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資産運用

買い銘柄選びのヒント!PBR1倍未満は避けるべきなのか?

買い銘柄選びのヒント!PBR1倍未満は避けるべきなのか?

株式投資の経験がない人は、手持ちの資金で取引経験を積まなければ始まりません。実際に、銘柄を選んで資金を投入して銘柄を買い、株価が上がれば買って正解となるでしょう。逆に、選んだ銘柄が買値より下がってしまえば損をしたような気になります。

「本来はこの値段が妥当な株だけれど、いまではこの値段に下がっている」

なかには、このような割安株や逆の割高株などがあります。では、株価を選んでいるときに「この株価は割安株なのか割高株なのか」という判断はできるのでしょうか。

今回は、その答えとなるPBR1倍未満について解説します。PBR1倍未満は、避けるべきなのか、買い銘柄選びのヒントとしてお役立てください。

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PBR1倍未満の件

 

PBR1倍未満とはどのような状態を示しているのでしょうか。PBR1倍未満の状態は、次のような指標です。

  • 株主の価値を悪化させている状態
  • 本来であれば事業を継続しないで解散すべき状態
  • 上場企業としては失格となる状態

この捉え方は、株式会社レイヤーズ・コンサルティングの経営陣によるもの。このPBR1倍未満の株は、東京証券取引所(以下東証)の約半数を占めているといわれています。出典:※1

PBR1倍未満は、もっと高い株価のはずだった銘柄が割安になっている状況と考えられます。東証による日本市場を活性化する取り組みですが、もし株価が上がるのであれば買いどきと判断できるでしょう。

PBR1倍未満が懸念される理由

PBR1倍未満は、割安株のことを示しています。SBI証券が発信している「投資情報メディア」では、国内株式銘柄について割安でも買われない傾向があると指摘しています。上場している株式の中には、買われないまま市場で放置されているPBR1倍未満の株が存在している状況です。

東京証券取引所が発行する「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」では、現状のことを次のように示しています。

  • 東証プライム市場の約半数の株式がROE8%未満かつPBR1倍未満
  • スタンダード市場の約60%の株式がROE8%未満かつPBR1倍未満
    出典:※7

このPBR1倍未満の株が放置された状態は、少額投資非課税制度(NISA)の拡充を進めている政府にとって懸念される課題となっています。その理由は、海外投資家の資金流入にあるとのことです。PBR1倍未満の株式に対して、割安感の解消ができるかどうかを証券会社も注目しています。

SBI証券が発信している「投資情報メディア」では、割安だからこそ手持ちのお金を活用して運用することを提案しています。それが20万円以下の資金で株取引が可能という考え方です。データ参照:※3

PBRの意味

株式市場では、割安感のある株式のことをPBR1倍未満とあらわしています。PBR(株価純資産倍率)は、Price Book-value Ratioの略称です。「株価1株あたりが純資産の何倍になるか」を算出した際の基準がPBR1倍と示しています。

PBRの算出方法は、株価からBPS(1株あたりの純資産)を割ったものです。以下の計算で算出します。
PBR = 株価÷BPS

たとえば、株価が1,500円 1株あたりの純資産額が800円であれば、以下の計算式になるでしょう。
PBR=1,500円÷800円=1.875倍

PBRが良好であるかどうかの目安は1倍です。上記の例では1倍以上なので割高株とみなされます。データ参照:※2

PBR1倍に満たない株は、投資した額以上の現金を回収できる割安さと判断されます。投資家からすれば、お買い得な銘柄と判断されるでしょう。この状況は、市場の割安株の解消を目指す政府の動きも影響しています。投資家は、注目銘柄の判断材料として活用できます。

PBRの本質部分

PBRの計算は、現在の株価を1株あたりの純資産額で割ったものです。SBI証券の見解によると、その本質部分は、3つの掛け合わせが存在します。

  • PER
  • ROA
  • 財務レバレッジ

PERとは

PERは、Price Earnings Ratioの略称です。株価収益率のことを指します。PERが示す部分は、株価が1株あたりの純利益に対して何倍の価値で市場から期待されているかをあらわします。PERの計算は、次のとおりです。

時価総額÷純利益 出典:※4

PERは、割安感を示すPBRと掛け合わせることから、PERの低い企業も割安株と判断されます。反対に、PERが高ければ企業の利益以上の株価と判断され、株価に対して割高と判断されるでしょう。

