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キャッシュレス決済が世界の常識に!
日本のキャッシュレス決済普及率は、36%程度であり、他国と比較するととても低い水準です。目覚ましい経済成長を遂げた中国に目を向けると、普及率は80%を超え、ほとんどの人が現金を使っていません。
今後、日本がさらなる経済成長を遂げていくためには、キャッシュレス決済の普及率を上げていく必要があります。
今回は、キャッシュレス決済の概要やメリットについて詳しく解説します。キャッシュレス決済に興味がある人、利用したことがない人はぜひ参考にしてください。
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目次
キャッシュレス決済とは「現金を使わない決済サービス」
キャッシュレス決済とは、現金(キャッシュ)を使わない(レス)で決済を行うサービスのことを指します。
たとえば、地下鉄やバスなどの公共交通機関へ乗車する際、非接触型ICカード乗車券を利用されている人も多いでしょう。こういったサービスもキャッシュレス決済に該当します。
現在の日本では多くのキャッシュレス決済サービスが提供されています。また、多くの店舗でキャッシュレス決済を利用できるようになっており、急速に発展しているサービスのひとつです。
とはいえ、日本のキャッシュレス決済普及率はわずか約36%と、とても少ないのが現実です。経済大国第2位の中国を見ると、日本よりもキャッシュレス化が進み、ほとんど現金が使われていません。
今後、日本でも新貨幣の発行に伴い、キャッシュレス化が進むことが予想されます。今後の動向に目を向けるとともに、キャッシュレス決済についての知識を身につけてみてはいかがでしょうか。
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済の種類は以下のとおりです。
- クレジットカード
- デビットカード
- 電子マネー
- QRコード決済
キャッシュレス決済は「現金を使わない決済サービス」を指すため、クレジットカードやデビットカードも含みます。しかし、中国では主にスマートフォンのみで決済が完了するサービス(電子マネー・QRコード決済)が主流です。
スマートフォン決済が好まれる主な要因は、手数料の差です。いずれの決済方法も店舗側に手数料負担が発生しますが、スマートフォン決済のほうが安く済みます。そのため、クレジットカード決済等は旧世代の決済システムとも言われています。
今後、日本でもスマートフォン決済が、主なキャッシュレス決済として発展していくことが予想されます。今後の展望も踏まえ、それぞれの決済方法の特徴について詳しく解説します。
クレジットカード
クレジットカードは商品やサービスを受け取った翌月等に請求が来る、後払い決済型のキャッシュレス決済です。キャッシュレス決済サービスの中ではもっとも普及しているのが特徴です。
20代以上のクレジットカードの保有率は80%を超えていると言われていおり、多くの人に選ばれていることがわかります。
とはいえ、日常でキャッシュレス決済として利用されている人は少ないです。あくまでもネットショッピングやサブスクリプションの支払い等に利用されている人が多く、日常決済はその他の決済サービスを利用されています。
デビットカード
デビットカードは決済と同時に銀行口座から決済金額が引き落としされる、即時式の支払いサービスです。
クレジットカードと同様に利用できることから、クレジットカードを作ることができない10代や後払い決済サービスが苦手な人からも選ばれている決済方法です。しかし、その他の決済サービスと比較して、デビットカードの普及率もさほど高くはありません。
電子マネー
電子マネーは、現金をデータ化して決済する決済手段です。主に、以下の電子マネーに分類されます。
- 交通系電子マネー
- スーパー等独自の電子マネー(WAON・nanaco等)
- クレジットカード系(ID・QUICPayなど)
電子マネーはチャージ式のものと後払い式のものがあります。
交通系電子マネーはバスや地下鉄など、公共交通機関で利用できるものが多いものの、日常的な決済で利用されている人は多くはありません。
また、スーパー等独自の電子マネーは、独自のサービスを提供していることから人気度は高いものの、利用可能店舗が少ない点がデメリットです。
QR(バーコード)決済
QRコード決済(バーコード決済とも言う)は、日本では2016年頃からサービス提供が開始された比較的新しい決済サービスです。バーコードを店員に見せて読み取ってもらう方法、店舗に掲載されているQRを読み込む方法、いずれかの方法で決済ができるのが魅力です。
QRコード決済は、店舗側が端末等を購入する必要がないことから、導入のハードルが低く、今後もっとも成長していくと予想されているキャッシュレス決済です。
なお、日本国内でもっとも高いシェアを誇るQRコード決済は、「PayPay」次いで「楽天ペイ」です。
いずれも、現金をチャージしてその範囲内で利用する方法、PayPayカード、楽天カードなどのクレジットカードからチャージをする後払い決済方法が選べます。
キャッシュレス決済を利用するメリット
キャッシュレス決済を利用するメリットは、以下のとおりです。
- 簡単に決済を終えられる
- ポイントを貯められる
- 細かいお金の送金が可能
それぞれ詳しく解説します。
簡単に決済を終えられる
