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不動産

不動産売却に伴う税金は4種類!計算・納税方法を詳しく解説

不動産売却に伴う税金は4種類!計算・納税方法を詳しく解説

人生で不動産の売却を何度も経験する人は少ないです。そのため、不動産売却に伴う税金について、不明点が多い人も多いのではないでしょうか。

「納税は国民の義務」と憲法で定められているため、不動産売却に伴う納税も正しく行わなければいけません。「知らなかった」では済まされず、正しい知識を持って正しく納税をする義務が国民にはあります。

そこで今回は、不動産売却に伴う税金の種類や計算方法、納税方法まで詳しく解説します。不動産の売却予定がある人、不動産を売却した人はぜひ参考にしてください。

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不動産売却に伴う税金の種類

不動産売却に伴う税金は、以下のとおりです。

  • 所得税・住民税
  • 印紙税
  • 登録免許税

まずは、不動産売却に伴う税金の種類や計算方法について詳しく解説します。

譲渡所得に対する「所得税・住民税」

不動産の売却によって利益が出た場合は、譲渡所得として所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得の計算方法は以下のとおりです。

収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除=課税譲渡所得金額
上記の計算式で計算を行い、算出された課税譲渡所得金額をもとに所得税と住民税を計算、課税されます。

【注意】
譲渡所得は、その他の所得と分離して計算を行う方法(分離課税)で課税されます。

【例】
収入金額:3,000万円
取得費※:1,000万円
譲渡費用:150万円
特別控除:なし
※取得費は以下の方法で算出します。

・土地の場合→購入代金、購入手数料の合計額
・建物の場合→建物購入代金の合計額などから、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額

上記例の譲渡所得の計算方法は、以下のとおりです。
3,000万円−(1,000万円+150万円)−0円=2,150万円(課税譲渡所得金額)
つまり、2,150万円に対して所得税が課税されます。譲渡所得に対する所得税率は以下のとおりです。

【短期譲渡所得の場合】

短期譲渡所得は、所有期間5年以下の不動産譲渡に対する税率です。

所得税

住民税

30%

9%

【長期譲渡所得の場合】

長期譲渡所得は、所有期間が5年を超える不動産譲渡に対する税率です。
一般譲渡所得の場合

所得税

住民税

15%

5%

10年超の居住用財産の譲渡

 

所得税

住民税

6,000万円以下の部分

10%

4%

6,000万円超の部分

15%

5%

税率は上記のとおりです。なお、2013年〜2037年までは2.1%の復興特別所得税が加算されます。

不動産売買契約書に貼付する「印紙税」

不動産の売買を行う際に取り交わす契約書に、印紙を貼付しなければいけません。これを、「印紙税」と言います。
印紙税の税額は、契約書に記載されている金額をもとに決定します。つまり、売買金額に対して印紙税が発生するものと考えておけば良いです。印紙税額は以下のとおりです。

記載金額

印紙税額

1万円未満

非課税

10万円以下

200円

10万円超50万円以下

400円

50万円超100万円以下

1,000円

100万円超500万円以下

2,000円

500万円超1,000万円以下

1万円

1,000万円超5,000万円以下

2万円

5,000万円超1億円以下

6万円

1億円超5億円以下

10万円

5億円超10億円以下

20万円

10億円超50億円以下

40万円

50億円超

60万円

契約金額の記載がないもの

200円

参考:印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

名義変更に伴う「登録免許税」

不動産売買に伴い、所有者の名義変更を行わなければいけません。このときに発生する税金が「登録免許税」です。登録免許税額は建物・土地それぞれで計算をします。

【土地の登録免許税率】
不動産の価額×2%=登録免許税額

【建物の登録免許税率】
不動産の価額×0.4%=登録免許税率
その他、売買する不動産の種類によってさまざまな軽減税率が適用されます。

参考:登録免許税の税額表|国税庁

なお、登録免許税を支払うのは一般的に買主です。そのため、売主が負担をするケースは少なく、あまり気にする必要はないでしょう。ただし、登録免許税法では、買主・売主共に連帯責任を負うと記載されているため注意してください。

不動産売却時の節税対策

不動産売却に伴う節税対策として有効な方法は以下のとおりです。

  • 特例をすべて活用する
  • 譲渡所得は損益通算が可能

「特例」をすべて活用する

不動産売買の際は、不動産の種類や当事者の状況などさまざまなことに対して特例を利用できる場合があります。売却時に利用できるすべての特例を漏れなく活用することで、課税所得を大幅に抑えられ、大きな節税効果に期待ができます。
不動産売買に伴う主な特例は、以下のとおりです。

  • マイホームを売ったときの特例
  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  • 特定のマイホームを立て替えたときの特例
  • 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除
  • 被相続人の居住用財産を売ったときの特例
  • マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  • 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  • 収用等により土地建物を売ったときの特例
  • 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の特別控除
  • 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除
  • 農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の所得の特別控除

