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保険

知れば納得!「保証」「保障」「補償」の違いとその使い分けとは

知れば納得!「保証」「保障」「補償」の違いとその使い分けとは

日本語には同じような言葉なのに漢字や意味が異なるものが多くあります。

そのひとつが「ほしょう」です。

「ほしょう」といえば、どんな漢字を思い浮かべますか?

「保証」「保障」「補償」

これらはすべて「ほしょう」と同じ読み方をしますが、実は意味が異なります。

どれもなんとなく私たちの安全安心のための意味があることはわかりますが、その正式な意味や使われ方はよく知らないという方もいるのではないでしょうか。

このコラムではそれぞれの単語の違いはもちろん、保険販売現場では実際にどのように使い分けられているのかを詳しく解説します。

意味がわかると「へぇ~」となること間違いなしです!

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3つの「ほしょう」の意味と英訳は?

それではまず、それぞれの「ほしょう」には本来どのような意味があるのかを、広辞苑での引用を用いて確認していきましょう。

また英訳はどうなるのかも合わせてみていきます。

「保証」

まずは「保証」からみていきましょう。

日常では「身元保証人」や電化製品の「保証書」などと使われますね。

広辞苑によると、「保証」は「大丈夫だ、確かだと請け負うこと」とあります。

つまり、ある物事や人物、品質に対して責任をもっていることを表すために使われる表現です。

例えば「身元保証人」の場合は「この人はアパートの家賃を確かに支払うことができる人物だと私が証明します。」という意味で用いられますし、「保証書」は「企業で厳しいテストに合格した実績があるため、この冷蔵庫は3年間は問題なく稼働することを約束します。もしも故障したら期間内は無償で修理ができます。」といった意味になります。

このように「保証」は人や製品等に対しての「責任」を表す意味のある用語なのです。

ちなみに英語で「保証」「保証書」を表す言葉には「warranty」という単語が使われます。

“My refrigerator broke down the next day after the warranty had run out.”

「私の冷蔵庫は保証が切れた翌日に壊れた。」

なんとも悲しい「あるある」ですが、英語だとこのように表現されます。

「保障」

「保障」がよく使われる場面として「生活を保障する」「社会保障」などがありますね。

広辞苑によると「保障」は「障害のないように保つこと。侵されたり損なわれたりしないように守ること」と記載があります。

つまり先ほど解説した「保証」が「安全に自信があり、その確かさを宣言」するのに対して、「保障」は「実際に安全を保つために保護すること」なのです。

英語ではそのことを「security(安全)」あるいは「guarante(保障)」と表現し、「社会保障」のことは”social security”と英訳されます。

「保障」=「security(安全)」と考えると分かりやすいですね。

「補償」

最後に「補償」です。

こちらは「保証」「保障」と使用されている漢字のイメージが異なりますね。

私たちの生活では「損失の補償」「災害補償」として耳にします。

「補償」の場合は、実際に起きてしまった損害に対して、修繕をしたり費用を支払ったりすることを表しています。

つまり損害が実際に発生してから、その実損分を「補填」「償う」という意味があるのです。

「保証」は損をしないことを約束するもの、「保障」は損をしないように保護するもの、「補償」は実際に発生した損をカバーするといったイメージです。

英語では「reparation(補償/賠償)」「compenstation(補償)」と表現されます。

”I will demand reparation from her”

「私は彼女に賠償金を請求するつもりだ」

このように「補償」は、しばしば「償い」「賠償」と同異義語として用いられることがあります。

 

言い換え

広辞苑

英語

保証

責任

大丈夫だ、確かだと請け負うこと

warranty(保証)

保障

保護

障害のないように保つこと。侵されたり損なわれたりしないように守ること。

security(安全)

guarante(保障)

補償

償い

損害や出費を金銭などで補い償うこと。

reparation(補償/賠償)

compenstation(補償)

 

社会生活ではどのように使い分けられているの?

「保証」「保障」「補償」の使い分けが顕著なのが社会保障や保険に関してです。

ここではこれらの用語が具体的にどのような場面でどのように用いられているのかをみていきましょう。

年金分野での「保証」

年金分野での「ほしょう」は「保証」が用いられることが多いです。

年金には老齢年金、障害年金、遺族年金があります。これらの年金は受け取りの要件を満たせば確実に年金を受け取ることが「約束」、つまり「保証」されています。

年金は被保険者の老後や障害を負ったときの生活資金、あるいは被保険者が亡くなったときの遺族の生活資金の支払いを「保証」してくれる性質があるため、この意味の漢字が用いられるのですね。

