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資産運用
株式投資初心者がやってはいけないこと6選!
これから株式投資を始めようと思っている方は、どのように投資していく予定ですか?
株式投資は自分の資産を増やすために有効な手段ですが、よく考えずに投資すれば、大事な資金を失ってしまうかもしれません。
そこで今回は、株式投資初心者がやりがちだけれど、やってはいけないことを紹介します。
資産運用で大きな失敗を避けるためにも、正しい投資方法を理解しておきましょう。
目次
株式投資初心者がやってはいけないこと
株式投資初心者の方は、以下のことをやらないように注意しましょう。
・一度にまとまった金額を投資する
・どれだけリスクを取れるかを考えない
・経済を予測しようとする
・よく知らない銘柄を買う
・インフルエンサーやマスコミの情報を鵜呑みにする
・短期で成果を求める
これから詳細を説明します。
一度にまとまった金額を投資する
投資初心者の人でも、投資資金が100万円の人もいれば、5000万円の人もいるでしょう。
投資資金は人それぞれですが、「まとまった金額を一度に投資しない」という意識が大切。
なぜなら、投資するタイミングを分散させないのは非常にリスクが高いからです。
運よく買った瞬間に値上がりすればいいですが、まとまった金額を使ってから下落局面に陥ると、長期的に含み損をかかえたり、メンタルが落ちてしまったりする場合があります。
そのため、投資資金の大小に関わらず、まずは少額から投資を始め、
・どういった場面で株価が下落するのか
・どれくらい株価が上下するのか
といったことを把握し、株価の値動きに慣れることが大切です。
どれだけリスクが取れるかを考えない
投資を始める前に考えておきたいことが、「リスクの許容範囲」です。投資で失敗し、お金に困窮してしまう人がいるのは、許容できるリスクを把握していないからと言えるでしょう。
投資資金が100万円の人と、5000万円の人では、許容できるリスクも異なります。たとえ投資資金が同じでも、どれだけ含み損に耐えられるのかは人それぞれ。
これから投資を始めるさいは、
・どれだけお金を失っても大丈夫か
・メンタル的にどれだけの下落に耐えられるか
といったことを考慮しましょう。
【経済を予測しようとする】
SNSや経済メディアでは、為替や株価の予測をしている人を大勢見かけます。しかし、本当に予測ができるなら、経済学者や経済新聞の記者は、とっくに株で大金持ちになっているのではないでしょうか。
意識しておきたいことは、「明日の株が上がるか下がるか等は誰にも予測できない」ということです。全米No1ファンドマネージャーとまでいわれた株式投資界の伝説的人物であるピーターリンチ氏は、以下のように断言しています。
“最初に経済を予測する。それは全くの時間の無駄。誰も株式市場を予想することは不可能。
3回政策金利を当てることができるなら、大富豪になっているよ。大富豪がたくさんいないということは、政策金利を当てられてないということ。投資家で大富豪はそんなにいないし、誰も経済を予測できていないということ”
投資界では伝説的な存在となっている人が「経済を予測するのは不可能」と言っているのに、投資初心者が経済を予測することは到底無理なはずです。
「そもそも経済は予測できるものではない」という意識を持っていることで、ささいなことで動揺することは少なくなるでしょう。
インフルエンサーやマスコミの情報を鵜呑みにする
インフルエンサーやマスコミの情報を鵜呑みにして、自分の頭で考えないのはおすすめできません。
マスコミやインフルエンサーの情報に振り回されていては、株を無駄に売ったり買ったりすることになり、結果的には利用されて損する場合がほとんどです。
新聞、テレビ、雑誌、YouTubeに情報というのは、既に多くの人が知っています。マスコミで注目されている銘柄は既に高値のピークを迎えており、そこが天井サインであったというケースも少なくありません。
周りの情報に流されずに投資を続けていくためには、正しい知識を学ぶことと、自分なりの信念を持つことが必要不可欠。「誰が何と言おうと、投資は自己責任」という意識を忘れないでください。
銘柄をよく知らないまま買う
銘柄をよく調べないまま買うと、狼狽売りする原因となります。
ちょっと株価が下がったからといって、すぐに売ってしまうということは、「投資している会社を信用できていない」ということです。
特に個別株に投資する場合、「会社のビジネスモデル」「財務諸表」「決算結果」「将来性」など、さまざまな情報を集めてから投資するべきです。
たとえ個別株でなく、ETFや投資信託を買う際も、どんな銘柄が集まって構成されているかは確認しておきましょう。
そもそも個別株で市場平均を上回る成績を残すのは難しいですが、それでも個別株に投資するのであれば、「自分が良く知っていて、その会社の製品やサービスをよく利用している会社の株」を、小額から買ってみるのがおすすめです。
短期で結果を求める
投資というと、「短期で株を売り買いして儲ける」というイメージを持っていませんか?
