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貯蓄

ジュニアNISAのこれからについて

ジュニアNISAのこれからについて

「令和5年度税制改正大綱」にてジュニアNISAが廃止されることが発表されました。
ジュニアNISAでの新規買付は2024年以降できなくなります。
この記事では今後の対策について解説していきます。

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ジュニアNISAの廃止は2023年

2016年に制度が開始さてたジュニアNISAですが、引き出し制限や手続きの煩雑さが原因となり制度運用があまりうまくいっていませんでした。
一般投資家に上手く浸透しなかったことから、2023年末をもって廃止されることが決定しています。

2024年以降はジュニアNISAでの新規投資ができません。
教育資金について懸念を持つ世帯にとっては代替手段を講じるなどが必要になってきます。
ジュニアNISAの代替手段を考える前に、まずは次項で必要な教育資金の額を確認していきましょう。

必要な教育資金はどれくらい?

下記表は、日本政策金融公庫の「教育費に関する調査結果(2021年)」による「高校入学から大学卒業までにかける教育費用」の調査結果です。

【入学先別の高校入学から大学卒業までにかける費用】(単位:万円)

入学先

高専・専修 ・各種学校

私立短大

国公立大学

私立大学文系

私立大学理系

教育費用

545.8

628.3

743.0

951.6

1,083.4

引用:日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果(2021年)」

最も教育費が高くなるのは私立大学の理系学部へ進学した場合で、教育にかかる費用の累計は約1,083万円となっています。

また、自宅から離れた大学へ通う場合は、仕送りや1人暮らしの準備にかかる費用も考えなくてはなりません。同調査の結果によると、自宅外通学者への年間仕送り額の平均は95.8万円、自宅外通学を始めるための費用は平均38.7万円となっています。

仮に4年間仕送りを続けるとすると、自宅外通学にかかる費用は次の通りです。

95.8万円×4年+38.7万円=421.9万円

これらの結果から、四年制の大学へ進学する場合は、約1,160万~1,500万円の準備が必要となります。

なお、この資金は一度にまとまって必要となるわけではないため、「高校入学時までに1,500万円を準備しなくてはいけない」ということではありません。各家庭の事情を踏まえたうえで、「大学の入学までに500万円準備する」、「大学の学費は奨学金の利用も検討する」など、それぞれの貯蓄計画を立てましょう。

ジュニアNISA廃止後はどうする?教育資金の準備方法

では、次に教育資金の準備方法について考えていきましょう。ジュニアNISAが廃止となったあとの運用方法として、主に4つの手段が考えられます。

・親権者のNISA口座を活用する
・学資保険を活用する
・個人年金保険を活用する
・外貨建て保険を活用する

それぞれ詳しく解説していきます。

親権者のNISA口座を活用する

ジュニアNISAは2023年末で廃止されますが、成人NISAは2024年から機能が拡充されることが決定しています。2024年以降の新NISAの概要は次の通りです。

 

つみたて投資枠

成長投資枠

生涯投資枠

1,800万円(内成長投資枠は1,200万円)

毎年の非課税枠

120万

240万円

投資方法

積立投資のみ

積立投資・一括投資

対象金融商品

金融庁の基準をクリアした投資信託・ETF(現行つみたてNISAと同様)

・上場株式(国内外)
・投資信託
・ETF(一部対象外あり)

年間非課税投資枠は360万円に増加し、1人あたり最大1,800万円まで非課税で投資することが可能です。子供の教育資金の準備として、親権者のNISA口座を活用するのもよいでしょう。
「資産運用シミュレーション」を利用して、子供が生まれたときから高校入学までの15年間の運用結果を試算してみます。

増えていく教育費グラフ

画像引用:金融庁「資産運用シミュレーション」

月5万円の積立額を年3%で運用すると、15年後は約1,135万円となり、約235万円の運用益が得られる結果となります。仮に預貯金で1,130万円を貯めるとなると、月6万3,000円の積立額が必要です。
このことから、上手くNISA口座を活用することで、効率よく教育資金を貯められることが分かるでしょう。

ただし、NISA口座での資産運用には、損失が発生するリスクを考慮しなければなりません。教育資金は必要となる時期が決まっていることから、あまり大きなリスクを取れない特徴があります。NISA口座を活用するときは「ハイリスク・ハイリターン」を狙うのではなく、「ローリスク・ローリターン」の運用を心がけましょう。

学資保険を活用する

教育資金の準備方法には、学資保険を活用する方法もあります。学資保険とは、子供の教育資金を貯めることを目的とした貯蓄型の保険商品です。学資保険は多くの保険会社が取り扱っていますが、基本的には毎月保険料を支払い、大学入学などのタイミングで満期を迎えることが一般的です。

