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クライアントに騙されて報酬0円になった話
幼少のみぎりから、母に忍〇ま乱太郎の「きり〇」に似ていると言われ、予期せずFPになったお金大好き主婦とは、筆者のことです。
筆者、損をすることが大嫌いで、何でも疑ってかかるタイプ。
「リスクは高いけど、リターンも大きいですよ!」には、1mmも魅力を感じません。
リスク高いなんて怖すぎるやんけ、ということですね。そんな筆者も、お金で失敗したことがあります。
ライターになりたての時に、クライアントに騙されて報酬を受け取れなかったのです。あれは今でも腸が煮えくり返る思いでして、思い出すたびに「ムキィーーーー!!」となります。
1万5000円の報酬ですから、大した金額ではないと思うかもしれません。
しかし、「そういう系には騙されないぞ!」と思っていた筆者のプライドをズタボロにし、報酬が支払われないとやきもきした1か月間を考えると、500万もらっても足りないくらいの罪です。
要するに激オコなわけですが、「どうやったらこのような事態を避けられるのか」が分かったことは、唯一良かった点だと言えます。
残念ながら筆者と同様の被害は、フリーランスや副業をされる方の間ではよくあることです。フリーランスも副業も個人の仕事ですから、報酬の確保もやるべきことの一つ。
このような事件も、自分で察知して避けていかなければなりません。これからフリーランスになろうと思っている方、副業を始めようと思っている方も、避けては通れない問題です。
筆者のような失敗談も、きっと誰かの役に立つでしょう。そこで今回は、恥を忍んで筆者の苦い思い出をつづりたいと思います。
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Xデーは3年前
あれは今から3年ほど前のこと。筆者はライターとして副業を始めたばかりで、「お仕事ドンドンほしいです!」状態でした。
某クラウドソーシングサイトでお仕事を募集していたところ、「クラウドソーシングサイトでプロフィールを見た」と、直接SNSのDMでメッセージが入ったのです。
募集内容はライティングで、下記のような内容でした。
「未経験者歓迎!主婦の方もOK。最初は5000字3000円~、優秀なら徐々に報酬が上がります!単価が高い方は月20万円ほどの報酬をお約束します。」
今思うと、募集文面からは「アットホームな職場です!」「正社員登用あり」くらいのブラック感が出ています。
クラウドソーシングサイトを経由せず、わざわざSNSでやり取りをしようとする点も大分怪しいです。
しかし、当時の筆者は報酬の相場もわからず、求人DMもほぼもらったことがないひよっこだったため、そのブラックさや怪しさには気付きませんでした。
なんなら、多少ライティングをかじっていたこともあって、すぐに20万円稼げるよ!くらいに思っていたのです。また、クラウドソーシングサイトでは仕事を受注する側が手数料を払うため、支払い額が減ります。
直接契約をした方が、筆者としてもお得でした。結果、筆者は喜び勇んで応募し、無事採用。
結果、1か月間で5000字3000円×5本の、計1万5000円分の仕事をしました。
5000字を5本も書いたので、結構な労力です。
とはいえ、「すぐに単価が上がるなら、これくらいの負担は仕方ない」と、前向きに捉えていました。
まさか、報酬をもらえないだなんて思いもしなかったからです。
突如、音信不通に
報酬は仕事をした月の翌月末に振り込むと言われていたので、支払いまでには余裕があります。とはいえ、振込先も聞かれないので不安になり、筆者からクライアントに連絡を入れました。
しかし、「まだ支払い日までに余裕もあり、個人情報をもらうのは怖いので、ギリギリに連絡する」と言われます。ますます怪しいと思いつつも、個人情報を明け渡すのも怖いので、1週間ほど様子を見ることにしました。
1週間後、また筆者から催促の連絡を入れましたが、今度は返信が来ません。いよいよ怪しくなってきたぞ…と思ったところに連絡が取れなくなりました。
おそらくブロックされたのだと思います。ここで初めて、筆者は詐欺に遭ったのだと確信しました。
あまりに腹立たしかったので、無料の弁護士相談にいってみたり、消費者センターに連絡してみたりしましたが、お金と時間がかかりまくるため、いずれも解決の糸口は見えず。
結局泣き寝入りすることになったのです。