それぞれ利用するための条件があるため、注意してください。不動産売却時に何を利用できるのか確認されてみてはいかがでしょうか。

譲渡所得は損益通算が可能

不動産の売買は譲渡所得として計算をするため、損益通算が可能です。

【損益通算とは】
「所得」は細かく10種類に分けられており、譲渡所得もその1種類です。譲渡所得で赤字(損失)が出た場合は、その他の所得の利益と合わせて計算することができます。これを「損益通算」と言います。

不動産を売却した結果、損失が出た場合は損失分をその他の所得から差し引くことができます。

たとえば、会社員として働かれている人がマイホームを売却した結果、譲渡所得で赤字(損失)が発生したとします。この場合、会社員として得ている給与所得と損益通算を行うことができるのです。

仮に、譲渡所得で300万円の赤字が発生した場合は、給与所得から300万円を差し引くことができます。結果的に、源泉徴収されていた税金が戻ってくる仕組みです。

また、その年で控除しきれなかった損失分は、翌年以降にも繰越が可能です。そのため、大きな節税効果に期待ができます。

不動産売却に伴う税金の納税方法

不動産売却に伴う税金の種類は、印紙税・登録免許税、所得税・住民税です。それぞれ、どのようにして納税するのかについて解説します。

不動産売買契約時に「印紙税」が発生

印紙税は、不動産の売買契約が成立し、実際に契約書を取り交わす際に貼付しなければいけません。印紙税の納税方法は、契約書に印紙を貼付することで納めます。印紙は、郵便局や法務局で購入できるため、必要代金分の印紙を購入して貼付します。

なお、印紙代の負担は売主と買主のどちらが負担しても良いです。ただ、売買契約を定めている民法では、売主と買主の双方が負担することとされています。また、印紙税法でも、文面に記載されている当事者が負担するように記載されています。よって、売主・買主双方が保有する契約書に自分の分を貼付するのが一般的です。

不動産登記を行う際に「登録免許税」が発生

売買契約の締結が完了し、物件を引き渡す際には不動産登記を行わなければいけません。そして、不動産登記を行う際に、登録免許税が発生します。

登記申請を行う際に登録免許税相当額の金額を併せて納税しなければいけません。納税方法は、現金が原則ですが、オンライン申請を利用された場合は電子納付等が可能です。

なお、登録免許税の納税は、基本的に買主が納めます。ただ、登記免許税法では、当事者が連帯して納税義務を負うと記載されています。そのため、売主・買主双方の判断によっては、双方で連帯して納付を行ってください。

譲渡所得で利益が出た場合は「所得税・住民税」を納税

不動産売買で利益が出た場合は、譲渡所得として確定申告をしなければいけません。確定申告の時期は、譲渡利益が発生した年の翌年の2月16日から3月15日までです。また、原則として確定申告と同時に所得税を納税します。

住民税は不動産を売買した翌年の5月頃に納税通知書が送られてきます。記載されている期日までに、お支払いを完了させれば良いです。なお、譲渡所得で損失が発生した場合であっても、損益通算が可能であるため、確定申告を行っておいたほうが良いです。

譲渡所得の確定申告の流れ

譲渡所得の確定申告時期は、不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの1ヶ月間です。この期間内に申告をしなかった場合は、ペナルティを課されてしまうため注意してください。
確定申告の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 確定申告書の作成
  2. 所轄税務署へ確定申告書を提出
  3. 納税

確定申告書は税務署へ行って受け取る方法のほか、国税庁のHPからも取得可能です。手元に書類を用意した上で必要事項を記入して提出をすれば良いです。

また、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」より、確定申告書類の作成ができます。初めて申告をする人でも簡単に作成できるためおすすめです。マイナンバーカードを所有している人であれば、e-taxサービスを利用してそのままWEB上で確定申告書類の提出が可能です。

その後、所定の方法によって所得税を納税すれば、譲渡所得に対する所得税の納税義務を終えます。

まとめ

今回は、不動産売却に関わる税金について紹介しました。

不動産売却で発生し得る税金は、「所得税・住民税」「印紙税」「登録免許税」の4種類です。いずれも、不動産売買を行った当事者に納税義務がある税金です。

税金は、納税しなければペナルティを課されるなど、厳しい側面を持っています。そのため、今回解説した税金の種類や計算方法、納税方法を参考にしていただき、正しい納税を目指してください。また、納税方法について不明な点がある場合は、お近くの税務署や税理士などへの相談も可能です。

この記事をきっかけに金融リテラシーを高め、より良い手段の参考にしていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

林 裕二

ライター

林 裕二(はやし ゆうじ)

2018年にFP2級技能士。金融系WEBライターとして活動。数多のメディアで金融系記事執筆や監修を担当し、読者のお金の悩みに寄り添ってきました。現在も人々の生活に関わる「お金」や、家計の「借金問題」などをメインとしながら記事執筆を行っています。

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