学資保険の多くは日本の長期国債で運用しているため、近年は返戻率があまり高いとはいえませんが、「計画的に貯蓄ができる」という点は大きなメリットでもあります。

また、学資保険は保険契約者に万が一のことがあった場合、その後の保険料の支払いが免除される特約もあります。「教育資金を準備しながら、もしもの事態にも備えたい」という人は学資保険の利用を検討してみるとよいでしょう。

個人年金保険を活用する

個人年金保険を活用して教育資金に充てる方法もあります。
個人年金保険は、主に私的年金の備えとして利用される保険ですが、満期を子供の年齢に合わせて設定すれば、教育資金として受け取ることも可能です。

個人年金保険は保険料払込期間の後に据置期間を設定することで、返戻率が上がる仕組みとなっています。分かりやすくいうと、「すべての保険料を払い込んだ後、保険金を受け取るまでにタイムラグを作ると、受け取る保険金の総額が増える」ということです。

そのため教育資金の準備として活用する場合は、「10歳までの10年間払い込みをして、15歳までを据置期間とする」など、必要となる時期の少し前に払込満了期間を設定するとよいでしょう。

また、保険商品によっては、後から年金(教育資金)の受け取り開始時期を変更できるものもあります。たとえば「子供が15歳になるタイミングを満期にしていたけど、18歳に変更したい」といった場合も、ニーズの変化に合わせて契約内容を変更できます。
「保険で手堅く準備しつつ、家計の変化にも柔軟に対応したい」という人は、個人年金保険の活用を検討してみましょう。

外貨建て保険を活用する

保険商品を活用して教育資金の準備をする場合は、外貨建て保険も選択肢のひとつです。
外貨建て保険は米ドルや豪ドル建てで運用を行う保険で、円建て保険に比べて利率が高い傾向にあります。前述の個人年金保険にも外貨建ての商品があるため、「円建て保険の返戻率に満足できない」と感じる場合は、外貨建て保険も検討してみましょう。

ただし、外貨建て保険を活用する場合は、為替リスクについて理解しておく必要があります。外貨建て保険は外貨ベースで運用を行うため、満期時に円高へ推移していると元本割れをしてしまう可能性があります。
「どれくらい円高になると元本が割れるか」という損益分岐レートは、保険の設計書にも記載されているため、必ず申込時に確認しましょう。

なお、外貨建て保険は外貨で受け取ることができる商品もあります。外貨で受け取る場合は、為替リスクを考慮する必要がない点もメリットです。「大学在学中の留学資金をドル建てで準備したい」といった場合は、外貨建て保険を活用するとよいでしょう。

2023年のジュニアNISAは使うべき?

ジュニアNISAは2023年末まで口座開設・新規買付が可能です。これまでジュニアNISAを活用していなかった人も、18歳まで引き出し制限が緩和されたことから、「今からでも利用した方がいいのでは」と悩んでいる人もいるかもしれません。

2024年以降も成人の新NISAを利用する場合は、2023年のジュニアNISAを併せて利用することで非課税枠の最大額を広げることができます。たとえば、親権者の新NISAだけを利用する場合は、生涯投資枠の1,800万円が最大の非課税枠になりますが、ジュニアNISAを利用すると+80万円の非課税枠が得られます。

「より非課税枠を活用して運用したい」という場合は、2023年のジュニアNISAの利用を検討しましょう。

ただし、新NISAでの投資と違って、ジュニアNISAは「時間分散での投資ができない」という点に注意が必要です。

成人の新NISAは制度が恒久化されるため、長期間かけて分散投資することができます。一方、ジュニアNISAは2023年内の投資に限られるため、積立投資であっても買付期間を長期間分散することができません。そのため、「長期分散する場合に比べてリスクを低減できない」というデメリットがあります。

よりリスクを抑えてジュニアNISAを活用するためには、「値動きの少ないバランスファンドや債券ファンドを選ぶ」といった工夫をするとよいでしょう。

教育資金の準備は計画的に行おう

2024年末でのジュニアNISA廃止を受けて、「教育資金の準備をどうしよう」と悩んでいる人も多いかもしれません。ジュニアNISAの代替手段には、「成人NISAの活用」や「学資保険」、「個人年金保険」など多くの種類があります。

大学卒業までに必要となる教育資金は金額も大きいため、早いうちからしっかりと準備しておくことが大切です。家庭のリスク許容度に合った運用方法を選び、計画的に備えましょう。

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この記事を書いた人

ウルトラ金融大全編集部

ライター

ウルトラ金融大全編集部(うるきんへんしゅうぶ)

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