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購入前のチェック!投資信託のリスクとは?わかりやすく解説

購入前のチェック!投資信託のリスクとは?わかりやすく解説

勉強するのは面倒でも、いざお金のことになると別の話ではないでしょうか。お金は使い方次第で生かされるものだと考えられます。とはいえ、資産運用のための投資信託を始めようとすると、分からないことだらけです。

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投資信託といえば、リターンだけではなくリスクも気になりますよね。証券会社や銀行のホームページに書かれている情報だけだと、どのくらいのリスクがあって、どのくらい損をしたのかなど分かりません。そのような疑問の解決に近づけるように、公的機関の情報から投資信託のリスクを学んでみました。

投資信託のリスクは3つのリスクで分けられます。

  • 価格変動リスク
  • 為替変動リスク
  • 信用(デフォルト)リスク

基本的な確認事項として、資産運用で「投資」と名の付く手法は、すべてリスクを抱えていると考えられます。預貯金と違い、元本が保証されているものは安全だけれど冒険のない分、大きく増える要素がないという判断です。

今回は、一般社団法人投資信託協会やJSDA(日本証券業協会)の情報を参考に、投資信託のリスクをわかりやすく解説します。投資信託初心者目線で解説するのでご一読のほど、よろしくお願いします。

価格変動リスク

投資信託のリスクとして考えられるのは、価格変動といわれています。その理由は、投資信託の商品構成が株式や債券によるものだからです。投資信託は、投資の醍醐味(だいごみ)である「安く買って高く売る」という要素で利益を生み出します。その利益を生み出すための売買のタイミング判断は、投資のプロである専門家によるものです。

この投資のプロにお金を預けて運用するのが投資信託。投資信託で扱う運用方法は、以下のとおりです。

  • 株式:株式会社が資金の出資者に対して発行する証券
  • 債券:国や企業が出資者から資金を借りるために発行する有価証券
  • 金融派生商品(デリバティブ):先物取引・オプション取引・スワップ取引
  • 不動産投資:不動産を購入して貸し出し賃料収入を得るなどの運用方法

おもにこれらの複合運用で投資の専門家は利益を追求します。その利益追求のポイントが価格変動です。株式や債券、金融派生商品などは、購入して持っていると価格の変動があります。価格変動の動きは、あらゆる指標のもと完全に的中させることは難しいことです。

そのため、投資信託で集められた資金は、価格変動リスクにより元本割れの可能性があることを指摘しています。

株式の価格変動

JPX(東京証券取引所)の「なるほど!東証経済教室」によると、株式の価格変動は、買い手と売り手のバランスで起きるといわれています。その具体的な要因はさまざまです。

  • 社会経済の状況:国内外の景況・政治情勢・海外投資家の動向・為替の動きなど
  • 企業の業績・将来性:企業の近況・企業の決算結果・企業の将来性

これらの要因から、未来を予測して株式の売買取引が行われます。あらゆる要因から将来的に株価が上がると判断することでその株式を購入します。株式は安値で買った認識のため、売却する際は購入価格よりも高くなることを期待します。

たとえば、1株500円の株式を1000株購入したとします。購入価格は50万円です。その株式が1株800円に価格変動した場合、手持ちの1000株が80万円になります。その結果、この時点で株式を売却すると30万円の収益となるでしょう。

このように、株式は価格変動で収益を追求しますが、100%利益になるとは限りません。投資のプロでさえ読み切れないのが株式市場の動きです。そのため、予測とは違う方向に値動きが進み価格が下がることも日常的に起きています。先ほどの例でいえば、1000株500円の株式が1株300円に下落することです。その場合は、1000株30万円に減ってしまい、20万円の赤字となります。※3

債券の価格変動

JSDA(日本証券業協会)によると、債券の価格変動は金利の動きと相対関係にあると示しています。「金利が上がると、債券はさがる」や「金利が下がれば債券は上がる」という関係です。

債券も株式と同じで、購入時よりも高値で売却することで利益が得られます。世の中の金利が上昇した場合、低い金利で買った債券の価格は下がります。この金利の動きと真逆な点が価格変動のリスクと考えられます。また、債券の場合は満期までの期間が長いのも特徴です。そのため、保有期間中の金利変動のリスクが大きくなります。※4

為替変動リスク

投資信託には、為替変動のリスクも考えられます。為替変動は、日々変動する為替レートのことです。

為替レートとは

日本銀行では、為替レート(為替相場)のことを外国為替市場において異なる通貨が売買される際の交換比率と示しています。「1ドル日本円でいくら」と表現することが為替相場の動きで変化しています。為替レートも世界の社会情勢などの影響を受けて変動している状況です。※1

外国通貨建ての仕組み

投資信託の中には、外国通貨建てに投資する商品もあります。外国通貨建ての資産とは、外国株式や外国債券、外国REITなどを価格変動だけではなく通貨相場の変動も加えることです。

