ウル金ムービーはこちら

公開日:

保険

がん保険は加入すべき?かさむ治療費への対処法を解説!

がん保険は加入すべき?かさむ治療費への対処法を解説!

以前は「不治の病」と思われていたがんですが、医療の発達により早期発見・早期治療ができれば、「治癒可能な病気」となってきました。

とはいえ、お金と時間はかかります。

お金の心配だけでも回避したいと、がん保険の加入を検討する方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、がんの現状とかさむ治療費への対処法、がん保険について分かりやすく解説します。

ウルトラ金融大全が動画で見れる!
お金の事が分かる!増やせる!無料動画が公開中!

がんは2人に1人がなる時代

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.5%、女性51.2%と、男女ともに2人に一人はがんに罹患する時代です。*1

ちなみに、がんは1981年から2020年までの39年連続で「日本人の死因第1位」という、非常に不名誉な経歴を持っています。*2

引用)公益財団法人 日本対がん協会「がんの動向 2.我が国における粗死亡率の推移(主な死因別)」

また、がんの中でも死亡率がダントツで高いのは「肺がん」です。

次いで「大腸がん」「胃がん」と続きます。

出典)公益財団法人 がん研究振興財団「やさしいがんの知識2022 がんの主な部位別死亡者数の年次推移」p3

肺がんの最大の原因は喫煙です。

年間7万人が肺がんによって命を落としています。

非喫煙者と比較すると、喫煙者が肺がんになる危険度は3~4倍ほど高いそうです。*3

たばこの影響力は恐ろしいですね。

さて、「日本人の死亡要因はがんが39年連続第1位」「肺がんだけで年間7万人死亡」など、これだけ聞くと「やっぱりがんは不治の病やないかい」と思われる方も多いのではないでしょうか。

しかし、がんでの死亡率は男性26.2%で4人に一人、女性17.7%で6人に1人の割合です。*1

思ったよりも死亡率は高くないと思いませんか。

定期的ながん検診の実施や、ワクチンの接種等、がん予防対策は充実しています。

また医療技術も一昔前と比べると大幅に向上しました。

このような経緯から、がんは早期発見・早期治療ができれば治癒できる病気となってきたのです。

がん治療は外来が入院を上回る

早期発見・早期治療が可能となったがん。

ではどのような治療が行われるのでしょうか。

よくCMなどでも目にする通り、現在のがん治療は通院が主流です。

出典)厚生労働省「平成29年 患者調査(疾病分類編)」p24 より筆者作成

上記グラフでも分かる通り、昭和59年から平成14年までは、がんの治療は主に「入院」をするものでした。

ところが、徐々に「外来治療」が増え、平成23年からは外来治療が主流です。

「なんだ、通院か!それならあんまりお金がかからないじゃないか」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方は、下記の表で現実を目の当たりにしていただければと思います。

傷病名

肺がん(気管・気管支・肺)

大腸がん(結腸・直腸S状結腸移行部・直腸)

胃がん

虚血性心疾患

入院

1件当たりの平均医療費

約71万7000円

約70万7000円

約65万6000円

約78万8000円

平均日数

約11.6日

約11.4日

約11.9日

約7.8日

入院外

(通院含む)

1件当たりの平均医療費

約11万2000円

約5万円

約4万3000円

約1万6000円

平均日数

約1.6日

約1.6日

約1.6日

約1.4日

出典)厚生労働省「医療給付実態調査 令和二年度 統計表 第3表  疾病分類別、診療種類別、制度別、件数、日数(回数)、点数(金額)」より筆者作成

上記は死亡率TOP3の各がんと、がんに次いで死亡率が高い心疾患の治療にかかる平均費用と日数のデータです。

心疾患の通院費用は約1万6000円ですが、死亡率が最も高い肺がんは約11万2000円と、およそ10倍近く高くなります。

通院などの平均日数がほぼ変わらないにもかかわらず、金額が跳ね上がっていますね。

がん通院を甘く見ると、かなり痛い目をみそうです。

がんで入院する可能性は、徐々に減ってきています。しかし治療費がやたらと高いトンデモ疾患となったのです。

万能ではない「医療保険」

病気になった時の保障と聞くと、一般的には「医療保険」を思い浮かべる方が多いと思います。

「医療保険と名がつくのだから、病院に行けば給付金が出るだろう」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

