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野原ひろしのスペック

野原ひろしのスペック

子供の頃見ていたアニメのキャラクターの年齢を、気が付いたら超えていて驚いたという経験はありませんか?

当時は何の気なしに見ていたアニメでも、大人になって改めて内容や設定を考えると、キャラクターのスペックや行動力に驚くこともあるでしょう。

国民的アニメとして実に30年以上放送が続いている「クレヨンしんちゃん」。誰でも一度は視聴したことがあるはずです。今回はクレヨンしんちゃんの父親である野原ひろしにスポットを当てた話をしようと思います。

アニメ内では「安月給」と、しんのすけやみさえに罵倒されることも多いひろしですが、本当にひろしは安月給なのでしょうか?

意外と謎の多い野原ひろしの真の姿に迫ります。

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野原家の家族構成

まずは野原家の家族構成をみていきましょう。
・野原ひろし…1957年生まれの35歳 双葉商事に勤務するサラリーマン 役職は営業部の係長
・野原みさえ…1963年生まれの29歳 専業主婦
・野原しんのすけ…1987年生まれの5歳 ふたば幼稚園のひまわり組(年中さん)
・野原ひまわり…1996年生まれの0歳(アニメの途中で誕生したため、しんのすけとの年齢差の齟齬があるようです)     
・野原シロ…野原家のペット オスの雑種犬

野原家は子ども2人がいる4人家族です。ひろしとみさえは、ひろしが27歳、みさえが21歳の時に出会い、その後結婚しています。年齢設定をみると、みさえが若くして2児の母になっていることが分かりますね。

野原ひろしの職業

それではいよいよ野原ひろしについて詳しくみていきます。野原ひろしは霞が関にある商社「双葉商事」に15年間勤務しており、役職は営業部の係長です。ひろしは現在35歳で係長というポジションについていますが、この昇進スピードは一般的にみてどうなのでしょうか。

令和3年度の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、係長級に就任している人の男性の平均は45.1歳、勤務年数は18.1年間です。

また一般財団法人労務行政研究所が2010年に発表した調査によると、大卒の実際の昇進状況として、係長の平均昇進年齢は39.6歳、最年少者は31.4歳とされています。

ひろしは勤続年数が15年ですので、高卒あるいは短大卒相当であると推測されます。これらをひろしの年齢や勤続年数とあてはめてみると、平均よりも早く昇進していることがわかりますね。

また、2015年公開の「クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」ではメキシコ支社の部長にも昇進していました。(最終的にメキシコでの事業は頓挫し、日本に戻った後は元のポジションに戻っています。)

ひろしの出世のペースや新事業支店への抜擢をみると、意外とひろしは仕事では有能なのかもしれません…!

野原ひろしの年収

野原ひろしの年収のヒントとなるキーワードがアニメのシーンでいくつか描写されています。

ひとつ目は1994年に放送された「ひさんな給料日だゾ」。この回ではひろしの1ヶ月分の給料として30万円をATMで引き出すシーンがありました。この給料が手取りだと仮定すると、額面ではおよそ38万円ほどになります。

さらにひろしは霞が関に本社を置くような大企業に勤めているため、年に2回それぞれ基本給の2ヶ月分相当の賞与を受け取っている可能性が高いです。これらを考慮すると、年収は約600万円と推測できます。
ふたつ目は1995年放送の「劇画クレヨンしんちゃん2」です。

このエピソードでは、ひろしが課長からもらった宝くじの1億3000万円がもしも当たっていたらどうするかという家族会議中に、ひろし本人が「父ちゃんの給料20年分くらい」と発言しています。

1億3000万円が20年分ということは、年収は650万円という計算になります。明確な給料は明らかにはなっていませんが、これらの描写から600万円から650万円の給料であることが推測できますね。