キャッシュレス決済の魅力は、現金のやり取りがないため簡単に決済を終えられる点です。現金の場合、お金を渡してお釣りを受け取る、という動作が必要になります。また、決済代金を数えたりお釣りの金額を数えたりなど、自分と相手の動作が増えます。
一方でキャッシュレス決済の場合「支払いは〇〇でお願いします」という言葉とカードを指す、端末に接触させる、バーコード等を示すと言う動作のみです。煩わしい動作が短縮されるため、時間効率が良くなる点が魅力でありメリットです。
ポイントを貯められる
キャッシュレス決済を利用すると、決済サービス独自のポイントを貯められるのがメリットです。たとえば、クレジットカード決済であれば、決済額に応じて0.5%〜1%程度のポイントが付与されます。
付与されたポイントは、商品と購入できたりカード代金の支払いにできたりなど現金と同じように利用できます。また、決済を行う店舗のポイントカードを併用することで、ポイント還元率の合計が2%以上となることもあり、大きなメリットになり得ます。
細かいお金の送金が可能
QRコード決済であれば、同じ決済サービスを利用しているもの同士で細かいお金の送金が可能です。
たとえば、2人が居酒屋で食事をし、1万円の支払いが発生したとしましょう。このとき、現金であれば5,000円ずつ支払えば済みますが、どちらも細かいお金がなければどちらかが一旦立て替えたり、個別に会計をしてもらったりする必要があります。
しかし、2人とも同じ決済サービス、仮にPayPayを利用しているとすればAさんに5,000円を送金してAさんにPayPayで決済してもらう、といったことが可能です。
他にも、決済額が9998円など中途半端な場合であっても、1円単位で送金できるため利便性が高いです。後からお金のやり取りを行う必要がないため、お金のトラブルを防止できるのもメリットと言えます。
キャッシュレス決済を利用する際の注意事項
キャッシュレス決済を利用する際の注意事項は、以下のとおりです。
- 停電時・電波障害時に弱い
- 使った感覚が麻痺しがち
- セキュリティリスクが伴う
それぞれ詳しく解説します。
停電時や電波障害時に決済を行えない
キャッシュレス決済は、決済端末を介したりバーコードを読み取ったりQRコードを読み込んだりなど、端末もしくは通信環境が必要不可欠です。
そのため、たとえば停電時であればクレジットカード決済や電子マネー系は利用できません。QRコード決済であれば、通信をできれば利用できる店舗も多いですが、バーコードのみに対応している場合は決済ができません。
実際、2018年に発生した北海道胆振東部地震のブラックアウト(北海道全域の大規模停電)の際は、キャッシュレス決済が一切機能しませんでした。
クレジットカードを使うことができず、バーコード決済も普及している店舗が少ない、携帯の充電ができないなどの理由から問題が発生しました。当然、ATMを利用してお金を下ろすこともできなかったため、キャッシュレス化へ向けた課題が浮き彫りとなる形となりました。
また、携帯電話の通信障害が発生した場合は、QRコード決済等のサービスを利用できません。そのため、キャッシュレスに頼りすぎると、さまざまな障害が発生した際に決済ができないトラブルが起こり得るでしょう。
なお、QRコード決済として国内No. 1のシェア率を誇るPayPayでは、インターネット回線が利用できない場合でも決済をできるサービスを提供予定です。
「使った感覚」が麻痺してしまう可能性
キャッシュレス決済は現金を使用するわけではないため、「使った感覚」を感じにくいのがデメリットです。画面上の数字は減っていくものの、実際に財布の中のお金は変わりません。そのため、「つい使い過ぎてしまった…」となることも起こり得ます。
セキュリティリスクが伴う
キャッシュレス決済には、セキュリティ面でのリスクが伴います。過去には、大手コンビニチェーンが提供していたキャッシュレス決済、セブンpayで不正アクセス問題が大きな問題となりました。
セブンpayは、2019年7月にサービスを開始後、翌日の7月2日に不正利用が発覚、その後8月1日にサービスの停止を決定、9月30日をもって廃止となりました。
これまでにセブンpay以外で大々的な不正アクセス問題は発生していません。しかし、今後起こり得る可能性もゼロではないため、その点には注意が必要でしょう。
まとめ
今回は、キャッシュレス決済について解説しました。
日本国内でのキャッシュレス決済普及率は、わずか36%であり世界的に見てとても低い水準です。経済大国であるアメリカや中国へ目を向けると、80%を超える普及率を誇っています。
キャッシュレス化と経済成長は深く関係していると言われており、今後、日本もさらなる経済成長を進めていくためには必要不可欠な決済サービスです。
2024年には新貨幣が発行され、これまで以上にキャッシュレス化が進むことが予想されています。今回紹介した内容を踏まえ、キャッシュレス化への変更を検討されてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人
ライター
林 裕二(はやし ゆうじ)
2018年にFP2級技能士。金融系WEBライターとして活動。数多のメディアで金融系記事執筆や監修を担当し、読者のお金の悩みに寄り添ってきました。現在も人々の生活に関わる「お金」や、家計の「借金問題」などをメインとしながら記事執筆を行っています。
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