生命保険分野での「保障」

一方、生命保険分野では「保障」を意味する漢字が多く用いられます。

ところで、生命保険には、終身保険や医療保険、収入保障保険などがありますが、これらの保険に加入する目的は何でしょう。

いずれも万が一の時に備えて加入している方が多いかと思います。

生命保険は今の生活をリスクから守るという性質のものです。そのため、万が一のことが起こったときに加入者の生活を「保護」するという意味の「保障」が用いられます。

損害保険分野での「補償」

損害保険分野では「補償」の漢字が多く用いられます。

私たちの生活に身近な損害保険として自動車保険がありますが、これは自動車事故にあって車に傷が付いたり、他者にけがをさせてしまった場合に発生した損害の金銭的負担を補ってくれる保険です。

加入している保険の内容にもよりますが、車の修繕費や被害者の治療費・慰謝料等を請求することができます。

このように損害保険では、実際に発生した損害に対して金銭的な補填をしてくれるため、「補い」「償い」という意味の「補償」が用いられるのです。

保険ではさらに細かい使い分けがされている

大きなくくりとして年金分野では「保証」、生命保険分野では「保障」、損害保険分野では「補償」が用いられますが、保険分野の中にはさらに細かな使い分けがあったり、その例外もあります。

具体的にどのような保険商品でどの意味の「ほしょう」が用いられているのか見てみましょう。

「保障」が使われる、収入保障保険

生命保険のひとつに「収入保障保険」という定期保険があります。

この保険は被保険者(保険を掛けられた人)が死亡、あるいは高度障害状態になった場合に、受取人が毎月の給与のように定額の保険金を受け取ることができる保険商品です。

例えば一家の大黒柱である夫が専業主婦の妻と小さい子供を残して亡くなった場合、収入が途絶えることになり生活が困窮してしまいかねません。

しかし収入保障保険に加入していれば、被保険者の死亡時から保険契約期間満了まで毎月給与のように生活費を受け取ることができるのです。

このように収入保障保険は、収入が途絶えて家族の生活が立ち行かなくなるリスクに備えて、できるだけ今まで通りの生活水準に近い資金を用意して家族を守り、生活を保障してくれる性質があります。

万が一の際の家族の生活を保障する事から「保障」という意味の漢字が組み込まれた保険名となっているのですね。

「補償」が使われる、個人賠償責任保険

「個人賠償責任保険」という保険は普段の生活で思いがけず誰かに損害を与えてしまった場合の賠償責任を付保する保険です。例えば日常には、思わぬことで加害者になってしまう場面があります。

「買い物の途中でうっかり商品を落として壊してしまった」

「子どもが友達と遊んでいるときにケンカをしてケガをさせてしまった」

「飼い犬が散歩の途中で通行人に嚙みついてしまった」

上記のような事故を起こしてしまった場合、損害賠償が発生することがあります。その事故内容によって損害賠償金に違いがありますが、万が一命に関わるような事故を起こした場合は、その賠償額はかなり高額になることも考えられるでしょう。

このように思わぬ過失によって損害を与えてしまい、被害者に対して損害賠償が発生するリスクに備えるために加入するのが個人賠償責任保険なのです。

保険はよく「お守りとして加入しておくもの」とも言われていますが、この保険は賠償責任を請け負うので「補償」としてのお守り代わりともいえるでしょう。

 履行保証保険

「履行保証保険」は私たちの生活にあまり聞きなじみのないものですが、これは国や地方自治体による公共事業の請負業者が加入する保険です。

公共事業には、道路の整備や水道等のライフライン工事などがあります。いずれも私たちの生活に欠かせないものですね。

しかし公共事業を請け負った業者が、工事の途中で倒産したりといった何らかの事情で期日までに工事を完了させることができないことがまれにあります。このようなことが起きてしまうと、不利益を受けることになるのは私たち国民や住民です。

そのため、もしも請負業者が工事を期日までに完成させられない場合、損害賠償を国や地方自治体に支払うか、他の業者に工事を委託することになります。

いずれにせよ、多額の金銭的負担があることが予想されます。こういった金銭的負担に備えるのが「履行保証保険」です。

また「履行保証保険」の加入者は公共事業の請負業者ですが、被保険者は受注者である国や地方自治体となり、工事が不履行となった場合は、国や地方自治体に保険金が支払われます。

この保険金をもとに国や地方公共団体は新たな業者に工事を依頼するということになります。このように工事を必ず履行することを「保証」するための保険なのです。

まとめ

一見意味や使い方が混同しがちな3つの「ほしょう」ですが、その意味や使い方はそれぞれ異なります。特に年金や保険の分野ではその言葉の意味ごとに明確に使い分けがされています。

年金や保険は私たちの生活に身近なものであるにも関わらず、言葉の難しさもあってしっかりと内容を理解できていない人が少なくありません。これらの言葉の意味を知ることで、「保証保険」や「補償保険」と銘打った保険商品がどのような目的の保険であるのかも見えてくるでしょう。

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この記事を書いた人

渡辺あい

ライター

渡辺あい(わたなべ あい)

銀行員として勤務の後ライターへ
4人の子供の母としてもお金の観点を持つ事が出来るのが記事の魅力。
FPの資格を活かした金融の記事に定評がある。

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