ROAとは

ROAは、Return On Assetを略した純資産利益率のことです。ROAは、PBRと掛け合わせて企業の純資産が利益獲得に向けてどれだけ効率よく使われているかを示します。ROAの算出方法は次のとおりです。

純利益÷純資産 出典:※5

財務レバレッジとは

財務レバレッジは、企業の持つ負債の割合を表す指標です。Financial Leverageと呼ばれ、負債をどのように活用したかを示します。計算式は、次のとおりです。

総資産÷純資産 出典:※6

PBRは、これら3つを掛け合わせて割安感を判断します。SBI証券の「投資情報メディア」では、これらの指標をもとに企業の成長性を判断している状況です。データ参照:※3

東京証券取引所による是正で割安株から抜け出す可能性

東証では、国内市場においてPBR1割未満の株が放置されている状態を是正要求しています。PBR1倍未満の企業は、国内市場の活性化に向けて割安状態からの脱却を求められている状況です。

東証による動きから、PBR1倍未満の割安状態から抜け出す銘柄を見極めるにはどのような指標があるのでしょうか。

今回の東証の動きは、海外投資家の注目を集めて、日本株の買いが期待されています。その動向から、割安株が高くなると見込まれているわけです。

ただし、ここで注意が必要な点は、PBR1倍未満がすべて割安と限定できないことではないでしょうか。PBR1倍未満の状態が続いている銘柄は、本来の位置であるかもしれません。企業価値について、見誤ってしまうと期待が空振りとなることも考えられます。

PBR1倍未満で期待の掛かる銘柄の要素

SBI証券の「投資情報メディア」によると、PBR1倍未満の銘柄が割安状態から解消される場合、どのような要素で見極めるかを示していました。期待の掛かる銘柄の要素は、次のとおりです。

  • 東証プライム市場に上場している銘柄
  • 時価総額が1,000億円超えの銘柄
  • 銀行以外の銘柄
  • 証券商品先物業以外の銘柄
  • 保険業以外の銘柄
  • 9倍以下の銘柄
  • ROE(Return On Equity:自己資本利益率)が8%以上の銘柄
  • 当期予測のPER10倍未満の銘柄
  • 株価が2,000円以下の銘柄(2023年4月上旬の判断)

SBI証券では、これらの要素をすべて満たしている銘柄を選ぶことを指摘しています。 出典:※4

海外投資家が買いに入る前に判断しよう

株式投資は、確実と言い切れることがありません。予測は予測になるでしょう。ただし、今回紹介した、PBR1倍未満の銘柄に対しての東証の取り組みは、日本市場の活性化に向けて期待が掛かります。先述した割高になる要素も具体的であることから、スクリーニング(条件で絞って目的の銘柄を選ぶ行為:ふるい分け)することで銘柄を抽出できるでしょう。

スクリーニングで絞り込むことは、銘柄選びの経験にもなるでしょう。最終的に購入するかどうかは、自己責任の範囲で決める必要があります。この機会に便乗するか、もしくは静観して、結果を見て判断することもひとつの学びになります。どのような行動を選ぶかは、状況次第になるでしょう。

今回紹介した東証の動きは、あくまでも買い銘柄選びのヒント的な要素です。確実性を求める場合は、それぞれの判断力を鍛えることも必要ではないでしょうか。将来に備えての資産運用は、あらゆるお金の増やし方を知ることから始まります。それらを理解したうえで、自分に最適な運用方法を見つけて、自己責任で実行することが大切です。

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※1:株式会社レイヤーズ・コンサルティング「LAYERS|待ったなし!PBR1倍割れで退場前にやるべきこととは(壱の巻)」
※2:日本証券業協会「投資の時間|金融・証券用語集・PBR」
※3:SBI証券「投資情報メディア」
※4:日本証券業協会「投資の時間|PER」
※5:野村證券「証券用語解説集|ROA」
※6:みずほ証券「ファイナンス用語集|財務レバレッジ」
※7:東京証券取引所「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」

この記事を書いた人

江戸利彰

ライター

江戸利彰(えどとしあき)

ビジネス系の記事執筆を生業として取り組むライター。
累計800記事ほどの納品を経て、現在も日々の執筆から「情報の伝え方」をブラッシュアップしています。
ソースをしっかりと取る記事作りをモットーとしており、正確な情報提供に努めています。

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