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資産運用

初心者にやさしいグローバル分散投資とは?低リスク投資信託

初心者にやさしいグローバル分散投資とは?低リスク投資信託

「分散投資がリスクヘッジになる」

投資の基本は、「底値で買って高値で売る」ことです。その差額が利益になることは分かりやすいポイントではないでしょうか。つまり、投資は価格変動があるからこそ利益が生まれ、逆に損失もあるという考え方です。

三井住友銀行の「分散投資とは?」では、投資信託は価格変動のある商品と定義しています。そのため、元本割れのリスクがある点に言及しています。そこで取り組むべき投資スタイルが、対象となる金融商品を複数分散して投資する方法です。

分散投資は、複数の商品で運用することでリスク分散につながります。値動きの異なる複数の商品に投資することでリターンが平準化するでしょう。※1

この考え方をグローバルな視点に置きかえることがグローバル分散投資です。今回は、グローバル分散投資について、3つの要素の視点から解説をします。初心者だけどグローバル投資はできるのか?迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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グローバル分散投資って何が分散されるの?

グローバル分散投資は、世界各国の有価証券や通貨に分散投資することです。基本的にファンドを募って運用するため、グローバル分散投資ファンドのことが該当します。株式会社NTTデータ・エービックの公開している用語集での見解では、国際分散投資(グローバル分散投資)が同一のリスクで高い収益率になると言及しています。出典:※2

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の公式サイトでは、1位になる資産を当て続けられたら、とても大きな運用益を期待できると判断しています。しかし、1位を当てることは至難の業です。そのため、損失を少なくすることに重要性があると言及しています。大きな損失を避けるには、さまざまな資産へ分散投資することが重要とのことです。出典:※3

つまり、分散投資は損失を最小限に抑えながら資産運用を目指します。国内だけではなく外国の資産も対象にすることで幅広い分散投資を期待できるでしょう。たとえば、国内株式や外国株式、国内債券、外国債券など世界中のあらゆる金融商品を対象にした運用方法です。視野が広がれば、チャンスも広がるといったところでしょうか。

資産を分散させることは運用対象を増やすこと

資産を分散させる考え方とは、運用対象を増やすことです。

  • 国内債券
  • 外国債券
  • 国内株式
  • 外国株式
  • 不動産

このように、異なる投資対象を組み合わせて運用する際は、期待リターンとリスク(標準偏差)を理解する必要があります。何でも投資すればよいというわけではなく、リスクとリターンの偏差を理解しなければなりません。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)では、リスクと期待リターンを「標準偏差」で判断することに言及していました。

標準偏差の意味は

標準偏差は、期待するリターンのブレの大きさをあらわします。平均からどのくらいブレがあるのか、をあらわす数値です。標準偏差が大きくなれば、期待リターンも大きくなると考えられます。出典:※4

ちょっと待ってください。専門的な分析は初心者にとってハードルの高いことです。標準偏差を分析したうえで金融商品を選択することは投資のプロに任せたくありませんか。分散投資について、ポイントに絞って話を進めましょう。

時間の分散投資

まとまったお金を一括で投入する方法と、毎月決まった金額をコツコツと投入する方法は、どちらを希望していますか。後者にあたるのが時間の分散投資です。時間を分散することは、決められた一定額で長期間運用していく方法。積立投資ともいえます。たとえば、毎月1万円の投資を継続して行った場合と一括で100万円の投資をした場合では、リスクが異なります。

1万円で毎月投資する株式の価格が下がった場合、投資開始から3カ月であれば影響を受ける範囲はせいぜい3万円です。もし、一括で100万円を投入していれば価格変動のリスクは100万円の範囲で影響を受けます。そのため、100万円を一括で投資する方法ではなく、毎月1万円を継続することで購入時期の分散となってリスクを小さくできます。データ参照:※4

積立投資の支える力は「分散」と「長期」

先述した購入時期の分散は、長期運用タイプの積立投資にあてはまります。要するに、一定額(少額)の長期運用であれば、リスクを抑えた運用ができると考えられるでしょう。データ参照:※5

資産の分散と地域の分散の効果

時間の分散は、積立投資による購入時期の分散でリスク軽減を期待できます。時間の分散だけではなく、資産の分散と地域の分散により分散投資の効果を高められるでしょう。

日本証券業協会が公開している「投資の時間」では、積立・分散投資の実績を紹介しています。実績では、定期預金と国内株式と債券への積立投資、国内および先進国、新興国の株式や債券への積立投資これらを毎月同じ金額の積立で20年間続けました。次の実績は、1995年〜2015年までの20年間です。

  • 定期預金:20年間で1.32%(年平均0.1%)
  • 国内株式50%と国内債券50%の積立投資:20年間で38.0%(年平均1.9%)
  • 国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券の積立投資:20年間で79.9%(年平均4.0%)