しかし、実はそうではないのです。

医療保険は基本的に、「入院や手術」を対象としています。

特約などのオプションを付けない限りは、通院などで給付金を受け取ることはできません。

また、保険会社が約款に定める状態にならないと、給付金が受け取れないこともあります。

特に古い保険だと指定されている病気の数が少なく、「入院や手術」をしていても給付金が受け取れないなんてこともあります。

「病気になった=医療保険から給付金が受け取れる」という図式は、必ずしも成立しません。

つまり、がんで通院治療を行ったとしても、医療保険からは給付金を受け取ることができない可能性があります。

では、がんの治療費をまかなうためには、どのような保障を選べばよいのでしょうか。

がん治療役立つのはやっぱり「がん保険」

がんになってしまった時に役立つのは「がん保険」です。

その名の通り、がんに特化しているので、がんに罹患したときの一時金や、通院費まで幅広くカバーすることができます。

がん保険といっても、様々な商品があります。

まとまった一時金を受け取れる商品や、治療をしていれば毎月5万や10万とあらかじめ定めた金額を定期的に受け取れる商品、「自由診療」と呼ばれる100%実費の治療に対して給付金を受け取れる商品などが代表的です。

どのようなタイプを選ぶにせよ、がん保険は入院や手術をしなくても、がんの治療を受ければ給付金がもらえます。

入院や手術を伴わない通院治療や、予想外に高額な入院手術代など、医療保険ではオプションを付けないとカバーできない治療費も、がん保険でならカバーすることができるでしょう。

加入中の医療保険だけでは心もとないという方は、医療保険だけでなくがん保険への加入も検討してみてください。

ちなみに、古いタイプのがん保険だと通院治療がカバーできていなかったり、上皮内がんという悪性でないタイプのがんだと給付金がもらえなかったりします。

いざという時役に立たない保険にがっかりさせられるかもしれませんので、必要に応じて見直しも検討してみてください。

治療費がかさむなら「高額療養費制度」

がんの治療費が高額になるケースは様々あります。

例えば、治療が長期にわたるケースや、全額実費の先進医療や自由診療による治療を行ったケースなどです。

一口に「がん」と言っても、部位ごとに治療費が異なります。

早期発見できたかどうかによっても、変わってくるでしょう。

とはいえ、「がんの治療費が予想外に高額になってしまったらどうしよう…」というのは人類共通の不安ではないでしょうか。

でも安心してください。日本にはいざという時に役立つ、素晴らしい制度があります。

その名も「高額療養費制度」です。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(1日から末日まで)で上限額を超えた場合、超過分を支給する制度です。

上限額は、年齢や所得に応じて定められています。

また、いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減するしくみもあります。*4

例えば、 70歳以上で年収約370万円~770万円(医療費は3割負担)の方が、 1か月間に入院と通院治療を行い、医療費100万円、窓口負担30万円を払った場合で計算してみましょう。

(入院中の食事代や差額ベッド代は除きます。)

ひと月の上限額(世帯ごと)の計算式は以下のようになります。

80,100円+(医療費-267,000)×1%

そのため、80,100+(1,000,000-267,000)×1% となり、自己負担額は87,430円となります。*5

高額療養費制度が該当するかは、加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽ支部など)や、住民票のある自治体に問い合わせてみてください。

高額療養費制度の落とし穴

人によっては3分の1程度しか自己負担がないという、最高に素晴らしい高額療養費制度。

しかし、知らないと泣きを見る注意点があります。

「自由診療」や「先進医療」による治療費は対象外

高額療養費制度は、保険適用の診療のみが対象です。

そのため、保険適用でない「自由診療」や「先進医療」にかかる治療費は、対象外となります。*6

自由診療も先進医療も100%自己負担になるため、治療費はかなり高額です。

がん治療の際に自由診療や先進医療を視野に入れるなら、がん保険を利用するなどして金銭的な不安を回避する必要があるでしょう。

食事代や個室での入院も対象外

また、「入院中の食事代」や「差額ベッド代」なども対象から外れるため、注意してください。*6

特に入院中の食事代は意外とかさみます。

入院中の食事は、一般の方だと1食につき460円です。*7

「朝昼晩、毎日上げ膳据え膳、しかもワンコインで食べられるなんて!」と喜ぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところが、ちりも積もればとはよく言うもので、1日3食食べると1380円です。

