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不動産

「残価設定型」住宅ローンをわかりやすく解説

「残価設定型」住宅ローンをわかりやすく解説

残価設定型住宅ローンとは?

従来の住宅ローンに返済額軽減オプションと買取オプションの2つのオプションを追加した住宅ローン商品です。住宅ローン期間終了時に以下の選択肢から選ぶことができます。

これは、最終返済時まで据え置く住宅ローンで、住宅価格を除く借入残高を契約月数で割って返済するローンです。

・リバースモーゲージ型住宅ローン(死亡時に担保物件を処分して残債務を返済する住宅ローン)への借り換え
・家を売って完済する
・自己資金で家を購入し、ローンを全額返済する
・80歳になるまで残りの住宅ローンを借り換える

例として、公益財団法人移住・移住支援機構(JTI)の制度を利用して、三菱UFJ銀行が2023年春からの提供開始を利用することで、リバースモーゲージ型の住宅ローンに転換し、月々の返済額を軽減することができます。死亡時に財産は処分され、ローンは一括返済されます。

使用後はJTIなどが物件を買い取るため、ローンを残さずに移転できます。「JTI買取オプション」はご契約時または「返済額軽減オプション」ご利用後にお申込みいただけます。

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政府が残価重視型住宅ローンを推進する背景

一般的に建物は土地に比べて資産価値が下がりやすいと言われています。経年劣化があるためです。
しかし、物件を長く住み続けるために劣化を防ぐ対策を講じれば、物件の価値を維持することができ、残存価値は高くなります。一般的な住宅の場合、時間の経過とともに資産価値は下がっていきます。
しかし、長期品質認定住宅の場合、定期的なメンテナンスにより資産価値を維持することができ、残価を高く設定することが可能です。結果的に月々の支払額が安くなります。

国土交通省が民間事業者と連携して2021年度から始まりました。政府は、空き家問題の解決と既存住宅の再生を主な目的として、これらの不動産の開発・活用を推進しています。

長期優良認定住宅など自己資本の高い住宅は残価が高く、月々の返済負担が大幅に軽減されます。一方で、資産価値が低い住宅は残存価値が低くならざるを得ず、返済負担軽減の効果も限定的です。

住宅資産価値の推移イメージ

ちなみに、JTIの残価設定は現在、長期優良認定住宅のみに適用されています。

政府は、こうした資産性の高い住宅のメリットが認められれば、長期優良住宅を建てる人が増えると期待して、残価設定型住宅ローンを推進しています。

残価設定型住宅ローンのメリット

将来的には残価型住宅ローンが主流になるかもしれませんが、そのメリットは何でしょうか?

残価での買取保証

一つの大きなメリットは、家を売却したのにローンが残っているという事態を避けられます。

買取価格は低くなる傾向にあります。ローン期間中に住宅を購入すると、中古住宅として販売するよりも価格が安くなる可能性があることに注意してください。

ライフスタイルに合わせて柔軟に住まいを選べる

従来の住宅ローンでは、基本的に返済期間中は一定額を返済し続ける必要があります。住宅を途中で売却したとしても、資産価値が下がってしまうと全額返済できずローンが残るリスクがあります。

つまり、定期的な住宅ローンは継続的に一定の収入があり、購入した住宅に住み続けることを前提に作られていると言えます。

期間終了後も選択肢から選ぶことができます。「住み続けてもいいし、引っ越してもいい」自分のライフスタイルに合わせて柔軟に住まいを選べるのが魅力です。

収入減のリスクに備える

高齢者の雇用確保の必要性から、60歳前後で退職を義務付け、その後は再雇用する企業が増えている。役員には55歳程度で「定年」があり、それを過ぎると役員手当がもらえなくなるのが一般的です。

30歳で35年の住宅ローンを組んだとしても完済は65歳になるため、55歳以降に収入が減少すると住宅ローンの返済が家計を圧迫するリスクがあります。

残価設定型ローンの返済額を軽減するオプションは、55 歳以降の収入減少リスクに備えることができます。

通常の住宅ローンと比べて月々の返済額が軽減

貸出期間終了後は、先ほど説明した選択肢からどのように処理するかを決める必要があります。通常の住宅ローンとは返済方法が異なり、借りた金額は最終的には返済しなければならない点に注意が必要です。

残価設定型住宅ローンのデメリット

残価設定型住宅ローンは将来のライフスタイルにマッチすると考えられますが、以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。

住宅のメンテナンスには時間と費用がかかる

資産価値の高い住宅は残存価値が高いため、特に長期優良住宅は賃貸でも高い利回りが期待できます。

ただし、長期優良住宅には10年に1回、30年で3回以上の検査が義務付けられています。 認定計画に沿った継続的なメンテナンスが必要となるため、一般住宅に比べて手続きやメンテナンス費用が高額となる点に注意が必要です。

住宅ローンの満期後は新たな資金が必要

融資期間終了後に選択肢があることをご紹介しました。ただし、どちらのパターンでも新たな資金が必要になることに注意が必要です。

住宅を購入するには自己資金が必要ですし、住宅ローンの借り換えをすれば毎月支払いを続けなければなりません。家を売却して新しい家を探す場合には、新しい家の購入費やその他の費用を計算する必要があります。

