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資産運用
【元銀行員が語る】富裕層に共通する特徴とは?
筆者は銀行員として10年間外回り営業を経験してきた中で、多くの富裕層の方に出会ってきました。もちろんお客さまにはさまざまなタイプの方がいらっしゃいますが、「富裕層には共通した特徴がある」ということを常々感じていました。
今回の記事では、その経験から富裕層に見られる特徴を「お金の考え方編」と「ライフスタイル編」に分けて紹介していきます。
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目次
1.そもそも日本に富裕層ってどれくらいいるの?
「富裕層」と聞くと、どれくらいの資産を持っている人を思い浮かべるでしょうか。富裕層に細かい定義はないのですが、野村総合研究所が実施している調査では「金融資産が1億円以上ある人」を富裕層としています。
野村総合研究所が2023年3月に発表した最新の調査によると、2021年における日本の世帯分布図は下記の通りです。
画像引用:野村総合研究所「2021年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模」
富裕層が139.5万世帯、資産5億円以上の超富裕層が9.0万世帯となっており、富裕層の合計は148.5万世帯との結果が出ています。全世帯数は5,413.4万世帯ですので、富裕層が占める割合は全体の2.7%となる計算です。
日本では圧倒的にマス層の世帯が多く、富裕層はかなり限られた存在であることが分かります。
2.富裕層を見た目で見抜くのは難しい
富裕層やお金持ちというと、ハイブランドの洋服を着ていたり、高価な時計や車を好んだりする人をイメージするかもしれません。
筆者が銀行員として出会ってきた方の中には、もちろんそういう方もいらっしゃいましたが、一方で「派手な身なりや高価なアイテムには無頓着」という方にも多く出会いました。むしろ、筆者が出会った中で最も多くの資産を持っていたお客さまは、「洋服は着られたら何でもいい」とおっしゃっていましたし、車も多くの人が乗っているような国産車に乗られていました。
洋服や時計、車などにお金をかけるのは各個人の好みの問題ですし、それだけで富裕層かどうかを判断するのはかなり難しいといえます。
3.【お金への考え方編】銀行で出会った富裕層に共通する特徴
ひとくちに富裕層といっても、さまざまな方がいらっしゃいます。しかし、筆者が銀行員として多くのお客さまと接してきた中で、富裕層にはいくつかの共通点があることに気が付きました。まずは、「お金の考え方」に関する特徴を紹介していきましょう。
特徴①コンビニATMを使わない
これはほぼ100%といっても良いほどですが、富裕層でコンビニATMを使っている方を見たことがありません。(もちろん筆者が出会ったお客さまの中で、です)
コンビニATMを使うと通帳にその旨が記載されるため、すぐに銀行側でも利用履歴が分かるのですが、まず富裕層のお客さまからお預かりする通帳で、コンビニATMで入出金を行った明細がある方はいませんでした。
筆者の勤めていた銀行では、コンビニATMを使うと手数料がかかりますので、「無駄なコストは支払いたくない」という意識があったのかもしれません。たしかに1回あたりは数百円のコストでも、回数が重なればコストも膨らみます。
富裕層になるためには、そうした小さな出費をなくしていくことが大切なのかもしれません。
特徴②税制への理解がある
富裕層は税負担も大きいことから、皆さん必ず税制に関するさまざまな知識をお持ちでした。「所得税や住民税の負担を抑えるためにふるさと納税をしている」、「相続税対策として子供たちに毎年生前贈与をしている」など何かしらの節税に取り組んでおり、税金への対策を考えていない方はいません。
会社員として働いていると税金や社会保険料が給与から天引きされるため、「自分が毎月どれくらい税金を納めているか」ということが分かりにくいかもしれません。しかし、実際に給与明細を確認してみると、その支払い負担の大きさに驚くのではないでしょうか。
富裕層を目指すためには、まず税制への理解を深め、毎月の支払い負担を少しでも抑える方法を考えてみましょう。
特徴③税制の改正や新しい制度に敏感
日本の税制は、社会の変化に対応するために毎年改正が行われています。何気なく過ごしているとあまり気にするニュースではないかもしれませんが、富裕層の方は必ずどのような税制改正が行われているかチェックをしています。これは、「税制は自分たちの生活や資産に直結するものだ」という意識があるためです。
税制改正のもととなる「税制改正大綱」は毎年年末に公表されるのですが、「年末はお客さまと税制改正に関する話をする」というのがお決まりでもありました。
また、富裕層は新しい制度についても敏感です。2014年にNISA制度が始まったとき、多くの富裕層のお客さまから「NISAのことを教えて」とお声掛けをいただきました。
新しい情報に触れると「よく分からない」、「面倒そうだな」と思ってしまいがちですが、知らずに利用しないままでいるのはもったいないことです。効率よく資産を築くためには、NISAやiDeCoなどの資産形成を後押しする制度を上手に活用しましょう。
特徴④積極的に資産運用に取り組む
富裕層は、資産運用を上手に取り入れていることも特徴です。
