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日本円に価値はあるのか?安全な通貨なのかを解説

日本円に価値はあるのか?安全な通貨なのかを解説

日本で生活していると、日頃使い慣れている日本円が最も価値のある通貨と判断していませんか。
世界各国の人々は、基本的に自国の通貨を大切にしています。

では、資産運用の観点で見たら日本円は、安全資産なのでしょうか。今回は、「なぜ、日本円が安全資産なのか」について考察してみます。

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安全資産の定義

公益財団法人国際通貨研究所が2022年8月に公開した「国際経済金融論考」では、安全通貨のことを市場がリスク回避の逃避先として移動する場所の通貨と定義しています。

世界にはさまざまな通貨があります。その中でも、日本円は米ドルやスイスフランと並んで安全通貨に位置付けられてきました。つまり、2020年8月の段階で日本円の動向となる円相場は、安全資産として捉えていることがうかがえます。※1

円相場の動きが安全資産として変動しているか

現代の相場動向は、世界情勢の影響を受けて、各国の金融政策の変更に一喜一憂している状況です。そのため、市場の変動も激しいのではないでしょうか。円相場の動きは、安全資産として変動する動きなのか気になるところです。

国際通貨研究所の「国際経済金融論考」によると、米国の株価指数が上昇傾向の場合は世界的に市場がリスクオン(高いリターンを狙う相場状況)と判断しています。その逆の場合は、米国の株価指数が下降気味であれば市場がリスクオフ(リスク回避)となり、安全資産のもとへ投資家の資金が流れるという判断です。※1

経済ニュースの予測は予測

経済ニュースでは、2023年は米経済の減速で円高になるなど、予測しています。※2

先の見通しを正確に判断できれば苦労をしないのが投資の世界です。経済ニュースで立てられている見通しは、あくまでも予測。予測は参考までにしておき、あらゆる角度から世界の通貨事情をみる必要があります。

世界の外国為替市場取引額

世界を対象にした外国為替市場取引額では、日本円の立ち位置はどうなっているでしょうか。公益財団法人国際通貨研究所が公開している「国際通貨研レポート|2022年BIS世界外国為替市場調査について」では、2022年の外国為替市場取引額の推移統計を掲載していました。

世界の外国為替市場取引額の推移と主要通貨別内訳(単位:10億ドル)

通貨

2013年

2016年

2019年

2022年

米ドル

4,662

4,437

5,811

6,641

ユーロ

1,790

1,590

2,126

2,293

日本円

1,235

1,096

1,108

1,253

英ポンド

633

649

843

969

中国元

120

202

285

526

豪ドル

463

349

446

479

カナダドル

244

260

332

466

スイスフラン

276

243

326

390

出典 ※3のデータをもとに作成

この内訳では、2022年で判断すると上位4通貨は下位の通貨との差を保ち順位に変動のない状態です。5番目に位置する中国元は、急激な上昇を見せています。上記の取引額推移に加えて、世界の主要通貨の取引額における地域別シェアデータが次のとおりです。

2022年における主要通貨の取引額の地域別シェア(単位:%)

 

英国

米国

シンガポール

香港

日本

スイス

中国

その他

米ドル

39.0

19.7

9.7

7.7

4.0

6.8

1.7

11.4

ユーロ

42.5

19.1

5.0

3.5

2.0

14.3

0.6

13.0

日本円

31.4

17.2

14.4

5.8

21.6

4.3

0.6

4.7

中国元

21.9

12.4

14.9

28.2

0.8

1.5

17.4

2.9

出典 ※3のデータをもとに作成

日本円は、英国で最も多く取引されています。この表から理解できるのは、日本国内において日本円で取引されているのは全体の21.6%ということです。つまり、日本円の取引は、8割が海外市場で行われていることが確認できます。※3

日本円が安全資産とされる理由

先述した日本円の取引シェアの実態からも、8割が海外市場で使われていることが判明しました。海外市場で買われる日本円は、安全資産としてリスクオフに活用されているとも考えられます。