株式投資において、1日に何度も売り買いをする「デイトレーダー」と呼ばれる人も存在しますが、厳密には「投資」ではなく「投機」です。
そもそも、投資は「長期的な期間を要するもの」ということを理解しておきましょう。
株式投資を続けていると、「ITバブル崩壊」「リーマンショック」「コロナショック」など、いくつかの暴落局面に陥ることもあります。
しかし、金融庁のつみたてNISA解説資料によると、長期的な分散投資をした場合、20年間(2001年1月~202年12月)継続して投資をした場合、ほぼ100%の確率で含み益になるというデータが公開されています。(毎月1万円積み立て、投資総額240万円、全世界株式624、万円、日本株式503万円)
このことからもわかるように、株式投資というのは、「株価が上がったり下がったりしながらも、長期的には上昇していく」というイメージを持つことが大切です。
株式投資においても、「継続は力なり」という言葉を意識しておきましょう。
初心者はインデックスファンドがおすすめ
これまで説明したことをふまえると、投資初心者はインデックスファンドを少額から始めてみることをおすすめします。
インデックスファンドとは、市場全体の動きを表す代表的な指数に連動した成果を目指す投資信託のことです。国内であれば、「日経平均株価」、米国であれば「ニューヨークダウ」が代表例として挙げられます。
そしてインデックスファンドには、以下のようなメリットがあります。
・個別株よりリスクが低い
・決算結果や財務状況を考えなくてもいい
それぞれ詳しく解説します。
【少額から始められる】
個別株を買おうと思った場合、1単元購入するにも数十万円かかる銘柄も少なくありません。
しかし、インデックスファンドをはじめとする投資信託は、100円という少額から始められるのがうれしいポイント。
もちろん投資資金が潤沢なことに越したことはありませんが、初心者に大切なことは、「とにかく投資を始めること」
少額でも投資を始めることで、自然と経済に関するニュースに興味を持つようになるでしょう。
【個別株よりリスクが低い】
個別株の場合、企業が倒産して株価が0になってしまったり、企業の不祥事で思わぬ暴落に陥ったりするリスクもあります。
しかしインデックスをはじめとする投資信託は、複数の銘柄を集めた商品であるため、倒産リスクがないのが魅力。
値動きの変動も個別株よりは小さく、精神的にも安心して投資できるというメリットがあります。
【決算結果や財務諸表を考えなくていい】
初心者の方であれば、「投資にそこまで時間をかけたくない」と思うのではないでしょうか。個別株を購入する場合、「会社の財務状況」「決算結果」「将来性」などを加味する必要があるため、複数の銘柄をチェックするとなると、それなりに時間がかかってしまいます。
それに対しインテックスファンドであれば、財務状況や決算結果などは気にする必要がなく、1つの投資信託を買うだけで分散投資ができるのです。
そのため投資に時間と労力をかけたくなければ、インデックスファンドをひたすら買い続けていくことをおすすめします。
インデックスを上回る結果を残すのは難しい
これから投資を始めようと思っている方であれば、株で何十倍というリターンを期待しているひとがいるかもしれません。
しかし、市場平均を上回る目的リターンを目指すアクティブファンドでも、インデックスファンドを上回る成績を残せているのは2割程度にしか過ぎないのです。
プロのファンドマネージャーでさえ市場平均を上回る成績を残すことは難しいのですから、投資初心者であればもっと確率が低くなるのは想像に難くないでしょう。
筆者自身も、市場平均を上回るために本を数十冊と読み、さまざまな投資手法を試みましたが、市場平均を超える成績は残せませんでした。
筆者に限らず「インデックス以上に利益を出したい!」と思う方も多いかと思いますが、個別株で痛い思いをしたからこそ、インデックスファンドの良さを再確認するようになるはずです。
まとめ
今回は、投資初心者がやってはいけないことを紹介しました。かなり現実的な内容であるため、落胆した方もいるかもしれませんが、投資は楽して短期間で儲けられるものではありません。
投資で成果を残すには、リスクの許容範囲を理解し、大きな失敗を避け、長期的な視点を持つことが大切。
投資はとにかく続けていくことが大切です。途中で挫折することがないように、今回紹介したことを意識して投資をはじめてみましょう。
この記事を書いた人
ライター
山本峻(やまもと しゅん)
金融にまつわる記事を得意とするライター。
経験に基づいた執筆を心掛け、中身のあるコラム作りに定評がある。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
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