為替変動のリスクは、外国通貨の動きで日本円に影響を与えます。一般的な見解では、円高の場合は基準価額がマイナスとなって、円安になればプラスとなる動き方です。外国通貨建ての場合は、円高と円安の動きによる変動リスクと判断しておきましょう。※1

信用(デフォルト)リスク

信用リスク(デフォルト)とは、債務不履行のことをあらわします。

デフォルトを起こす要因

デフォルトを起こす要因は、国や企業の財政面の問題などで返済できないことです。国や企業が発行した債券に対して、利息や償還金を支払えないほど財政面が悪化している状態。債券は、国や企業が信用のもとで発行する有価証券です。その信用がガタ落ちとなるリスクともいえます。※1

購入前にチェックしておくべきこと

投資信託は、これまで紹介してきたリスクからも100%リスク回避のできない金融商品です。そのため、運用にあたっては元本割れを覚悟で投資する必要があります。よく言われる格言で「リスクをとらなければリターンを得られない」ということです。

では、リスクの把握として購入前にチェックすべきことなどはあるのでしょうか。

目論見書に書かれたリスクの理解

投資信託の商品を購入する際は、商品ごとに目論見書が提供されます。ネット証券の場合は、電子ファイルで提供されるため、自身でダウンロードして確認しなければなりません。目論見書は、有価証券の発行者や有価証券についてくわしく説明しています。

リスクになる部分も詳細に書かれているため、購入前の確認は必須だと考えられます。書いてあることは、重要な説明なのでチェックしておきましょう。

ちなみに目論見書は、有価証券の発行者が投資信託商品の販売にあたって必ず作成しなければならない文書です。それだけに、リスク面の重要な部分も記載されています。※6

分散

投資信託は、もともと複数の金融商品を組み合わせた分散投資の理論で生まれた金融商品です。そのため、株式や債券、先物取引、不動産投資などを単体で運用するよりも分散効果を期待できます。

ただし、投資の基本はリスクゼロではありません。金融商品に投資することは、リスクがあるからリターンを求められるという考え方のもとで成り立ちます。

そのため、リスクがあるのは当然と構えるくらいの冷静さも必要ではないでしょうか。もともと分散投資の仕組みを採用しているのが投資信託です。さらに、分散して複数の投資信託で運用することも方法のひとつですが、分散し過ぎればリターンも分散され小さくなると考えられます。※7

リスクを知って許容範囲内で資産運用してみよう

今回は、投資信託のリスクについて基本的な部分を解説してきました。個人の投資家が投資信託で「どのくらい利益を出せたのか」や「どのくらい損をしたのか」などは、自己申告となるので判断しかねます。ところが、リスクに関してはポイントをつかんでおけば、社会情勢や企業情報などから予測できる力も多少なりとも身につくのではないでしょうか。

今回の記事で伝えたかったことは、投資信託を含めた投資はリスクが付きものということです。リスクがあるからリターンを得られるという考え方。

リスクを受けた人の裏には、リターンを得て喜んでいる人がいます。その逆も然(しか)りです。その両極端の性質を分散している仕組みが投資信託ではないでしょうか。さらにその仕組みに対して非課税枠と積立制度を盛り込んだのが少額投資非課税制度(新NISA)です。

新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でも選択でもどちらでも利用可能な制度。リスク面だけで考えれば、投資商品の中でも低い部類ではないでしょうか。なんといっても、非課税限度額が1,800万円となっている点が特徴です。こちらは2024年から始まる制度なので、検討してみてはいかがでしょうか。※8

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※1:一般社団法人投資信託協会「投資信託が持つリスク」https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/meritrisk/risk/index.html

※2:JSDA(日本証券業協会)「投資の時間|今さら聞けない!投資Q&A」https://www.jsda.or.jp/jikan/qa/015.html

※3:JPX(東京証券取引所)「なるほど!東証経済教室」https://www.jpx.co.jp/tse-school/learn/02a.html

※4:JSDA(日本証券業協会)「投資の時間|今さら聞けない!投資Q&A」https://www.jsda.or.jp/jikan/qa/013.html

※5日本銀行「為替相場(為替レート)とは何ですか?」

※6野村證券「目論見書|証券用語解説集」

※7JSDA(日本証券業協会)「投資の時間|今さら聞けない!投資Q&A」https://www.jsda.or.jp/jikan/qa/069.html

※8金融庁「新しいNISA」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html

この記事を書いた人

江戸利彰

ライター

江戸利彰(えどとしあき)

ビジネス系の記事執筆を生業として取り組むライター。
累計800記事ほどの納品を経て、現在も日々の執筆から「情報の伝え方」をブラッシュアップしています。
ソースをしっかりと取る記事作りをモットーとしており、正確な情報提供に努めています。

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