お勉強代1万5000円
それから筆者は1週間ほど、悔しいやらムカつくやらで眠れない生活を送りました。
ピザ味の厚切りポテチを食べまくっても、百貨店のお高めチョコをほおばっても、スタバの新作フラペチーノを飲んでも、全く気分が上がりません。
寧ろ報酬ももらえないのに、余計なお金を使ったことに落ち込む始末。
気になって仕方ないので詐欺クライアントを良く調べてみると、どうやらヤツは複数のSNSやアカウントを運営しており、副業を始めたばかりの主婦層を狙って詐欺を繰り返しているようでした。
筆者の他にも被害者がいることが分かり、ますます腹が立ってしまいアカウントを別に作って直接文句を言ってやると息をまいていました。
「悔しいのもとてもよく分かるが、気持ちをすり減らすのはもったいない。いい勉強になった。もう接触するのはよして、もっと前向きなことに時間を使ったほうがいい」と夫に諭されました。
その日、久々に体重計にのって現実を知ったことも幸いし、筆者はやっと我に返ったのでした。
半年ほど経った頃でしょうか。
「そういえばあの詐欺クライアントはどうしているのやら」と思い立ち、色々と調べてみました。
お陰様で、詐欺行為を繰り返した報いがきたのか、おそらく同一人物が運営していたであろうアカウントは軒並み凍結されたようです。
どうせまたアカウントを作って同じことを繰り返すのだろうと思うものの、少しだけ溜飲が下がりました。そうはいっても、今も誰かが詐欺クライアントに騙されているのだと思うと、またモヤモヤした気持ちになりますね。
タダ働きの教訓
それからの筆者は、「そんな疑う?」くらいの慎重さでクライアントを選ぶようになりました。
お陰様で素晴らしいクライアントの方々とばかりお仕事をさせてもらい、今では「この仕事やっててよかったー!!」と心から思っています。
あの失敗のおかげで、「詐欺クライアント」&「ヤバめクライアント」を選り分ける能力が身に着いたのかもしれません。
それを考えると、夫の言う通り1万5000円は素晴らしい勉強代だったと言えるでしょう。ここでは、クライアントの見分け方について共有できたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。
レスポンスが遅い
良いクライアントは全員「レスポンスが速い」傾向にあります。休みでもない限り、どうすっ転んでも当日中には返信が来ます。
なんなら、ほぼ即レスです。
これは筆者の肌感ですが、仕事ができる人は全員レスポンスが速いのが共通点でした。
逆を言うと、レスポンスが遅いクライアントは、割と危険度高めです。何事も先延ばしにする傾向が強く、やるべきことをやらない可能性があります。
仕事の優先順位もつけられていないので、急に後から「あれやってこれやって」を追加してくることもあるでしょう。時々、募集文面にちょっと強めな表現で、「レスポンスの速さを求める」的な文を載せているクライアントがいます。
そういうクライアントに限って、自分は返信が遅かったりするんですよね。ですから、募集文面に強め表現でレスポンスの速さを求める文章が書かれていたら、要注意かもしれません。
筆者はよくXをウォッチするのですが、「社訓やクレドに書いてあることは、逆にその企業ができていないことだから気をつけろ」と書かれていたことがありました。
すごく面白い視点です。筆者にも思い当たる節があります。
以前、営業で訪れた会社に、かなりでかでかと「元気よく挨拶しよう!」と掲示されていたことがありました。
でも社内の空気は明らかに重く、暗いのです。とてもじゃないけど、元気よく挨拶してくれる人はいそうにありません。
とはいえ、営業は元気が第一。
「なるほど?やってやろうじゃん」と思い、筆者はめい一杯元気よく挨拶して社内に入ったのですが、残念ながら誰も反応してくれません。
書かれていたことを実践しただけなのに、鬼スベりしたかのような地獄の空気を味わいました。すっかり心が折れてプレゼンが全くうまくいかなかったあの日のことは、今でもふと思い出すことがあります。
トラウマです。
つまり何が言いたかったかというと、「自分にできていないことだからこそ、相手に求めている可能性があるよ」ということです。
募集文面は特に、「こうだったらいいな」という希望を書くところなので、気をつけて読む必要があります。
レスポンスの遅さを判断する軸は、募集文面と、応募後の返信の速さである程度予測できるので、ぜひクライアントのレスポンスの速さを意識してみてください。
報酬が低い
