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不動産
アメリカ不動産投資はなぜ人気?初心者でも取り組める方法
世界一の経済大国であるアメリカは、人口増加を続けていることから不動産投資にも根強い人気があります。アメリカの不動産投資と聞くとハードルが高いように感じられますが、実は日本国内から投資することも可能です。本記事では、アメリカの不動産投資が注目される理由や注意点、投資する方法について解説していきます。
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目次
1.アメリカの不動産投資はなぜ根強い人気がある?
アメリカの不動産投資が長い間人気を集めているのには、主に次のような理由があります。
・人口増加で住宅需要が見込める |
それぞれくわしく解説していきましょう。
理由①人口増加で住宅需要が見込める
すでに人口が減少に転じている日本では、今後不動産市場が縮小していく懸念があります。地方では空き家問題も深刻化しており、今後不動産投資を行う際はこれまで以上に立地条件を吟味しなければなりません。
一方、アメリカは積極的に移民を受け入れていることから、先進国の中では珍しく人口増加が続いている国です。人口が増加すれば自ずと不動産の需要も増加するため、アメリカの不動産市場は大きな値崩れが起きにくい安心感があります。
理由②不動産所有に関する外国人規制がない
アメリカの不動産は、外国人による購入・所有に規制がないことも特徴です。
たとえば、社会主義国のベトナムでは、すべての土地は国民のものだとされており、一個人が土地を所有することができません。その他にもマレーシアでは、外国人による不動産取得の最低価格が定められるなど、規制が設けられている国も多くあります。
一方、アメリカの不動産取引は外国人にも広く開放されているため、規制を気にせず自由に投資ができるメリットがあります。
理由③日本に比べて地震リスクが低い
日本で不動産投資を行う際、大きなハードルとなるのが地震による災害リスクです。地震大国である日本は、大きな災害によって不動産の価値が著しく下落してしまうリスクを無視できません。
一方、アメリカはハリケーンによる災害リスクを考慮する必要はあるものの、地震リスクについては日本ほど高いとはいえません。
「不動産投資に興味があるけど、日本は地震のリスクが怖い」と考えている人は、アメリカの不動産を検討するのもひとつの方法です。
理由④日本の金融機関で借り入れが行える
不動産の現物投資では、物件の購入費用を金融機関から借り入れることが一般的です。しかし、取引のないアメリカの現地金融機関から融資を受けることはあまり現実的ではありません。慣れない英語で借り入れ手続きを行うことに不安を感じる人もいるでしょう。
そこで多くの人が利用しているのが、日本の金融機関からの借入です。日本の金融機関の中には、外国の不動産投資を目的としたローン商品を取り扱っているところがあります。普段から利用している金融機関で借り入れができる点は、投資家の安心感にもつながるでしょう。
2.アメリカ不動産投資で知っておきたい注意点
アメリカの不動産投資にはさまざまな魅力がある一方で、次のような点を理解しておく必要があります。
・金利上昇による影響を受けやすい |
それぞれくわしく解説していきましょう。
注意点①金利上昇による影響を受けやすい
不動産市場は金利と密接した関係があり、特に金利が上昇する局面では不動産市場にネガティブな影響を与えやすくなります。金利が上昇すると金融機関の住宅ローン金利も上昇し、住宅の買い控えが起こるためです。
アメリカでは、コロナ禍における金融緩和からすでに引き締めに転じており、住宅ローンの金利は7%を超えています(2023年8月現在)。今後さらに金利引き上げが行われれば、不動産市場にさらに影響を与えることもあるかもしれません。
アメリカの不動産に投資をする際は、金利動向にも注視するようにしましょう。
注意点②まとまった投資資金が必要
これはアメリカの不動産投資に限ったことではありませんが、不動産の現物投資では物件の取得のためにまとまった資金が必要となります。多くは金融機関からの借入金でまかなうケースが一般的ですが、いきなり大きな借入金を背負うのは抵抗を感じる人も多いでしょう。
借り入れによって投資資金をまかなう場合は、「収支バランスが崩れないか」、「返済計画は現実的か」といったことをしっかりと確認することが大切です。
また、投資先の家賃収入を返済に充てる予定の場合は、空室が続いたときの資金繰りについても考えておきましょう。
注意点③税制改正で節税効果が薄れた
富裕層の間では、海外の不動産投資を節税対策として活用する例も多く見られました。海外の中古不動産に投資すると減価償却を計上できるため、日本の所得と損益通算することが可能であったためです。
しかし、2020年に行われた税制改正により、この損益通算が認められなくなりました。2021年度以降の確定申告では、海外の中古不動産投資で生じた損失のうち、減価償却に当たる部分はなかったものとして扱われるようになっています。
節税目的でアメリカの不動産投資に取り組むことを検討している人は、その効果が薄れていることをきちんと理解しておきましょう。
