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貯蓄
お金の機能は3つ!日常生活で使う4つの使い方もあわせて解説
「お金は、何のために使われるのでしょうか。」などと質問した場合、あぜんとされるかもしれません。では、お金の役割ともいえる機能について理解できているでしょうか。
「お金は使うもの」や「お金は貯めるもの」という答えだけでは、機能の理解は不十分です。お金は3つの機能を持っています。
- 価値保存
- 交換
- 価値尺度
簡単に言うと、保存機能と交換機能、尺度機能ですね。この3つがお金の機能と言われています。
この記事は、お金の機能について一般社団法人全国銀行協会(以下全銀協)の情報から深掘りしてみました。お金の使い方について再認識する機会となれば幸いです。
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目次
お金の役目となる3つの機能
お金には、3つの機能があります。人は、知らず知らずのうちに3つの機能を活用しています。全銀協では、その機能について解説していました。
価値保存
全銀協では、一般的にお金を手に入れてそのまま保存しておく状態を価値の保存と示しています。お金を家に置くことも、財布にしまっておくことも保存期間に関係なく価値の保存とのことです。
参照元:※1
価値保存は、蓄えることで富を得る考え方ではないでしょうか。持っているお金を使わなければ、間違いなく残ります。入ってくるお金をその都度蓄えていけば、着実に増えます。
ただし、人は日々の生活を送らなければなりません。生きていればおなかも減るし、暑さや寒さをしのぐための対策が必要です。そのため、生活はお金を使わざる負えないようにできています。
価値保存でお金を蓄えることは可能ですが、日々の生活にかかる出費のほうが多ければ、お金は増やせないでしょう。
交換
全銀協の「お金の交換機能」でのたとえ話は、お金が通貨として使われる以前の物々交換の話です。お金が使われる前は、「魚はあるけれどお肉がない人」と「お肉はあるけれどお魚がない人」の間で相互に需要と供給が成立し物々交換は成立します。
ところが、片方の人が「お肉はあるけれどお魚は欲しくない人」だった場合は、交換が成立しません。もしかしたら、「お魚ではなく野菜が欲しい」という場合もあります。人の都合はさまざまです。交換だけで成立させようとしたら無理があります。
- Aさん「お魚は余るほどあるがお肉がなくて困っている」
- Bさん「お肉は余るほどあるが野菜がなくて困っている」
- Cさん「野菜は余るほどあるがお魚がなくて困っている」
- Dさん「果物は余るほどあるがお肉もお魚も野菜も欲しくない」
上の例では、それぞれの需要と供給が一致しないため、1対1の交換が成立しません。このような交換の問題を解決するアイテムが「お金」です。お金により次のような解決が実現します。
- Aさん「余っているお魚をお金と交換(売る)して、そのお金とお肉を交換(買う)」
- Bさん「余っているお肉とお金と交換(売る)して、そのお金と野菜を交換(買う)」
- Cさん「余っている野菜とお金を交換(売る)して、そのお金とお魚を交換(買う)」
- Dさん「余っている果物とお金を交換(売る)して、そのお金を蓄えておく(保存)」
互いの交換(決算)は成立しませんが、お金を介することでお金に見合った欲しいものが手に入れられます。この交換機能こそが、お金の基本的機能とのことです。
参照元:※1
価値の尺度
先ほどの交換機能だけでは、お金を適正にあつかえません。そこで必要となる機能がお金の「価値の尺度機能」です。全銀協では、価値の尺度のことを「価値を決める物差し」と表現しています。
たとえば、先述した例のDさんが蓄えておいたお金とお魚を交換したとします。果物と交換したお金でお魚を手に入れたときに、「得をした」と思えばお魚の価値は高くなるでしょう。逆に、「損をした」と思えばお魚の価値は下がります。
多くの人が果物よりもお魚に価値を感じるようになれば、ものの「値打ち」が高くなります。この仕組みが「物の値段」です。お金の交換は、物につけられた値段によって値打ちが決まります。全銀協の例では、1カン100円のお寿司と1カン1万円のお寿司を引き合いに出しています。イメージ的には後者のお寿司のほうが値段から高級感を期待できるでしょう。
お金は、交換機能だけではなく、価値の尺度として物差しの役割もあるわけです。
参照元:※1
お金がないと価値の尺度を測ることが大変
お金のない時代は、物々交換をしてきたと考えられます。物々交換は、エスカレートして交換するものがなくなれば、当然のことながら物を持っている人が有利になるでしょう。
昔でいえば、物々交換では尺度を測ることは容易ではなかったことが考えられます。その理由は、魚ひとつにしても欲しい人次第で価値は大きく変わるからです。
- 魚の種類:タイやヒラメ、アジ、イワシなど
- 魚の大きさ:成魚、稚魚など
- 魚の数:許容量など
- 魚の鮮度:とれたて、干物など
交換する物によっては、条件が合わなくてお互いに機会損失となることもあります。お金を使っていなかった時代は、需要と供給を結びつけることは容易ではなかったと考えられます。
