて面白いですね。
日本は高温多湿で、雨が降る国ですからグッドイヤーの靴の方があうのですが、用途に合わせて色々持っておくと靴選びも楽しくなります。

他にもブラックラピッド、ステッチダウン、ボロネーゼ製法と色々ありますが、趣味の領域ですのでグッドイヤーとマッケイの2種類だけ押さえておけば良いでしょう。

一言
最近ストームウェルト仕様のビジネスシューズを見かけますが、絶妙に上級者向けだなと思います。
ストームウェルト自体は悪天候向けの頑強な仕様として利用されていますが、意匠として取り入れられている靴を見かけるようになりました。


アウトドアやカジュアルなシーンでの利用なら取り入れやすいですが、ビジネスシューズだと難しいです。
一見すると大したデザインでは無いのですが、意味まで考えるとギャップが大きいので気軽に手を出さない方が無難です。
あえての無骨なイメージで選ぶ位の気概で取り組んで欲しいです。

ソールの種類

ソールというのは靴の底材で地面と接する部分になります。
ここの素材がレザー(革)やラバー(ゴム)で何が違うのかを解説したいと思います。
まだ著者が若い頃の話です。
ドレスシューズと言えばレザーソール一択と息巻いておりました。
ラバーソールなど邪道、合成樹脂など論外と考えておりました。
しかし、それから10年以上たち現在。
いや、ラバーソールでいいでしょどうせ減るもんだし。
レザーソールの利点?はその美しさでしょう。
未使用のソールの美しさは心奪われます。
しかし、靴は靴です。履けば減ります。
綺麗だった底面は削れてずたずたになります。
その時思うのです。見えないしゴムの方が長持ちなんじゃないの?と。
今ではどっちでもいいかなと思っています。
レザーにはレザーの良さがあり、履きたてのツルツル感や減ってきたらハーフレザーで補修するなど、エイジングを楽しむのも良いと思います。
ラバーなら長持ちするし、雨にひも安心して履けます。
何足も持つなら色々な組み合わせを試してみるのも良いのではないでしょうか?
ただ、間違っても新品のレザーソールにハールラバーを貼るような真似はやめましょう。
なんでって?勿体ないからです。

革の加工

銀面(レザーの表面)が綺麗な靴ばかりではなく、表面に加工を施した靴も色々あります。
子供の頃からの疑問でもある人も多いのではないでしょうか?
「スエードって実はなんだ?」と思っている人は少なくないでしょう。

ざらざらした表面の革といった印象のスエードですが、スエードとは革の裏側を起毛させたものです。
裏側ってなによ?といえば肉側と言えば良いでしょうか。
毛穴の反対側って事ですね。
似たようなものにヌバックというものがありますが、ヌバックは表側を起毛させた革の事です。
スエードとヌバックは表裏の違いなんですね。
他にもシュリンク加工という縮れを加えたりスコッチグレインというひび割れのような模様を入れたりします。
スコッチグレインはシューメーカーの名前にそのままなってますね。

それからガラスレザーという加工があります。
このガラスレザーは中々曲者で、この加工を施すと雨に強く、手入れをしなくても綺麗という便利な靴になります。
ただし、銀面が潰れ靴好きからすると残念な加工です。
磨く事も出来なくなるので長く使うと細かな傷や汚れが気になり、結果あまり履かなくなるという、、、、
なにより一見合成レザーのようにチープに感じるので、あまりお勧めは出来ません。

意匠について

マニアックついでに意匠についても触れておきます。
靴の意匠はどれもこれも意味がありそうで、無い、価値がありそうで無い。そんなものです。
本人だけが自己満足で感じる拘り、それがこの靴の意匠です。

ベベルドウェスト
ベベルドウェストと言うのはこばの側面を丸めてウェルトの縫い目を隠すというテキストにするとなんのこっちゃな意匠の事です。
大変な手間がかかる為、高級靴の証明のように扱われています。
実用的な意味は、あまりないでしょう。

フィドルバック
フィドルバックも高級靴の専売特許な仕様です。
ソールの真ん中を盛り上げて土踏まずに立体的な意匠を施す事を指します。

カラス仕上げ
カラス仕上げはソール面を黒く塗る事です。
カラス仕上げの靴を葬祭用に用意しておくと通な感じがします。

ヒドゥンチャネル
ソール側から見える縫い目をチャネルと呼びますが、そのチャネルを薄いレザーで隠す意匠の事をヒドゥンチャネルと呼びます。
購入時は美しいですが、よろしいですか?ソールというのは歩くとはがれていきます。
このつるりと綺麗に隠されたチャネルのレザーも歩くうちに削れ、隠したチャネルもいずれあらわになる運命なのです。

オパンケ
この実に特異な意匠はスペインのmagnaniが得意とする意匠です。
公式ではopankaオパンカになっていました。
ソールのデザインをアッパーに吊り上げるというめちゃくちゃなデザインです。
完全な趣味の領域ですね。欠点としてオールソールする際はバッサリ切らないといけないという点です。いやデザインによっては直せないって事も、、

鏡面磨きについて

皆さんは靴が輝いている人をどう思いますでしょうか?
綺麗に磨かれた靴はカッコ良いですか?
たまにピカピカに光った靴を見かけますが、あれは鏡面磨きと呼ばれる技法で磨かれたドレスシューズです。
シューポリッシュとかシューシャイナーとか丸缶とかワックスとか色々呼ばれていますが、ワックスを塗り付けて鏡のように光るまでごく少量の水で磨いていきます。
熟練のシューシャイナーによって磨かれた靴は芸術的に輝きます。

皆さんもチャレンジは出来ます。
ワックス、水、ネル生地を用意して優しくかつ永遠に塗り込めば出来るかもしれません。
難点もあります。
簡単には落とせないという事です。

シューケアを十分に経験してからチャレンジして見て下さい。

関連:お金持ちは足元を見る
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この記事を書いた人

佐藤大介

ライター

佐藤大介(さとうだいすけ)

ウルトラ金融大全局長
ウルトラ金融大全の監修を務めます。
金融リテラシーを高める為、セミナー講師として活動。
「超一流の口だけ男」と評される氏のセミナーは非常に分かりやすく、何度も受講するファンが沢山います。
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