注意点④投資エリアを選定する必要がある
不動産投資では、物件の立地条件を吟味することが大切です。特にアメリカは広大な土地があり、州によって不動産の需要や価格、災害リスクも大きく異なります。
不動産の投資先を選定するときは、アメリカの不動産事情を踏まえたうえで自分の投資意向に合うものを選ぶようにしましょう。
注意点⑤日本・アメリカどちらでも確定申告が必要
アメリカの不動産を所有する場合、日本だけでなくアメリカでも確定申告を行わなければなりません。もちろんアメリカでの確定申告は英語で行いますので、語学に自信がない人にとっては煩雑な手続きとなってしまいます。
日本・アメリカでの確定申告を円滑に進めるためには、アメリカの税務にくわしい税理士を見つけることがおすすめです。確定申告は不動産を所有する限り毎年行う手続きとなるため、現物投資をする際はその労力についても考慮しておきましょう。
3.アメリカの不動産投資を始める方法
アメリカの不動産投資には、現物投資以外にもREITやETFなどいくつかの種類があります。ここからは、アメリカの不動産に投資する4つの方法を紹介していきます。
現物投資
現物投資は、実際にアメリカの不動産を購入して所有権を得る方法です。現物投資は家賃収入によるインカムゲインと、売却によるキャピタルゲインの2つの収益を狙えるメリットがあります。
多くはアメリカの不動産投資を専門とするエージェントに仲介を依頼し、手続きを進めることが一般的です。エージェントでは専門スタッフによって手続きのサポートを受けられるため、語学に不安がある人でもスムーズに手続きを進められます。
しかし、物件の取得に大きな費用が必要になる点や、日本とアメリカ両国で確定申告が必要になる点など、初心者にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
REIT
REITとは投資信託の一種で、投資家から集めた資金をもとに不動産投資を行い、そこから得た収益を分配金として還元するものです。REITの中にはアメリカの不動産を投資対象としたものがあり、間接的にアメリカの不動産市場へ投資することができます。
現物投資のように所有権は与えられないものの、アメリカの不動産市場の成長による恩恵を受けられるメリットがあります。REITは分配金を積極的に出すことも特徴ですので、「定期的な収入源を作りたい」という人にも向いている金融商品です。
また、REITはNISAを活用して投資することもできますので、非課税で投資できることも大きな魅力です。
ETF
ETFとは「上場投資信託」のことで、株式と同様に市場でリアルタイムで売買できる投資信託です。ETFにはさまざまな種類がありますが、中には不動産に関連する指数をベンチマークとしているものもあります。
ETFやREITは、少額から投資できることも大きな特徴です。最低投資額は証券会社によって異なりますが、ワンコインから投資できる証券会社もあります。
「アメリカの不動産投資に興味があるけど、いきなり現物投資はハードルが高い」という人は、まずREITやETFで少額投資から始めてみるとよいでしょう。
不動産投資型クラウドファンディング
アメリカの不動産投資は、「不動産投資型クラウドファンディング」を利用する方法もあります。不動産投資型クラウドファンディングとは、投資家から集めた資金をもとに不動産を取得し、そこから得た収益を還元する金融商品です。
REITとよく似た仕組みの商品ですが、不動産投資型クラウドファンディングはREITのように日々の価格変動がないことが特徴です。不動産投資型クラウドファンディングはあらかじめ満期が決められており、原則途中で解約することはできません。
「日々の値動きを気にしたくない」、「期間を決めて運用したい」という人は、不動産投資型クラウドファンディングを検討してみるとよいでしょう。
4.まずは少額からアメリカの不動産投資を始めてみよう
アメリカは今後も人口増加が見込めることから、不動産投資に根強い人気があります。アメリカでは不動産所有に関する外国人規制がないため、日本にいながらアメリカの不動産を購入することが可能です。
ただし、いきなり大きな借り入れを背負うことに抵抗がある人もいるかもしれません。そんな人にはETFやREIT、不動産投資型クラウドファンディングなど少額から投資できる金融商品がおすすめです。
これらの金融商品は現物の所有権は与えられないものの、少額から気軽に投資を始められるメリットがあります。ETFやREITはNISAの対象商品でもありますので、非課税制度を利用しながら投資を検討してみるのもよいでしょう。
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この記事を書いた人
ライター
椿 慧理(つばき えり)
銀行を10年間勤務し経験を通じて得た金融知識を活かし、金融ライターとして独立。
金融商品やマーケットの解説、税制解説など初心者にも分かりやすい記事を手掛ける。
自らも12年の投資経験を持ち、国内外株式、投資信託、暗号資産を運用中。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、内部管理責任者
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