お金はモノやサービスを通して循環する血液
お金は、この社会で生きていくためにモノやサービスの価値を計るための尺度として機能します。また、その尺度に合わせて交換(決済)が行われ、個々の判断で保存(蓄え)も考えられます。ただし、どこかでお金の保存ばかりが行われた場合、どのようになるのでしょうか。
りそなグループでは、「お金は社会を動かす血液」と表現しています。お金は、モノやサービスを循環することで社会全体の動力源になります。つまり、人の身体を流れる血液のように循環しているイメージです。
りそなグループでは、そのイメージを次のようにたとえています。
誰かが自動車を購入する
→購入したお金が自動車メーカーに入る
→そのお金で自動車メーカーは他の会社から自動車部品を購入する
→そのお金で自動車メーカーの従業員に給料を支払う
→給料を受け取った従業員はあらゆる場所で商品を購入しお金を支払う
→国はその消費行動に対して税金(消費税)を徴収する
→その税金で行政サービスを提供する
このように、個人と企業、国や地方公共団体などがお金を循環させています。個人が自動車を購入しなくなれば、それ以降の関係者すべてに影響を与えます。
- 自動車メーカーの売上にならない
- 自動車部品会社の売上にならない
- 会社は従業員に給料を支払えない
- 給料をもらえない従業員は商品を買えない
- 消費行動がないため消費税は増えない
- 税金が少なくて行政サービスを提供できない
まさに、「ないないづくし」の状態です。このような現象がひんぱんに起きてしまうと、お金の流れが止まり経済は回らなくなります。血液に置き換えると、血の循環が止まれば生きていけなくなるのと同じです。そのため、お金の流れは、非常に重要な機能だと考えられます。
参照元:※2
日常生活において循環するお金の機能
人が日常生活で行っているお金の機能は、4つの行動で成り立っています。ここでは、お金の機能をりそなグループの見解で解説します。
お金を稼ぐこと
生きるためには、働いてお金を稼がなければ生活は成り立たないと考えることが一般的です。お金を稼ぐことは、自分の時間と能力を提供して対価を得ます。給料も、事業の売上にしても同じで、自分の提供した能力や時間に対しての価値をお金として受け取れます。
他人が求める価値に応えることで、その対価をお金として受け取れます。
お金を貯めること
一般的の給料所得者は、月々の給料のうち何割かを貯蓄し、大きな出費に備えます。ただし、貯蓄は、あくまでも自分の稼いだお金を積み重ねた結果です。とはいえ、大きな買い物(住宅、自動車、教育費など)や万が一病気になったときの医療費、老後の生活費などは、コツコツと貯めて備えることが地道な方法として考えられます。
お金を使うこと
お金を使うことは、社会を循環するために重要な行為です。不景気ですべての人が財布のひもを締めてしまったら、経済は回らなくなります。人が消費活動をするおかげで、お金は循環されます。たとえ、物品を購入しないとしても、生きていれば食料や光熱費、移動するための交通費などは使わざる負えません。
お金を増やすこと
あまり積極的に行われていないお金の機能は、お金を増やすことです。お金を増やすことは、お金を専門機関に預けて運用していただき、預けたときの金額よりも増やします。お金を増やす行為は、すでにある資産で、その資産の市場価値から利益を得ます。また、その逆もあるため(損失)、専門的な知識は必要です。
お金の機能をバランスよく生かそう
お金は、3つの機能を持っています。保存と交換、尺度です。これら機能をバランスよくあつかうことがお金を増やす機能ではないでしょうか。
資産運用は、貯める感覚でお金を預けて市場で尺度を変えて交換されます。そのやり取りの中で、利益を生み出し預けたお金よりも結果的に増えるという現象が起きます。
資産運用は、お金の機能をバランスよくあつかうことが大事なのですが、やはり知識や経験がないと難しいですよね。資産運用を考えているのであれば、学習は不可欠ではないでしょうか。まずは、知識を集めることから始めてはいかがですか。
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【参照元URL】
※1:一般社団法人全国銀行協会「教えて!暮らしと銀行|お金の機能とは?」
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-g/5228/
※2:りそなグループ「お金とは?機能や役割について分かりやすく解説!」https://www.resonabank.co.jp/kojin/column/shisan_kihon/column_0003.html
この記事を書いた人
ライター
江戸利彰(えどとしあき)
ビジネス系の記事執筆を生業として取り組むライター。
累計800記事ほどの納品を経て、現在も日々の執筆から「情報の伝え方」をブラッシュアップしています。
ソースをしっかりと取る記事作りをモットーとしており、正確な情報提供に努めています。
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