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三菱UFJ銀行の金利100倍アップ!その背景と預金者への影響を解説

三菱UFJ銀行の金利100倍アップ!その背景と預金者への影響を解説

三菱UFJ銀行が定期預金の金利を100倍にしたニュースが話題です。金利の大幅な変動は、私たちの暮らしや将来の計画にどのような影響を与えるのでしょうか。

この記事では、金利とはそもそも何なのか、金利の上昇は家計にどのような影響を与えるのかをお伝えします。金利が上がり続ける場合の対応策も分かるので、ぜひ参考にしてください。

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そもそも金利とは何か?

金利とは、預けたお金や借りたお金に対する「利息」の割合をパーセンテージで示したものです。銀行にお金を預けると、そのお金は他の人に貸し出されます。銀行はお金を貸した人からは利用料として利息を受け取り、お金を預けてくれた人にはお礼として利息を支払います。

また、金利は経済の状態を反映する重要な指標の1つです。中央銀行が金融政策を通じて経済を調整する際に主要なツールとして利用します。私たちの利用する銀行が金利を決める時も、金融政策は影響を与えます。

金利が経済に与える影響とは

金利は経済活動の速度を調整するペースメーカーのような役割を果たしています。

金利が高い場合、もらえる利息が増えて多くの人は銀行にお金を預けたくなります。また、ローンやクレジットカードの利用コストは高くなることから、モノやサービスへの購買意欲が抑制され、経済活動はゆっくりとしたペースになるのです。

逆に、金利が低いと銀行にお金を預けてもあまり利息がつかないため、多くの人は消費へお金を回します。融資も受けやすくなるので、家を買ったりビジネスへ投資したりする人も増えるでしょう。
これにより、景気が良くなると企業の利益が増加して新しい雇用が生まれます。
しかし、消費が増えて景気が良くなると物価が上昇し続けるため、今度は金利を上げて経済活動のスピードを遅くしなければいけません。

このように、金利は金融政策を通じて景気を冷やしたり温めたりする手段として利用されているのです。

金利が上がるメリット

実際に金利が上がると、私たちの暮らしにどのような影響があるのでしょうか。以下でメリットを3つ紹介します。

利息が多くもらえる

金利が上がると、銀行に預けている預金や国債の利息が増えます。例えば銀行に10万円を預けていて、金利が年0.002%から0.2%に上がった場合、利息は2円から200円に増えます。預ける金額が大きいほど多くリターンを得られるので、魅力的な貯蓄手段になるでしょう。

貯蓄が促進される

多くの利息を得ようと銀行へ預ける人が増え貯蓄が促進されます。金利が高いほど預けた金額に応じた利息収入を得られるため、資産形成へのモチベーションも高まるでしょう。貯めていくうちに「将来何に使うか」「いくら貯めれば老後は安心か」など貯蓄計画を立て始めます。これが人生設計を考えるきっかけとなり、お金に関する将来の不安が減るメリットにもつながります。

インフレが抑制される

インフレとはインフレーション(Inflation)の略で、モノやサービスの値段が上がり貨幣の価値が下がることを指します。例えば、500円だったパンが1,000円になると、パンの値段は2倍です。パンの値段が2倍になれば貨幣の価値は実質2分の1になってしまいます。
金利の上昇にはこのインフレのスピードをゆるやかにする効果があり、物価が上がり過ぎるのを防いでくれます。

金利が上がるデメリット

金利が上がることは良いことばかりではありません。以下でデメリットを3つ紹介します。

ローンの支払利息が増える

住宅ローンや教育ローンなど、借入に対して支払う利息が増加します。

例えば、1000万円の住宅ローンを金利1%で借りていた場合、年間の利息は10万円です。金利が2%に上がると利息は20万円になり、年間の支払いが10万円増加します。この10万円の増加によって家計に影響を受けてしまう人もいるかもしれません。

ただし、固定金利の場合は契約時の金利が適用されるので返済の途中に金利が上がることはありません。

経済成長の鈍化

金利が高くなると、消費活動や企業の投資意欲が落ち込み、経済成長のペースが鈍化するリスクがあります。企業の成長がゆるやかになることで雇用が生まれにくくなり、経済全体の成長速度が遅くなる恐れがあります。

株価の下落

通常、投資家は成長見込みのある企業へ投資します。金利の上昇によって企業の成長が鈍化すると投資対象から外れてしまい、株価が下がる可能性があります。そのため、株式を保有している人の資産価値が目減りしてしまうかもしれません。

