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不動産

韓国バブルの崩壊とチョンセ(伝貰)とヨンクル(魂集)

韓国バブルの崩壊とチョンセ(伝貰)とヨンクル(魂集)

2023年年始ついに韓国バブルが崩壊しています。マンション価格はここ10年で最大の下落幅を記録しました。

仁川松島では2020年では8億ウォンの値を付けたマンションに申し込みが殺到し50倍もの倍率を誇っていたが、年明けでは等倍どころか、申し込みが足らない状況になっている。

需給バランスで見れば5億ウォン程度まで下落してもおかしくなく、強気で推移してきたマンション価格は下落に転じている。

エリアによっては2020年の水準まで価格が下落しており、どこまで下がるのか先が見えない。中国で不動産バブルが弾けた事が記憶に新しいと思いますが、韓国もそれに続く形になります。

中国バブルは国民の投機熱が舞い上がっていたところに金融政策が引き金となってバブル崩壊を招きましたが、韓国では一体何が起こったのでしょうか?

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・魂までかき集めてヨンクル族

ヨンクルと言う言葉があります。ヨンは魂を意味してクルは集めるという意味です。

日本語では「魂までかき集めて」と訳されますが、不動産の高騰が続いていた韓国において、可能な限りの私財をかき集めて投資をする様をこのように表しています。

この背景には韓国の不動産価格は今後も上がるという期待が当たり前に受け入れられている事は見逃せません。日本のバブルも中国のバブルも韓国のバブルも要因としてあるのは個人の不動産価格への根拠なき自信です。

「借りてきてでも投資する」勿論正気の沙汰じゃないと私たちは考えます。

しかし、あなたの隣の人も知人も友人も誰もかれもが投資をして利益を出していたらどう思うでしょうか?時間とともにどんどん不動産価格が上がっていく。ローンを組んで購入を判断した人から儲かっていくとしたら?

まるで、投資をしない事が損をしている気分になる事でしょう。目の前で沢山の人が不動産で利益を上げていたら、誰だって自分もそうしなければいけないと思うものです。

・雷乞食に陥る焦燥感

雷乞食と言うのは投機に手を出さないで堅実に貯蓄を続けているのに、相対的に貧乏になっていく様子を表した言葉です。別に貯蓄をして、投資信託などで運用を行う事はごく普通の事です。

しかし、ヨンクル族が周りで不動産熱を上げているのを見ていると、なんだかコツコツとお金を増やしている自分がバカバカしいと思うものです。

勿論実態としてはリスクテイクの考え方なのですから、リスクを取らず運用している事自体はなんらおかしい事ではありません。

しかし、社会全体で扇動しているようなものなので、誰しも影響されていきます。韓国の不動産は2000年ごろから値上がりを始めます。

2007年から2016年頃まで上がったり下がったり波がありましたが、2016年以降は再び上昇基調に転じます。韓国では雷乞食のままで良いのか?何もしないで指をくわえてみているのか?と大衆の焦燥感を煽ってきました。

韓国政府も上がり続ける不動産価格に対して抑制策を講じてきましたが、これといった成果を出せず、都市部ではマンションの価格が年収の18倍にも及び購入できない市民の政府への反発を招く事になりました。

・チョンセ(伝貰)と言うシステム

韓国にはチョンセ(伝貰)と呼ばれる賃貸システムがあります。通常日本の賃貸契約では毎月賃料を支払う事で部屋を借りるのが一般的です。韓国では日本と同じこの賃貸契約をウォルセ(月貰)と言います。
一方のチョンセでは保証金を大家さんに預ける事で無料で部屋を借りる事が出来るのです。

預ける保証金はマンション価格の6~8割ほどと高額ですが、退去の際には全額が払い戻されます。貸主である大家さんにどんなメリットがあるのかというと、預かった保証金を投資に回す事が出来る点です。

かつて韓国で銀行預金金利が高かった時、賃貸で部屋を貸すよりも銀行に預けた方が利益が出たのがチョンセが利用されてきた背景でした。
マンション価格が上昇するとチョンセの利用方法が変わりました。

ローンでマンションを購入してそれを「チョンセ」で人に貸します。入ってきた保証金で新たなマンションを購入すればマンション一室への投資よりも高い運用益を見込むことが出来るのです。