報酬を高く設定しているクライアントは、ほぼ全員誠実です。これまで筆者は、高めの報酬を設定しているクライアントで、不誠実な方に出会ったことは一度もありません。
高い報酬を払えるクライアントは色んな意味で余裕があり、相手も優秀なことが多いです。実力に見合った報酬を与えておいた方が、クライアントにとってもリスクが低いのでしょう。
もちろん、自分の実力が見合わなければいけないという側面もありますが、相場よりも低い報酬を提示してくるクライアントは総じて危険度高めです。
応募者の足下を見て割と横暴な要求をしてきたり、指示内容もあいまいで分かりにくかったりするなど、大いなるストレスを抱えることがあります。
一方で、報酬が高いクライアントは求めるレベルも相応に高いので、必死に背伸びしながら頑張らなくてはなりません。
甘えが許されない環境に身を置かなくてはいけないので、ちょっと大変です。ただ、自分も大いに成長します。
そういう意味でも、報酬の高いクライアントに応募するのは、大きなメリットがあると筆者は思います。
報酬が低いから採用されやすいだろうと高を括ると、後で痛い目を見ることがあるので、報酬の高低も意識しながら応募先を探しましょう。
募集文面があいまい
募集文面にあいまいなことしか書けていないのは、クライアントがどのような仕事にどれくらいの報酬を払わなくてはならないか、理解できていないことを意味します。
もしくは、あえて詳しく書いていないかのどちらかです。前者の場合は、仕事の全容が見えていないため、後々クライアントが予想していなかった仕事が発生しまくります。
そもそも予想できていないので、予算はもちろん確保できていません。余分に発生した仕事を、タダでやらせようとすることも十分あり得ます。
後者の場合は、自分の都合のいいように応募者を動かしたい意図が透けて見えます。がめついうえにずる賢いので、注意が必要です。
応募者側が毅然とした態度を取らないと、労働力を搾取されまくるのに報酬が低いという、最悪のループにはまるでしょう。
副業やフリーの仕事は時間給でないことが多いので、長時間労働すれば沢山のお金を稼げるという訳ではありません。ですから、少しでも効率的に稼げるようにするためには、募集文面があいまいなクライアントを避けるべきです。
こればっかりは職種にもよるため、同じ職種の募集文面を出来るだけ多く読み込み、よく比較してみてください。
まとめ
今も、副業やフリーの仕事を始めたばかりの方が、「報酬が払われない」と嘆く姿をXでよく見かけます。
時には、割とベテランの方でも、報酬で揉めることがあるので、報酬払う払わない問題は根深いものなのだと実感させられる今日この頃です。
「結局人は、相手が誠実かどうかで仕事を決めるべきだと思う」と、筆者が尊敬していた先輩が言っていました。
フリーライターになってみて、筆者もそれを痛感しています。
人は鏡です。
相手にレスポンスの速さを求めるなら、まず自分がレスポンスを速めるべきだし、相手に誠実さを求めるなら、自分が誠実でいる必要があります。
「ということは、今素晴らしいクライアントに恵まれている筆者は、自分も素晴らしいのでは!?」と、今さら気づいてしまったわけですが、よくよく考えてみると筆者は鬼ほど運がいいので、運のよさのおかげかもしれません。
運がよくてよかったです。
これからもこの運のよさが続けられるよう、毎日粛々と、真面目に、誠実に頑張っていく所存であります。失敗は、人を賢く、そして強くします。
そうはいっても、出来ればお金の失敗はしたくないものです。筆者も、自分と同じような手口で報酬が支払われないと嘆く方を、1人でも少なくしたいと思っています。
だからこそこの文章が、フリーランスになろうと思っている方、副業を始めたいと思っている方のお役に立てたら幸いです。
あなたの道の前に転がる石ころが、少しでも減らせますように。
ウルトラ金融大全が動画で見れる!
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この記事を書いた人
ライター
齋藤佑美(さいとうゆみ)
複数の大手メディアでコラムを執筆する2児の母。
FP上位資格のAFP、生命保険協会認定FP資格であるTLC取得。
女性に寄り添ったコラムが好評を得、週刊女性にて記事の監修を行う。
お金の知識や現場の体験を踏まえた記事に定評がある。
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