野原ひろしと同年代・同役職の平均年収

それでは、ひろしと現代の一般的な平均的な給料を比較してみましょう。ここではひろしの勤める双葉商事は大企業で、役職は係長であることを前提としています。

厚生労働省が発表した令和3年賃金構造基本統計調査によると、35~39歳の大企業に勤める男性の平均月収は36万4400円、係長の役職では平均は37万6700円となっています。

これらを年収換算すると、大企業での年収平均は583万400円、係長は602万7200円です。役職あたりの平均賃金は年齢による統計とは別ですので、30代半ばの若い係長はこの平均よりもやや低いことが予想されます。

つまり、ひろしが比較的若く係長になっている経緯を考えると、ひろしは平均から見て少し高い給与をもらっていると言っていいでしょう。

それぞれの平均月収・年収

 

野原ひろし

大企業(35~39歳)

係長(年齢区分なし)

平均月収

推定38万円

36万4400円

37万6700円

平均年収

推定600~650万円

583万400円

602万7200円

野原家の住宅は?ローンは? 

野原家は埼玉県春日部市の一軒家に家族で住んでいます。野原家の間取りは1階にダイニングキッチンと和室2つ、2階に洋室が2つの4DKです。

大手不動産会社の調査による一戸建ての価格相場によると、春日部市の4DKの相場はおよそ3084万とされています。実はアニメ内で「住宅ローンがあと32年だ」と言っているシーンをよく見かけます。

では、実際にひろしは何年のローンを組んだのでしょうか。根拠とできるのは、2020年に放送された「若い二人はこうして家を買ったゾ(前半・後半)」です。

この回は新築建売で売れ残っていた物件を購入するという話なのですが、しんのすけを含めた3人は3年前までアパートに住んでいたという描写があります。また住宅ローンは1カ月おきに細かく設定ができますが、5年単位で設定している人が多い印象を受けます。

3年前に住宅を購入したタイミングや住宅ローンの組み方を加味すると、ひろしは今の住宅に35年のローンを組んでいることが推測できます。

住宅ローンとして有名なフラット35によると現在の住宅ローンの金利の平均はおよそ2%となっています。これを考慮すると、頭金なし、ボーナス払いをなしで仮定した場合、月々の返済額は99,378円となります。ところが、実は野原家は一度家を建て直しているのをご存じでしたか?

2001年に放送された「突然家が大変だゾ」によると、なんと野原家はガス漏れにより大爆発を起こし家が吹き飛んでしまうのです。

ところが次の回の「オラの家がなくなったゾ」では、みさえが内緒で火災保険に入っていたことが分かったため、保険で全く同じ間取りの家を建てることになりました。

新しい家は保険でまかなえたものの、もともと購入した家に関しては住宅ローンの免責とはならなかったようで、いまだにローンを支払い続けています。

まとめ

アニメ「クレヨンしんちゃん」の父親である野原ひろしは大企業に勤める年収600万円~650万円の比較的高収入であることがわかりました。

それでもみさえに「安月給」と言われてしまうのは、今回推察されたことを総合すると、手取りが30万円の中から住宅ローンを約10万円支払い、子ども二人と専業主婦の家族を養うのは少し心許ないためなのかもしれません。

アニメは放送開始から30年以上続いているとはいえ、キャラクター達や時代・社会背景の設定は平成初期のものであるため、現在の生活とは若干異なる点はあるでしょう。

しかし35歳で2児のパパのひろしは、庭付きの一戸建てを購入し自家用車も所有して、1馬力で妻子3人を養い、犬まで飼っています。

これは現代の感覚と比較しても、十分立派な「一家の大黒柱」といえるのではないでしょうか。

アニメを観る際には、主人公だけでなく、周りのキャラクターの職業や年収などを自分と比較しながら観てもおもしろいかもしれませんね。
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この記事を書いた人

渡辺あい

ライター

渡辺あい(わたなべ あい)

銀行員として勤務の後ライターへ
4人の子供の母としてもお金の観点を持つ事が出来るのが記事の魅力。
FPの資格を活かした金融の記事に定評がある。

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