同じ積立金額でも地域と資産を分散することで、実績に大きな差が生まれます。この効果について、「投資の時間」では次のように説明しています。

分散投資の効果は、ある株式が値下がりしても他の株式の値上がりでトータル的にリスクの解消が可能です。さらに国内や先進国、新興国と地域を分散することで値下がりをカバーする値上がり商品も増えます。データ参照:※5

分散を組み合わせて効果を期待

先述した日本証券業協会の実績では、分散の組み合わせで効果を期待できます。時間分散と資産分散、地域分散の条件を備えている投資手法がグローバル分散投資ではないでしょうか。

3つの分散条件を満たしたグローバル分散投資は、投資期間が長期になることで将来的な収益の安定性が見込めます。安定性を実現できれば元本割れの可能性も低くなるでしょう。データ参照:※5

低リスクでグローバル分散投資を始めるには

では、世界や国内の株式、債券など多くの金融商品を扱った投資信託を選べばグローバル分散投資を始められるのでしょうか。まず、ここまで紹介してきた分散投資のポイントは、次のとおりです。

  • 長期:時間分散
  • 積立:時間分散
  • 分散投資:資産分散・地域分散

これらのポイントを持ち合わせた資産運用では、つみたてNISAの制度が利用できます。つみたてNISAは、低リスクでグローバル分散投資をする初心者向けの資産運用と考えられます。

初心者にやさしいつみたてNISA

つみたてNISAは、少額で長期・積立・分散投資を実現できる国が作った制度です。つみたてNISAには、次の特徴があります。

つみたてNISAの特徴

具体例・内容

事前に自分で決めた金額やタイミングで自動的に購入できる

具体例
●毎月の給料日翌日に5,000円の購入
●毎営業日に100円の購入など

一定基準を満たした投資信託のみを投資対象にしている

内容
●投資のプロが運用している投資信託
●さまざまな種類の金融商品への分散投資
●さまざまな地域の金融商品への分散投資
●金融庁が絞り込んだ約170本の投資信託●信託報酬のコストが安く抑えられている投資信託

投資で得た収益を最長20年間非課税にできる

一般的な投資信託の場合は課税対象
●分配金:20.315 %
●売却益:20.315%
つみたてNISAはこれらが非課税対象

つみたてNISAは、毎営業日に100円から自動投資ができます。100円であれば、毎日ルーチンのように飲んでいるコンビニのコーヒー代を積立投資へ置きかえることも可能です。自分のライフスタイルに合った積立で慣れてくれば苦にならない範囲で資産運用ができます。

また、つみたてNISAの対象となる投資信託は、一定の基準で金融庁が絞り込んでいます。国内で販売されている約6,000本から、投資初心者が安心して購入できる信託報酬の低い金融商品を約170本ほど絞り込んでいるとのことです。さらに、最長20年間という長期的な非課税の効果は大きなメリットではないでしょうか。データ参照:※5
金融庁の発表によると2023年2月9日時点のつみたてNISA対象商品は188本

グローバル分散投資の判断は最終的に自分で選ぼう

つみたてNISAは、金融庁が絞り込んだ金融商品であることと、20年間の非課税が初心者の後押しとなる要素です。ただし、安全性ばかりを追求してしまうと、大きな収益は見込めません。単純に、つみたてNISAであれば貯金するよりも効率の良さは担保できます。

ただし、グローバル分散投資は自分で選ぶことにも意義があります。安定性を追求したバランス型の金融商品への投資は、大きな収益性が見込めないことを理解しておきましょう。バランスファンドでグローバル分散投資を始めた際に、基準価額の動きの要因を理解できないまま運用することが考えられます。データ参照:※6

市場の動向を自分の目で理解するには、長期の資産形成に重きを置いたつみたてNISAでは理解できない可能性があります。判断力を養うには、資産運用のセミナーなどへ参加してみることも必要です。専門家の知見を吸収することで、将来的な資産形成の引き出しを増やせます。

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※1:三井住友銀行「分散投資とは?」

※2:株式会社NTTデータエービック「用語集」

※3:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「分散投資の意義①1位になる資産は当てられない」

※4:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「分散投資の意義②投資のリスクとは」

※5:日本証券業協会「投資の時間」

※6:金融庁「教えて虫とり先生」

 

この記事を書いた人

江戸利彰

ライター

江戸利彰(えどとしあき)

ビジネス系の記事執筆を生業として取り組むライター。
累計800記事ほどの納品を経て、現在も日々の執筆から「情報の伝え方」をブラッシュアップしています。
ソースをしっかりと取る記事作りをモットーとしており、正確な情報提供に努めています。

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