ニーズに応じて計画的に資金を準備していくことが大切です。

住宅ローンを借り換えて80歳までに残債を完済した場合、通常の住宅ローンを組んだ場合よりも総支払額が高くなる可能性があります。月々の負担は軽減できても、総額の負担が大きくなる事には注意が必要です。

また、多くの住宅ローンでは返済時の年齢上限が80歳となっています。健康状態や経済状況によっては住宅ローンの借り換えができなくなったり、今の家に住み続けたくても売却せざるを得なくなるリスクがあります。

残価設定型住宅ローンがおすすめな方

残価型住宅ローンはライフスタイルに合わせてさまざまな選択肢から選べるメリットがある一方、セカンドライフに向けて新たな資金を準備する必要があるなどのデメリットもあります。

メリットとデメリットの両方を考慮しましょう。

現在の家を継ぐ人がいない人

通常の住宅ローンでは、ローンを完済した後は、自分で売却しない限り不動産は手元に残ります。所有者に住宅を相続する人がいない場合や、住宅の相続権を有する子供に住宅を相続する意思がない場合、所有者が死亡すると空き家となります。

残価設定型住宅ローンでは、ご自身の死後に購入オプションが発動するため、相続する人がいなくなっても空き家のまま自宅を購入することができます。

自宅の相続が心配な方は、残価設定型住宅ローンの利用を検討してみるのも良いかもしれません。

年金受給年齢に達しても住宅ローンを払い続けている人

退職後も住宅ローンの支払いが必要な人にも残価型住宅ローンはおすすめです。

一般的に「近隣地域で同規模の賃貸住宅を借りる場合の想定家賃相場の2分の1以下」となるように設計されており、通常の住宅ローンとは異なります。基本的には一生続けることになりますが、月々の返済額を大幅に減らすことができます。

例えば、70代になっても一定期間は支払いを続けなければなりません。こうした方々は、残価設定型住宅ローンを利用することで、将来の老後の月々の返済負担を軽減することができます。

「持ち家と賃貸のいいとこ取りをしたローン」

残価型住宅ローンは、好きなようにリフォームできるという持ち家感覚の特徴があります。 また、賃貸物件に住むことで、住み替えの自由度が高くなったり、月々の支払い額が安くなったりするなどのメリットもあります。

このような特徴を考慮すると、賃貸の自由度も重視したい人に適していると言えます。

残価はこんな人に効果的!

家は欲しいけど、家に縛られたくない! …一定期間所有できる家が欲しい。

買取オプションの場合は、退去さえすれば残価設定月の翌月以降にローンが免除されます。
退去時は賃貸住宅と同じです。 これにより、残価を設定した月以降の任意の日まで住宅を所有する「定期所有権」が実現します。
定期所有権は「長期賃貸」に似ていますが、オプションを行使しない限り、住宅を所有していることになるため、賃貸に伴う制限はありません。
価格が上昇すれば売却できますし、少なくともオプション行使前にローンは団体信用生命保険でカバーされます。 もちろん、オプションを行使せずにローンを全額返済して「永久所有権」にすることも可能です。

一方で、親が家を相続する頃には、子供も60歳前後になる可能性が高くなります。 お子様が亡くなった際に住宅を相続する意思がない場合には、JTIがローンとともに住宅を引き継ぎ、次世代に引き継ぎ、空き家の発生を防ぎます。

終身雇用制度が崩壊し、リモートワークが常態化する中、30代で「終の棲家」を購入し、子供たちに引き継ぐ時代は過去のものとなった。 これからは「定期所有」が可能かどうかが住宅選びの重要な要素になるでしょう。

転職、退職、再就職、年金生活…将来の収入減少に備えたい!

返済軽減オプションを利用すると、亡くなるまでマイホームに住み続けられます。
残価設定月以降のローン返済額が大幅に軽減できますので老後生活の負担を圧迫しません。
公的年金だけで老後の生活を送る事はかなり厳しいです。
退職後にローンを返済しながら生活するとなるとその負担は益々大きなものになるでしょう。

60代、70代の現金支出を削減できるかどうかは老後の安心に直結します。
住み替えを選択した場合も上記のように賃貸運用で余剰資金を生み出すことができます。

もちろん、生活が順調でこの期間に住宅ローンを一気に完済できる人もいるでしょう。しかし、平均的な会社員にとって、退職後のローン返済負担を軽減できる選択肢を確保することは重要と言えるでしょう。

今後は老後の住宅ローン返済負担を軽減できるかどうかが住宅選びのコツになります。

まとめ

残価設定型住宅ローンを検討しながら、通常の住宅ローンとどう違うのかをシミュレーターで確認してみましょう。

最近では政府の推進もあって徐々に普及し始めています。残価型住宅ローンは、人生100年時代のニーズに応える住宅ローンであり、今後主流となる可能性があります。

「住宅を売却したい」など、さまざまなライフスタイルに合わせて柔軟にご利用いただけます。このメリットは大きいと言えるでしょう。

ただし、利用する際にはメリットだけでなくデメリットも考えましょう。

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この記事を書いた人

ウルトラ金融大全編集部

ライター

ウルトラ金融大全編集部(うるきんへんしゅうぶ)

ウルトラ金融大全編集部です。
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