長期入院となると、かなり懐を圧迫します。

ちなみに、以前の職場の同僚は、かっすかすの台湾カステラや、ほぼ味のしないクッキーなどのおやつが1日2回出たそうです。

満足度は非常に低かったようですが、こちらも1食460円となります。

10日入院した同僚は、1日5食×460円×10日で食費だけでも23,000円も取られたと嘆いていました。

このように、入院中の食事は案外高額な割に見落とされがちです。

意外と食事代がかかるということは、覚えておいて損はないでしょう。

支給までに3か月程度の時間がかかる

高額療養費は、申請後、各医療保険で審査した上で支給されます。

しかしこの審査は、レセプト(医療機関から医療保険へ提出する診療報酬の請求書)の確定後に行われるため、受診した月から3か月程度かかるのです。*8

高額療養費制度は基本的に後払いになるため、支給を受けられるまでの間は、一時的に治療費を自分で負担しなくてはなりません。

翌月にもさらに治療費がかかるという状況だと、かなり負担が大きくなるでしょう。

高額療養費の支給には時間がかかることは、よく覚えておいてください。

医療費が高額になる前に「限度額適用認定証」を申請しておく

医療費が高額になることがあらかじめ予想できる場合は、事前に「限度額適用認定証」を申請しておくとよいでしょう。

限度額適用認定証を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示すると、1か月(1日から月末まで)の窓口での支払いを、自己負担限度額まで抑えることができます。

限度額適用認定証は申請から1週間ほどで自宅に届くようです。

詳細は、加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽ支部など)や、住民票のある自治体に問い合わせてみてください。*9

まとめ

今やがんは「死んでしまう病気」でなくなりつつあります。

その代わり、長く付き合い続ける金食い虫な病気に変化してきました。

治療の選択肢が広がり、お金さえあれば自由診療や先進医療など、治療の幅も広がるのが現状です。

がんの治療による金銭的な不安を払しょくするためには、「がん保険でカバーする」「貯金で賄う」など、様々な選択肢があります。

自分にとって最良の選択をするには、知識が必要です。

本稿がその助けになれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。

*1出所)がん情報サービス「最新がん統計 1.最新がん統計のまとめ」

*2出所)公益財団法人 日本対がん協会「がんの動向」

*3出所)公益財団法人 がん研究振興財団「やさしいがんの知識2022 気になる肺がんの原因は?」p3

*4出所)厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

*5厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ 高額療養費制度とは、このような制度です」p3-5

*6出所)厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ Q2.どのような医療費が、高額療養費制度の支給の対象となりますか。」p10

*7出所)全国健康保険協会「入院時食事療養費」

*8出所)厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ Q3.高額療養費を申請した場合、支給までにどのくらいの時間がかかりますか。」p11

*9出所)全国健康保険協会「医療費が高額になりそうなとき(限度額適用認定)」

今回の記事はいかがでしょうか。お金に関する知識をもっと知りたい方は是非無料セミナーに参加してみてください。

ウルトラ金融大全が動画で見れる!
お金の事が分かる!増やせる!無料動画が公開中!

この記事を書いた人

齋藤佑美

ライター

齋藤佑美(さいとうゆみ)

複数の大手メディアでコラムを執筆する2児の母。
FP上位資格のAFP、生命保険協会認定FP資格であるTLC取得。
女性に寄り添ったコラムが好評を得、週刊女性にて記事の監修を行う。
お金の知識や現場の体験を踏まえた記事に定評がある。


保険の記事一覧はこちら

ウル金ムービーはこちら

ウル金ムービーはこちら