韓国では不動産価格が上昇していましたから、購入時よりも高くマンションは売却できます。マンションを一つ買うよりも二つ買えるなら二つ買った方が儲かる訳です。

買ったマンションをチョンセで貸し出し、資金を作って次のマンションを増やしていく。こうして、資産拡大をする人が現れたのです。さして、資産の無い人もチョンセを利用すればマンションが買えます。

仮に6億ウォンのマンションを買う場合でも4億ウォンをチョンセの保証金で都合出来るのであれば、2億ウォンの住宅ローンを組むだけでマンションを買えます。これなら所得の低い人でも高級マンションを買う事が出来るのです。

後は値上がりしてから売却すれば売却益を手にする事が出来ます。実際ソウルでは2016年から30%も不動産価格が上昇しています。

マンションを買いさえすれば儲かったと言っても過言ではないでしょう。しかし、価格の高騰は永遠には続きません。2022年の後半から不動産市況は変化を迎えます。

2022年9月には韓国の主要銀行の住宅ローン金利が年利6%を超えてきました。年末には8%に迫るとも言われるようになり不動産市況に冷や水を浴びせます。

・IMFによる不動産相場急落の警鐘

IMF国際通貨基金が2022年12月に「アジア太平洋地域の住宅市場の安定性と適正な負担」という報告書の中でニュージーランド、オーストラリア、韓国の不動産価格の高騰に警鐘をならしました。

近く長期的な下落が起こる事も示唆しており、過度な投機熱で住宅市場が過剰に値上がりしているという見解を報告しています。

このように韓国の不動産市場は客観的に見ても飽和状態であり、バブルはいつ弾けてもおかしくない状態でした。

いえ、韓国内の一部マーケットでは取引量も価格もすでに下落しており、崩壊はすでに始まっていたと言えるでしょう。

・政策金利の引き上げがトリガーか

韓国の中央銀行に当たる韓国銀行は政策金利を3.5%へと引き上げました。2021年には0.5%で推移していたことを考えるとものすごい利上げと言えます。

金利の上昇は新規の住宅ローンを困難にし、韓国では住宅ローンのハードルが大きく上がりました。この利上げが物件価格に与えた影響は大きいでしょう。ローンを借りにくくなるという事は買う事の出来る人が減るという事です。

買う人が減れば必然価格は下がる事になります。

中国バブルは異常な投機熱により国民の数以上のマンションを開発しました。鬼城と呼ばれる新築廃墟を生み出しマンション価格の暴落を招きました。韓国も異常な投機熱と言う部分では同様ですが、開発が異常な訳ではありません。

韓国のバブル崩壊の要因は投機熱がチョンセなどを活用したレバレッジに繋がった事と言えるでしょう。政策金利の上昇がバブル崩壊のトリガーになったのは事実ですが、政策金利を上げる要因の本質は投機熱を煽る仕組みにあったと考えられます。

韓国では上がり続ける不動産価格を是正する必要があったわけですし、いずれは政府対応が求められる事になります。中国も金融政策がバブル崩壊のトリガーになった点では同様です。

古くはサブプライムローン問題も、日本のバブル崩壊も似たような部分がある気がします。人々の投機熱があり、それを煽る仕組みがあり、助長された価格上昇を金融政策で是正する。

どのバブル崩壊もこの共通点があります。

・私たちはこの事から何を学び取るのか?

結局のところバブル崩壊とは正常な金融リテラシーを保てなくなった大衆が投機熱にあてられ市場原理からかけ離れた投資活動を取る事から始まる訳です。

韓国では正常な投資観念の持ち主は雷乞食と皮肉交じりに煽り立てられ、異常な投資行動の方が正常として扱われるなどが起こりました。ヨンクル族などは最たる例であり、盲目な大衆心理の行きつく果てがバブル崩壊なのです。

私たちは最後のババ抜きでテーブルに座っている訳にはいきません。ぶれなく金融リテラシーを高める事で判断力を身につけて、大きな落とし穴に嵌らないようにしたいものです。

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この記事を書いた人

佐藤大介

ライター

佐藤大介(さとうだいすけ)

ウルトラ金融大全局長
ウルトラ金融大全の監修を務めます。
金融リテラシーを高める為、セミナー講師として活動。
「超一流の口だけ男」と評される氏のセミナーは非常に分かりやすく、何度も受講するファンが沢山います。
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