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原油価格の推移と経済への影響

原油価格の推移と経済への影響

原油は生活に欠かせないエネルギーです。車を運転したり、電気製品を使用したりなど、さまざまなシーンで利用されています。

そんな原油なので価格には敏感になります。しかし、原油の値段や経済への関わり方を知る機会はあまりないのではないでしょうか。今回は原油価格の推移と経済への影響を詳しく解説していきます。

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原油価格とは

原油価格とは原油を取引する際の価格のことです。

原油は、油田から採掘されたままで精製されていない状態の油です。原油を精製すると、ガソリン、重油、軽油、灯油などになります。

原油価格の指標

原油の価格には複数の指標が存在します。

三大指標と呼ばれているのが、アメリカの「ニューヨーク原油先物」、イギリスの「ブレント原油先物」、そして中東の「ドバイ原油・オマーン原油のスポット価格」です。

しかし、国際的な原油取引に大きな影響力があるのはアメリカの「WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)先物取引価格」であり、今回の記事における原油価格は、このWTI先物取引価格のものを使用させていただきます。

過去の原油価格推移

原油価格がどのように経済に影響するかを読み解く前に、まず過去の長期的な原油価格の推移をみてみましょう。

引用:jpTradingViewより

昭和のオイルショック

原油価格の過去の推移として、最も注目されるのが昭和50年前後に2回起きたオイルショックでしょう。

1973年(昭和48年)に第一次オイルショックが起きました。これは第四次中東戦争が引き金となり、1バレル2~3ドルで推移していた原油価格が10~12ドルと約4~5倍に跳ね上がりました。トイレットペーパーがスーパーなどの売り場から無くなるなどのパニックが起きた出来事はあまりにも有名です。

そして1979年(昭和54年)は第二次オイルショックが起きます。この年にはイラン革命が、そして翌年にはイラン・イラク戦争が起きて原油価格は30~40ドルへと大幅に上昇しました。日本各地の夜の繁華街のネオンが早くから消えたり、テレビも深夜番組の放送が自粛されるなど「省エネ」を意識する時代となっていました。

2000年前後の価格変動

1999年には、アメリカの金利引き上げの影響から韓国などアジアの新興国で通貨危機が起こり、原油価格は9ドル台まで下がります。

しかし、2003年からのイラク戦争や、中国の経済拡大による需要増加、そしてアメリカで後のリーマンショックの元となるバブル的な好景気などによって2008年7月には147ドルまで上昇しました。ただリーマンショックによって世界的不況に陥ると2008年12月に30ドルまで急落するという乱高下を演じました。

新型コロナウィルスの影響

2020年には新型コロナウィルスが世界中に拡散され、経済活動が大きく停滞します。その影響により原油価格は同年1月50ドルだったのが3月には20ドルに、そして4月には受け渡し場所の貯蔵倉庫が満杯になる観測を受けて史上初のマイナス価格となりました。4月20日に、マイナス37.63ドルという値を付け、原油を売るためにお金を支払うという奇妙な現象が起きたのです。

原油価格のおもな変動要因

原油価格は、どのような要因で変動するのでしょうか。おもな変動要因をあげてみました。

原油の生産調整

一つ目に挙げられる原油価格の変動要因は、原油の生産調整です。モノの価格は需要と供給の関係によって決まります。原油も同様で、供給量が増えれば価格は下がりやすく、供給量が減れば価格は上がりやすくなります。

全世界の原油消費量の約35%ほどの依存度があるOPEC(石油輸出国機構)の生産調整は、原油価格に大きく影響しています。毎年、定時総会と数回の臨時総会によって生産枠についての議論があり、その内容は世界中が注目するイベントとなっているのです。

【2022年原油生産量ランキング】

順位

国名

原油生産量(千トン)

OPEC加盟国

1

アメリカ

759,460

 

2

サウジアラビア

573,092

3

ロシア

548,517

 

4

カナダ

273,983

 

5

イラク

221,310

6

中国

204,720

 

7

アラブ首長国連邦

181,117

8

イラン

176,541

9

ブラジル

163,058

 

10

クウェート

145,715

生産枠を増やすと価格は下落傾向に、そして生産枠を減らせば価格は上昇傾向となります。OPEC加盟各国は、なるべく原油価格を高値で推移させたいので大きな生産枠の増加に大きな期待はできないのが現状です。

活発な経済活動による需要拡大

経済活動が活発になると原油需要が拡大するので、品不足に向かうことから原油価格の上昇要因となります。

経済規模の大きな国の経済活動が活発になると原油価格に大きな影響を与えます。以下の表は2022年の原油消費量上位10か国と、その国のGDP順位です。

【2022年原油消費量ランキング】

順位

国名

原油消費量(千トン)

GDP順位

1

アメリカ

822,676

1

2

中国

659,170

2

3

インド

236,917

5

4

サウジアラビア

165,988

17

5

ロシア

161,461

8

6

日本

151,844

3

7

韓国

123,733

13

8

ブラジル

115,972

11

9

カナダ

98,159

9

10

ドイツ

97,268

4

引用:原油消費量 グローバルノートより

   GDP順位(IMF統計) グローバルノートより

世界経済をリードするアメリカと中国は、GDP順位、原油消費量ともに1位と2位を占めています。この2か国の経済が活発になると原油寮費量が伸びることから、原油価格は上がるないしは下支えする傾向があります。逆に経済が停滞すると原油消費量が落ちることによって原油価格も落ち着きを見せます。