東洋経済オンライン掲載の経済キャスター福永氏の見解によると、日本円が安全資産とされる理由は、次の背景があるとのことです。

  • 低金利の日本円はキャリートレードに使われるから
  • デフレ国であるため通貨の価値が上がっているから
  • 世界最大の対外純資産国の通貨だから

低金利の日本円はキャリートレードに使われるから

世界情勢が落ち着いている状況では、高金利の米ドルやユーロに投資する流れが活発になります。その際、投資家の間ではキャリートレードが使われると指摘しています。

キャリートレードとは、資金調達を低金利の通貨で行い、運用を高金利の通貨で実行する取引手法です。キャリートレードにより次のような取引で日本円は使われます。※4

世界情勢が落ち着いている場合

世界情勢が緊迫している場合

  1. 日本の金融機関から円を借りる
  2. 円で高金利通貨を購入する
  3. 高金利通貨で株や債券などに投資する
  1. 投資していた株や債券などを売却する
  2. ダイキンで受け取った高金利通貨を円に換金する
  3. 日本の金融機関に円で返済する

出典 ※4

世界情勢の両局面において、低金利の日本円の取引が活発になることが見えてきます。低金利であることから、日本円は安全資産として世界の投資家によるキャリートレードで使われている状況です。

デフレ国であるため通貨の価値が上がっているから

モノの価格が下がっている日本は、慢性デフレ国が続いています。一般社団法人一般社団法人日本経済団体連合会の公開している「世界と日本の物価の行方」では、日本が慢性デフレと急性インフレの2つの特徴を持っていると指摘しています。※5

2023年に入り、日本ではあらゆるモノが値上げになっていることから、このまま賃金も上がればデフレ脱却になるのか?という状況です。東洋経済オンライン掲載の福永氏の見解は、慢性デフレによる物の価格が下がり、通貨価値が上がっている日本の体質を表現しています。その部分をふまえて、通貨の価値がモノを通じて担保されているいままでの日本を表現していると考えられるでしょう。※4

世界最大の対外純資産国の通貨だから

日本の政府や企業は、対外資産から対外負債を差し引いた対外純資産を世界トップレベルで保有しています。東洋経済オンライン掲載の福永氏の見解では、日本の投資家が世界情勢における有事で、海外資産を日本円に戻す動きが活発になると見込んでいます。対外純資産の逃避先として日本円が選ばれれば、安全資産という定説が強まってくることでしょう。※4

日本円が安全資産なのかの判断は今後の有事と経済危機で決まる

先述した日本円が安全資産として使われる理由には、低金利やデフレ、対外純資産などが挙げました。現在も、世界情勢は混とんとしています。正しい見解を見極めるには時期尚早とも考えられるでしょう。

日本円が安全資産なのかどうかの判断は、今後の有事と経済危機で決まるのではないでしょうか。オリックス銀行で公開しているコラム「円の常識が崩壊もはや『リスクオフの円買い』は通用しない世界なのか?」では、「リスクオフ(安全資産)の円買い」を過去の格言と匂わせています。

その要因となるのがウクライナで起きている有事です。2022年2月24日以降に円は円高傾向へ振れない状況となり、円安傾向がしばらく続きました。オリックス銀行のコラムでは、以下のような円の動向が示されています。

2022年3月10日:1ドル116円→2022年3月28日:1ドル125円

ウクライナで有事が勃発した際に、リスクオフの円買いが起きなかったため、「日本円は安全資産」という定説が崩れているとのことです。同コラムでは、コロナウイルスの影響が続くなか、ウクライナの有事により日本の製造業への打撃を指摘しています。

安全資産としての不安材料では、エネルギーの高騰や部材の調達に黄信号が点滅している状況下と、貿易赤字の傾向が見え始めていることが懸念されています。今後の動向が注目されるでしょう。※6

  

定説の「日本円は安全資産」は変わるのか?今後の動向に着目しよう

日本円が安全資産であることは、世界における過去の取引から見えてきます。ただし、金融市場は世界情勢の動向に敏感です。予期せぬ情勢の変化で予測した方向ではない動きとなることも把握しておくべきでしょう。

株式や債券なども絶対ということはあり得ません。今後大切になるのは、「もし、こうなったら」と仮説を立ててリスクまでを考えた資産運用が求められるでしょう。資産運用について、知見を深めるのであれば学ぶことが不可欠です。近年はセミナーなどの開催も行われています。この機会に学んでみてはいかがでしょうか。

今回の記事はいかがでしょうか。お金に関する知識をもっと知りたい方は是非無料セミナーに参加してみてください。

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この記事を書いた人

ウルトラ金融大全編集部

ライター

ウルトラ金融大全編集部(うるきんへんしゅうぶ)

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