三菱UFJ銀行金利100倍の背景とは

長らく低金利が続いていた日本ですが、日銀が金融政策の運用を見直したことにより長期金利が上昇しました。これを受けて、将来的な金利上昇を見据えて、預金を確保するために大幅な金利上昇へ踏み切ったと考えられます。

金利が上がると預金者に支払う利息は増えるため、銀行にとって不利なようにみえるかもしれません。しかし、銀行は預かったお金を企業に貸し出したり、国債を購入し運用に回したりして収益を得ています。他行より高い金利で預金を集めることは、結果として銀行の収益につながるのです。

金利動向の今後の見通し

日本の物価は上がり続けています。総務省によると、2023年9月の消費者物価指数は2020年を100として106.2でした。前月と比べると0.3%上昇しており、前年同月からは3.0%も上昇しています。物価高を抑制するための施策として、長期金利は今後も上昇することが予想されるでしょう。

長期金利の上昇は、銀行の金利にも影響を与えます。預金によって得られる利息が増えるのは嬉しいですが、一方で貸出金利も上がってローンの利息も増えてしまいます。住宅にかかる費用や教育資金など、これからまとまった資金が必要な人は早めに対策を考える必要があるでしょう。

出典:総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)9月分https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html

金利が上昇した際の対策

金利が上昇した場合、どのような対策をとれば良いのでしょうか。主な対策を3つ紹介します。

株式投資

金利が上がると、株式市場の状況も変わります。安定した配当を提供する企業の株は高金利の環境下でも魅力的です。金利が上がる時には堅実な経営を続け、安定した配当を支払える企業の株式に注目です。不確実な市場状況の中でも収益の柱となる可能性があるでしょう。

また、貨幣価値の低下には海外への投資も有効です。例えば、ドルでお金を預けていた場合、円の価値が下がってもドルの価値が上がっていれば貨幣価値は下がりません。そのため、米国株のような外国株式に投資する方法も選択肢の1つでしょう。

また、投資を行う上で「NISA」を利用すると、一定額まで運用益は非課税となります。資産形成のため金融庁が推進している制度なので、投資をする際はNISAの活用をおすすめします。

住宅ローンの繰上返済

住宅ローンの金利は3つのパターンに分類されます。

・固定金利型
・変動金利型
・固定金利特約型

固定金利型の場合は、完済するまで契約時の金利が適用されるため、金利変動の影響は受けません。変動金利型と固定金利特約型※の場合は、金利上昇による影響を受けやすいため、住宅ローンの金利が上がる前に一括で返済することを検討しましょう。全額返済は難しくても、借入額が少ない方が支払う利息の総額は減るので一部繰上返済も金利上昇対策として有効です。

また、住宅ローン控除を受けている人は、控除による節税効果と繰上返済による利息負担の軽減を比較し、繰上返済するか判断する必要があります。

※固定金利特約型とは、変動金利型をベースとし、特約期間中のみ固定金利型が適用されるプランです。更新のタイミングによっては金利が上がってしまう可能性があります。

不動産

金利が上昇すると、それに伴い不動産価格が下落する可能性があります。これは、金利が上昇することで融資が受けにくくなり、不動産の需要が減少するからです。

不動産価格が下落すれば、低価格で不動産を購入する機会が増えるため、まとまった資金を持っている場合は購入のタイミングといえるかもしれません。もし、まとまった資金がない場合は、「REIT」や「不動産小口化商品」のような少額で取り引きできる商品も有効な選択肢と言えるでしょう。

まとめ

三菱UFJ銀行の金利引き上げを受けて、三井住友銀行やみずほ銀行などの大手銀行も金利を引き上げると発表しました。今後は地銀なども金利を引き上げることが予想されます。大幅な金利上昇に備えて、適切な対策を行う必要があるでしょう。

日本企業の成長鈍化や円の価値下落への対策として、始めやすいのは株式投資です。もちろんリスクはありますが、銀行への預入とあわせて行うことによりリスクの分散が可能になります。今後はポートフォリオの形成や見直しを行い、効果的な金融戦略を立てることが金利上昇に対応するカギになるでしょう。

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この記事を書いた人

辻本剛士

ライター

辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種
独立型FPとして相談業務、執筆業務を中心に活動中。

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