今後は、この2か国の中に人口世界一となるインドがどう割って入ってくるのか、経済が拡大してくるのか注目されています。

地政学的要因

地政学的な点でも原油価格の変動が起きます。

前項でもお話したおさらいにもなりますが、過去の地政学的要因による原油価格変動を見てみましょう。

【過去の地政学的要因による原油価格変動】

年代

地政学的要因

詳細

1970年代前半

第一次オイルショック

1973年10月6日に第四次中東戦争が勃発。OPEC加盟国のうち6か国が原油公示価格の引き上げ発表。アラブ石油輸出国機構が段階的減産。アメリカなどイスラエル支持国への石油禁輸などによって数か月で原油価格が4~5倍に上昇

1980年前後

第二次オイルショック

1979年イラン革命が発生してイランが石油生産を中断し世界の石油需給が逼迫。その後、イラン・イラク戦争が勃発し原油価格が30~40ドルへ上昇

2003年

イラク戦争

2003年イラク戦争勃発。この戦争直前に、原油在庫のひっ迫懸念から一時原油価格が上昇。しかし戦争勃発後は比較的安定した値動きで推移

2022年

ロシア・ウクライナ戦争

2022年2月ロシアがウクライナを侵攻。ロシア制裁のためロシア産原油の禁輸が議論され始め、同年3月に130ドルを突破。

以上の内容を精査すると、原油生産・輸出国で戦時が発生することにより、原油生産・輸出が減少して需給が悪化し原油価格が上昇する構図となります。特に中東は宗教問題が複雑であり、たびたび戦争が勃発して原油価格に大きな影響を与える傾向にあります。

原油価格による経済への影響

原油価格が大きく変動することにより、経済へはどういった影響を及ぼしているでしょうか。過去の事例をみていきましょう。

第一次オイルショック時

第一次オイルショックによる原油価格上昇は、石炭から石油へエネルギー方針の転換を行い始めていた日本経済に大きな影響を与えました。

翌年の1974年の消費者物価指数は23%も上昇して消費は一気に冷え込みました。インフレ抑制のため公定歩合を引き上げたので、企業の設備投資が抑制されて戦後初のマイナス成長に転じ、高度経済成長の終焉を迎えることとなったのです。

電力生産も石油を使用する火力発電所を見直し、原子力発電所の整備が促進されだした機会にもなりました。ほかデパートのエスカレーター運転中止や日曜日のガソリンスタンド営業休止、飲食店や映画館などの営業時間短縮など日本経済は大きなダメージを受けました。

第二次オイルショック時

第二次オイルショックでは、第一次オイルショックの経験や反省を踏まえた経済界や日銀の対応によって第一次の時ほど大きなダメージを受けることはありませんでした。

経済界は第一次と同じように、さまざまな自粛をおこない国民もそれに対応できていたようです。そして日銀は第一次で金融政策の対応が遅れて大幅なインフレを引き起こした反省より早めの金融引き締めを行いました。これにより景気の大幅が停滞を防ぐことができたのです。

そして2度のオイルショックを通じて日本企業がエネルギー効率の転換をはかる大きな転機となり、資本効率を高めるという前向きな結果も得られる機会にもなりました。

新型コロナウィルス発生時

新型コロナウィルスが発生し世界中で猛威を振るい始めた2020年4月に原油価格は史上初のマイナス価格となりました。ウィルス感染を恐れて外出自粛といった事態となり、世界的に経済活動が止まった影響です。

その後、生産国は原油を減産することで価格はプラスに転じました。しかし、この場合は安い価格となったので経済が回り始めるということはありません。コロナ感染懸念が払拭するまでは原油価格は低迷を続けたのです。

よって原油価格が下落しても経済回復に直結しないという特例となりました。

ロシア・ウクライナ戦争による原油価格上昇時

2022年2月にロシアがウクライナを侵攻したことで、ロシアからの食料品や資源を輸入禁止したことなどにより、原油価格が大きく上昇しました。

原油価格は一時147ドルまで上昇し、世界の経済に衝撃を与えました。しかし、この時期、原油だけでなく穀物価格なども上昇し欧米各国は大きなインフレに見舞われて、消費者物価指数は約40年ぶりともいわれる高い数値となる上昇となりました。その結果、日本を除く先進国は高金利となっています。

そしてこのインフレは、ロシア・ウクライナ戦争の影響だけでなく、新型コロナウィルス感染症によって各国が金融緩和をおこない、世界各国で資金供給量が増加したことも大きく影響しています。

まとめ

今回は、原油価格の推移と経済への影響についてお話してきました。原油価格は需要と供給のバランスで決まります。

過去の原油価格の推移を見ると、原油産出国の有事による供給懸念や、主要国の経済成長が要因となって価格が上昇している場合が多いことがわかりました。

そして原油価格が各国の経済に大きく影響していることも理解できました。

原油はガソリンや電気の発電などに使用されたりなど、普段の生活や経済活動と切っても切り離せません。世界情勢などニュースで確認しながら、原油価格に注目してみましょう。

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この記事を書いた人

ウルトラ金融大全編集部

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