筆者が出会ってきた富裕層のお客さまの中で、「株は怖いからやらない」、「預金のままで良いよ」という方はほとんどいらっしゃいませんでした。「低金利環境では自ら運用することが大切だ」ということを重々承知されており、資産の一部を必ず運用に回しています。
また、自分のリスク許容度をしっかりと理解していることも特徴です。誰しもがハイリスクハイリターンな運用を行っているのではなく、運用期間や自分の意向をしっかり踏まえたうえで商品選定を行います。
特に、これから富裕層を目指す方は、資産運用で効率よく資産を築くことが必要不可欠です。まずは、自分の投資意向を明確にしたうえで、少額投資から始めてみましょう。
特徴⑤プロの意見を取り入れる
富裕層は、「お金のことは銀行へ、税金のことは税理士へ」とプロの意見を積極的に取り入れることも特徴です。
もちろん、一般的な事柄なら自分で調べることもできるでしょう。しかし、専門的なことならプロにたずねた方が圧倒的に正確かつ効率的です。
富裕層が重視しているのはコストパフォーマンスで、「多少のお金がかかってもプロに任せた方が早い」と感じることには惜しみなくコストを支払います。
普段の生活でも「何でもかんでも出費を惜しむ」のではなく、プロに任せられるところは上手に力を借りることを意識しましょう。
4.【ライフスタイル編】銀行で出会った富裕層に共通する特徴
次に、富裕層のライフスタイルに見られる共通の特徴を紹介します。
特徴①自分の体をしっかりと労わる
よく「体は資本」といいますが、富裕層はそれをしっかりと理解しており、体のメンテナンスを欠かしません。
特に、企業の経営者などは自分が体調を崩すことで、会社が回らなくなる可能性もあります。もし「病気で働けない」なんてことになれば、収支にも大きな影響が出るでしょう。
そのため、普段からしっかりと体作りに励み、トレーニングやジム通いに励む人も珍しくありません。筆者はお客さまから「良い仕事は良い体があってこそ」ということを教えていただき、今もその言葉を大切にしています。
特徴②家族との時間を大切にする
富裕層は、企業の経営者や役員など忙しい方も多くいらっしゃいましたが、皆さんご家族との時間を大切にされているのが印象的でした。「休みの日は家族と○○で過ごした」と写真を見せてもらうこともあり、筆者も幸せをお裾分けしてもらったことが多くあります。
一度お客さまに「いつも仲が良くて素敵なご家族ですね」とお伝えしたときに、「家族のおかげで仕事ができているからね」と言われたことがありました。家族に対していつも穏やかでいられるのは、根底に感謝の気持ちがあるからなんだなと感動したことを覚えています。
家族へ感謝の気持ちはもちろん資産へ直結するものではありませんが、家庭が円満であると気持ちも満たされ、仕事の良い成果にもつながりやすいのかもしれませんね。
特徴③実際に足を運ぶ労力を惜しまない
銀行で出会った富裕層のお客さまは、行動力がある方が多くいらっしゃいました。たとえば「あのレストランが美味しい」と聞けば週末にはすぐご家族で出かけ、実際に自分の舌で確認することを惜しみません。こうした体験はお金で買えるものではないからです。
以前担当していた女性の経営者の方は、競合他社の評判を聞けばどれだけ遠くても実際に足を運び、そこで感じたことを社員に細かくフィードバックしていました。高齢の方でしたが、その行動力にはいつも驚かされたものです。
今はインターネットで調べれば何でも知ることができますが、実際に自分の目で見て肌で触れることも大切にしたいですね。
特徴④決断が早い
筆者は、銀行の外回り営業として投資信託や保険商品などの金融商品を販売してきました。もちろんリスクがあるものですし、まとまった金額を投資するとなると、すぐには決められないものです。
しかし、富裕層の方は驚くようなスピードで「じゃあこれを○○万円買ってみよう」と即決されることがあります。むしろ、あまりの速さに筆者の方が「そんなに即決で大丈夫ですか」と聞いたこともあるほどです。
そんなときは皆さん決まって、「自分が納得しているから大丈夫」とおっしゃいます。これは、今までの企業経営の経験から、素早く重要な判断を下すことに慣れているからなのかもしれません。
よく考えてみると、私たちの日々の生活は選択の連続です。決断力が高まれば、思考に費やす時間も減り、その時間を他の有意義なことに充てられるでしょう。もちろん十分考え抜くことは大切ですが、「意思を持って素早く決断する」という力も身につけたいものです。
5.小さなことから意識を変えてみよう
今からいきなり富裕層になることは難しくても、物事の考え方やライフスタイルを真似することはできます。本記事で紹介した富裕層の特徴は、どれもすぐに取り入れられるものばかりです。ぜひ、富裕層を目指して資産形成に取り組む際の参考にしてみてくださいね。
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この記事を書いた人
ライター
椿 慧理(つばき えり)
銀行を10年間勤務し経験を通じて得た金融知識を活かし、金融ライターとして独立。
金融商品やマーケットの解説、税制解説など初心者にも分かりやすい記事を手掛ける。
自らも12年の投資経験を持ち、国内外株式、投資信託、暗号資産を運用中。
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、内部管理責任者
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